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#ぼっち・ざ・ろっく! 6巻 評論(ネタバレ注意)

内気で引っ込み思案な少女・ひとり、通称"ぼっち"が、陰キャな自分をなんとかしようと中学1年で一念発起、ギターの練習を始め毎日6時間を欠かさず2年。

アカウント「ギターヒーロー」としてネットのギターソロ「弾いてみた」系動画のカリスマにはなったものの、ぼっちのまま中学卒業。

『ぼっち・ざ・ろっく!』6巻より(はまじあき/芳文社)

高校デビューを目論んでギターケース背負って登校するも誰からも声をかけられず、公園で途方に暮れてるところを女子高生にナンパされ、「ギターヒーロー」と気がつかれないまま、その足で下北沢のライブハウスでバンドデビュー。

ぼっちの多事多難なバンド人生が始まった…!

な感じのコメディ4コマ。

『ぼっち・ざ・ろっく!』6巻より(はまじあき/芳文社)

コミュ障の凄腕ギタリスト少女ということで『けいおん!』の唯と真逆のスタート。夢はバンドでプロデビューして高校中退。

同じ芳文社の同じまんがタイムKRコミックスの『けいおん!』との違いはもう一点あって、あっちが部活バンドものであったのに対し、こっちはプロを志向して学外での活動がメインなところ。

『ぼっち・ざ・ろっく!』6巻より(はまじあき/芳文社)

前巻までで高校生バンドにしてレーベルにもスカウトされ、作中でシングルリリースも控えています。

アニメも人気で、メタではアルバムデビュー済みですけどw

今巻は、そんな順風満帆とまではいかないまでもなかなか有望な未来とは裏腹に、進級(留年)を懸けた定期試験に苦労し、自主企画のライブイベントの集客と金策に苦労し、そしてメンバーそれぞれの進路(大学進学)に逡巡し、特に喜多ちゃんは親にバンド活動を反対され…という、世知辛い展開。

『ぼっち・ざ・ろっく!』6巻より(はまじあき/芳文社)

世知辛い展開ですけど、「プロになりたいバンド少女たちの葛藤」を多少のご都合はあれどギャグコメに逃げっぱなしにするでもなく、それでも楽しく描いているのはさすが。

暗く重くなりがちなモチーフを楽しく読めるのは、彼女たち一人一人が「独り」じゃなくて、心配してなんとか力になろうとする仲間に恵まれているからでしょうか。

『ぼっち・ざ・ろっく!』6巻より(はまじあき/芳文社)

そういえば「女子高生バンド」なことが作品の売りの一つですけど、例えばぼっちちゃんが高校卒業して専業・プロのミュージシャンになったらこの漫画どうなるんだろう。

とかちょっと考えてしまいますね。

ミュージシャンのキャリアとしてはもちろんそこからが本番ですけど、モラトリアムも込みの「青春もの」として考えたら、この作品のツボはやっぱ高校生の間なのかな。

と勝手に作品の終わり方を想像して、既にちょっと寂しくなっちゃったり。

『ぼっち・ざ・ろっく!』6巻より(はまじあき/芳文社)

ぼっちちゃんもメンバーもちゃんと成長してて、そうだよな、「サザエさん時空」じゃないもんな、この漫画。

 

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