AQM

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#ゴールデンカムイ 31巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

「最後の表紙、杉元一人なんだな」と思って過去巻の表紙を見たら、基本的に表紙はずっと1人だったんですね。

謎の唯一の例外が18巻。

あんま深い意味はなさそう。

 

明治40年前後の北海道が舞台。日露戦争の二〇三高地で超人的な活躍をして「不死身の杉元」と呼ばれたけど上官半殺しにしてクビになった元軍人とアイヌの少女・アシリパのコンビを主人公に、網走監獄の囚人たちの刺青に刻まれたアイヌの隠し大金塊の地図を巡る血生臭い冒険もの。

金塊を争う数多くのキャラクターによる数多くの勢力が徐々に淘汰・集約されていき、最終的に「アシリパ派vs鶴見中尉派」に二極化。

金塊、そして鍵となる「権利書」が隠された函館・五稜郭の戦いを経て、生き残ったすべての主要キャラを乗せて、史上「土方歳三 最期の地」とされる「一本木関門」跡へ爆走する暴走列車。

「『ゴールデンカムイ』と言えば俺を忘れちゃ困るぜ!」とばかりに、列車の中なのにヒグマも登場。

『ゴールデンカムイ』31巻より(野田サトル/集英社)

ファイナルファイトでも列車の中にヒグマいねえwww

 

8年間314話に渡ってヤンジャンの看板作品として連載、現時点で四期に渡ってTVアニメ化、アイヌの隠し財宝を巡って本当にたくさんのキャラが人生を背負って争い死んでいった冒険大活劇の最終巻。

前巻に続き、濃いキャラたちが生き死にの際で生命のバトンをリレーするような展開。

『ゴールデンカムイ』31巻より(野田サトル/集英社)

今巻のこの人、ハガー市長みたいでしたけど、白石の言うとおり最期までカッコ良かったな。

 

濃くて魅力的なキャラ揃いのこの作品の中で自分がどのキャラが一番好きと言うか、推しと言うか、アレだったんだろうと考えると、やっぱ土方歳三でしたわ。

史実の人物の中で最も出番が多かったこのキャラの厄介なのは、「『ゴールデンカムイ』ファン以外にも土方歳三ファンが多数いる」ところで、

「どれどれ、この作品では土方歳三をどう扱うやら、お手並拝見だのう」

という謎の親方たちがたくさん存在します。

「厄介ファンの多いフリー素材」みたいな人。精子探偵とかやらせちゃダメ。

幕末を生き延びて老人になった土方歳三が更に生き残るなんて最初から期待していませんでしたが、「カッコ良く死なせないと許さねえぞ」という圧が、実は主人公たちより強かったキャラなんじゃないかなと。

『ゴールデンカムイ』31巻より(野田サトル/集英社)

どうでしたかね。

鹿児島出身の自分は示現流にはそれなりに親近感ありますが、それでも、狭い列車内の通路における示現流の蜻蛉の構えからの斬撃と、新撰組の平刺突の対峙…(私主観の)キャラとしての格…と考えると色々アレなところがあったりするんですけど、それでも、満足でした。

最期の地を一本木に持ってったこじつけ力、兼定の扱い方にも唸るものがありました。

この作者の解釈と描写、「好きな土方歳三」像がまた一つ増えてしまった。

 

80年代以降、戦記ものフィクションで戦う男主人公の後ろで平和的・思想的な指導者になるヒロイン、という役割分担は大変増えた(『スパロボ』やってるとたくさん出てきます)んですが、

『ゴールデンカムイ』31巻より(野田サトル/集英社)

仁王像のような表情のアシリパが初めて手を汚した瞬間の、杉元のなんとも言えない表情、良かった。

「手を汚させてしまった」と同時に、最終巻にしてようやく本当の相棒を手に入れた安堵の表情、と自分は読みましたが、どうだったでしょうか。

 

さて、これだけキャラが死んだ挙句の最後を爆笑で全部持ってった連載ラストも凄かったですけど、単行本には修正のためだけでなく、お楽しみのエピローグの加筆がありました。

『ゴールデンカムイ』31巻より(野田サトル/集英社)

連載完結から単行本の最終巻まで頭が狂ったような過密スケジュールでしたけど、

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エピローグ、作者これ、早く読者に読ませたかったんだろうなーという、匂わせて想像させる粋な歴史フィクション。

早い者勝ちで感想言わせていただくと、

「まっさーかー!」と思いました。

連載お疲れ様でした、おかげでこの8年間楽しませてもらってQOLが少し上がりました。

次回作も楽しみに…

というより、マジでしばらく休んでくださいw

 

 

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