#AQM

あ、今日読んだ漫画

#女の園の星 4巻 評論(ネタバレ注意)

女子高の国語教師を務める30代の星先生(♂)の日常ものギャグコメディ。

あらすじ・設定はこの1行以上は言いようがなく、ジャンルとしては会話芸寄りの職業もの日常コメディかなと思います。

『女の園の星』4巻より(和山やま/祥伝社)

高校教師あるあるっぽい内容ですが、既読の作品でいくと『動物のお医者さん』が雰囲気的には一番近いかな。

主人公の星先生がハムテルで、動物の代わりに女子高生。

シベリアンハスキーが流行ったみたいに、女子高生が流行るのかしらん。もう流行ってます。

キレで勝負、というよりジワジワくる系のパンチ力高い系。

女子高生がいっぱい出てくる漫画は、ファンタジーというか性善説すぎて嘘くさい会話の作品が多いんですが、本作は女子高生の会話が珍妙なのに「あるある」というか、リアリティライン高いところの上澄を上手に拾ってくるなあ、という感じ。

『女の園の星』4巻より(和山やま/祥伝社)

「突飛すぎると逆にリアルになる」パターンというか。

「笑ってはいけない教師生活24時」のようにも、三谷幸喜の舞台喜劇のようにも、4コマ漫画でもいけたようにも。

女子高が舞台の日常漫画ながら男性教師がタイトルロールの作品で、しかも今巻は夏休み編ということで、びっくりするぐらい女子高生が出てこない、おっさんばっかり出てくる漫画にw

『女の園の星』4巻より(和山やま/祥伝社)

おっさんばっかりのエピソード群に、その「夏休み中の星先生を観察したい」鳥井さんとそれに付き合わされる小森さんが生徒代表で登場するぐらい。

表紙の登場人物が3巻から連続して小森さんと鳥井さんなの、

今巻の中身がおっさんっばかりなことの埋め合わせなんでしょうかw

小森さん、鳥井さんより意識低いのに宿題ちゃんとやってるのがイイよね。

『女の園の星』4巻より(和山やま/祥伝社)

顔が怖ぇよw

ローテンションで温度も湿度も低い会話芸ですけど、「見せ場を作らない作風」というか、他の漫画と比べて読んでて「1コマで面白い」「1コマでインパクトある」って場面があんま無いんですよね。

エピソードを象徴するクライマックスの決めゴマや決めページに向けて、前フリしたり盛り上げたりするタイプじゃなくて、面白さをちょっとずつ、でも間断なく畳み掛けてくる希少なタイプだな、と思います。静かに淡々と狂っていくというかw

なんでしょね、ツッコミがローテンションだったり不在だったりする影響で流れが途切れないせいで、そう感じるのかな。

『ハコヅメ』あたりだと、ボケもツッコミももうちょっとテンション高かったですもんね。

『女の園の星』4巻より(和山やま/祥伝社)

もう一つ、会話芸が他愛なく、くだらなく、マイルドに狂気じみてて、読後に何の教訓もメッセージも残らないのも特長なんかな。

「作者の主張」とか、「考えさせられた」的なものが、何も無い。

読み終わってただ「なんか面白かった」という記憶だけが残るという。現実の青春時代みたいw

前巻から2年弱ぐらい間が空いて、次巻がいつだか知りませんが、楽しみだなあ、早く読みたいなあ。

 

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