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#リコリス・リコイル 4巻 評論(ネタバレ注意)

近未来(?)の日本、孤児を集めて女子高生エージェント「リコリス」に仕立て上げ、凶悪犯を捕まえたり殺したりする公的機密機関「DA」。

DA本部のリコリス"たきな"は、現場で命令無視して凶悪犯に人質の味方ごとライトマシンガンをぶっ放し、味方こそ無事だったものの逮捕・取り調べ予定だった犯人たちを全員射殺し、左遷。

新たな配属先はDAの潜伏サイト、喫茶店「リコリコ」だった。

『リコリス・リコイル』4巻より(備前やすのり/KADOKAWA)

「リコリコ」先任の千束は「東京一のリコリス」と高名だったが、千束とバディを組むことになった たきな を待っていたのは、「町のなんでもお助け屋さん」の日々だった…

という美少女ガンアクション・ハードボイルド?

『ガンスリ』や『デストロ』に『攻殻』と『シティーハンター』を混ぜて4で割って、最後に『ごちうさ』で仕上げた感じです。

自分は1巻を読んだ時点ではTVアニメを未視聴だったんですが、1巻読んで続きが気になったのでサブスクで全話観ました。面白かった。

可愛い女の子がカッコよくて可愛くて眼福だったので、その後ゲームしながらとかのBGM代わりに5周ぐらいかな?観ました。

『リコリス・リコイル』4巻より(備前やすのり/KADOKAWA)

前巻で地下鉄銃撃テロが発生、今巻はその余波と、爺さんの東京観光ガイド兼ボディガードのエピソード(アニメ視聴済的な説明

大変「出来物」のコミカライズで、ストーリーや原作アニメに忠実に、たまに補完的な追加描写あり、リコリスたちの描写も原作に忠実に可愛くアクションはかっこよく、描写や演出は漫画らしくアレンジ。

反面、純・日常ものスピンオフのコミカライズも並行して別作品が展開されている関係で、

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アドリブ・深掘りは「そっち」に譲っているのか、日常シーンについては却ってオリジナル要素をちょっと入れにくくなっちゃいましたかね、という感じ。

『リコリス・リコイル』4巻より(備前やすのり/KADOKAWA)

そういえば、その日常ものスピンオフの『リコリス・リコイル リコレクト』の2巻が、当初はこの本編4巻と同日発売とアナウンスされていたのが、

土壇場になって5月に延期されたように見えました。なんだろう? まあいいけど。

この作品をこの作品たらしめている基幹の設定、「DA」と「アラン機関」の2つの組織についてアニメの方は割りと投げっぱなしジャーマンというか、全てを説明しないまま原作アニメは終わったしまいました。

キャラの魅力とアクションで押し切った感がありましたけど、こうしてコミカライズで落ち着いて読んでみると、この2つの組織についてはやっぱ結構「穴」があるなあ、と思います。

『リコリス・リコイル』4巻より(備前やすのり/KADOKAWA)

「穴」といっても「ツッコミどころ」「欠点」というよりは、説明不足を考察や空想で補ってミッシングリンクを埋めたくなる感じというか。

江戸幕府?、明治〜大日本帝国政府、戦後の日本国政府と、政体の二度の激変があったにも関わらずそれらを跨いでDAが存続している理由。

明治政府樹立前の「彼岸花」創始者周りの物語。設立時期からして、おそらく「幕末」ですよね、とか。

リコリスが未成年女子ばかりで構成されている理由。

「才能」があれば表も裏も、犯罪者でさえ育成し支援するアラン機関の設立経緯、理念、目的。組織構成、資金源。

現実の現在の日本在住の一般人の目から見ると、作品たらしめている作中の二大組織のコアのところが、けっこう謎だらけの設定。

『リコリス・リコイル』4巻より(備前やすのり/KADOKAWA)

「ドラマの舞台装置」と言ってしまえばそれまでですし、創ってる側も「あえて割り切って」そうしたように見えますが、こう、辻褄の合う人物やエピソードで空白を埋めたくなって、二次創作的な空想が捗る「穴」だなあ、と。

あとは今巻は殺し屋・ジンとの対決シーンがメインディッシュでしたが、よく動いてたアニメとは表現の仕方は違えどエッセンスを引き継いだ、かっこいいガンアクション。「ガンカタ・アクション」というべきなのかな。

アニメじゃないのによく動いて見えるわ。

『リコリス・リコイル』4巻より(備前やすのり/KADOKAWA)

キャラもかわゆすなあ、キマシてますなあ。

 

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