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#よふかしのうた 18巻 評論(ネタバレ注意)

少年・夜守コウ(14)はふとしたきっかけで「上手くやれていた中学生活」が嫌になり不登校に。

ある夜、夜の散歩で街を放浪していると「夜と不眠」に一家言持つ謎の美少女・ナズナに声をかけられ、血を吸われる。彼女は吸血鬼だった。

夜に生きる眷属になりたいと願っても吸血鬼化しないコウ。彼女が照れながら語る「吸血鬼になれる条件」は「吸血鬼に恋して血を吸われること」だった。

『よふかしのうた』18巻より(コトヤマ/小学館)

「だがしかし」作者の吸血鬼ファンタジーな青春ラブコメ。作品全体を通じてアンニュイとそのアンニュイからの解放が夜を舞台に描かれる。

吸血鬼・キクと眷属志望の少年・マヒルの顛末は、恋の成就と、それに伴う二人の死だった。

コウとナズナの関係は、「眷属」と「両想い」を両立した瞬間に、終わりを迎える宿命にあった…

『よふかしのうた』18巻より(コトヤマ/小学館)

自分は電子書籍派なので単行本のオビが付いていませんが、オビ情報より、

今巻より最終章、20巻で完結とのことです。

今巻含めて残り3冊。

『よふかしのうた』18巻より(コトヤマ/小学館)

※この物騒なのがメインヒロインです

内容的にどうみても終わりに向かっているのは自明ですが、最終章で、20巻で完結か…

知りたくなかったな…

ふだん、人気作の引き伸ばしに批判的なくせに、愛する作品の終わりが近くなると、引き伸ばしてでも、なんの脈絡もなく日常ほのぼの4コマに転向してでも、連載が続いて欲しいと願ってしまいます。

『よふかしのうた』18巻より(コトヤマ/小学館)

ミドリ氏に会えるのもこれが最後かもしれないでござるな…

始まった時から、どうなることがハッピーエンドなのか想像するのが難しい漫画でしたが、より一層難しくなって最終章へ。

せめてコウがナズナに、ナズナがコウに、出会えて良かったと思える結末であって欲しいと、願わずにはいられない。

ビターなエンディングしか想像がつきませんが、唯一の希望は、かなり特殊な本作における「吸血鬼のルール」、その中でさらに特殊な生い立ちのナズナと特殊な状況にあるコウの二人にまつわる「吸血鬼のルール」が、未だすべて明らかになっていない可能性があることです。

生き物として不合理すぎません? まるで創造主が「愛し合うこと」を禁止するために創ったような…

『よふかしのうた』18巻より(コトヤマ/小学館)

「美しく、名作として終わって欲しい」、

「コトヤマ先生の新作も楽しみ」、

と思う反面、

「不様なご都合主義で名作になり損なってもいいから、ハッピーエンドで終わって欲しい」、

あわよくば、

「みっともなく中身の薄い引き伸ばしでもいいから、永遠に連載して欲しい」、

と心が千々に乱れます。

永遠の夜を生きる吸血鬼と、永遠ならざる人の子の恋の物語を、永遠に読みたい、でもそうできないなんて、なんだかメタな話ですね。

『よふかしのうた』18巻より(コトヤマ/小学館)

終わってほしくないよー。

自分が石油王だったら小学館を丸ごと買収してサンデー編集部と作者に無理やり連載を続けさせたいぐらい、この漫画とお別れしたくないよー。

 

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