
人生が後悔と喪失との戦いのように思えた時、
そればかりではなかったと思わせてくれる友人のような
ただ寄り添える作品になれたら幸せ
岩倉美津未(いわくら みつみ)、15歳(その後16歳)。
「石川県のはしっこ」、学年8人の中学から、東大法学部卒・中央省庁官僚を経て地元の市長となる大志を抱いて、叔父の住む東京の「高偏差値高校」に進学。

『スキップとローファー』10巻より(高松美咲/講談社)
同級生8人の中学とはまったく違う大都会・東京の高校の人間関係、クラスメイトたちの「珍妙な田舎者」という視線が突き刺さる、予定に反してあまり順風満帆とは言えない高校デビュー・東京デビューと、思われた、が。
東京のクラスメイトたちは思ったより優しい良い人たちだった…
という学園青春もの。

『スキップとローファー』10巻より(高松美咲/講談社)
「楽しい日々が始まったよ」
「きっと素敵な高校生活が待ってるよ」
と、まるで誰かを励ましているかのようで、タイムスリップして高校生活をもう一度過ごすのも悪くないなあ、なんて思ってしまいます。
高校2年生、夏休み。

『スキップとローファー』10巻より(高松美咲/講談社)
女4人・男3人の仲良しグループはクラスもバラバラになってしまったし、美津未と志摩くんはお試しで付き合って「なんか違う」で別れてしまったけれど、されど高2の夏休み。
東大に数十人を送り込む進学校、来年の夏はみんな受験生。
美津未は勇気を出して、実家・石川県は能登半島への帰省に、みんなを誘う。
ということで、男女7人夏物語(1人欠席)、美津未の実家帰省編。の後編。

『スキップとローファー』10巻より(高松美咲/講談社)
楽しむみんなの輪の中で、どこかぎこちない志摩くん。
志摩くんに告白してフラれたことを誰かに吐き出したいミカ。
夏休み明け、新学期、花ちゃん先生に訪れた変化、「要領よく生きる」風上先輩の転機。
このエピソードの舞台は美津未の実家は石川県の架空の町「鈴市凧島町」、モデルは富山出身の作者の母方の実家がある石川県珠洲市。

『スキップとローファー』10巻より(高松美咲/講談社)
前巻から今巻の発売までの間に、大きな地震がありました。
ja.wikipedia.org
あとがきに、能登半島地震の被害とそれに対する作者の思いが綴られています。

『スキップとローファー』10巻より(高松美咲/講談社)
前巻・今巻で描かれた能登半島の景色を、自分もいつか直に眺められたら、と思います。
aqm.hatenablog.jp
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