#AQM

あ、今日読んだ漫画

#ミミクリー・ガールズ 1巻 評論(ネタバレ注意)

パンツが見えそうで見えない表紙ですけど、本編では割りとパンツ見えます。

 

数日前にこんな記事を書いてあらためて感じるまでもなく、

美少女殺し屋の漫画多いなw

と思ったけど自分の趣味でバイアスかかってるだけだった。

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「兵器と美少女」は遥か昔のブームを過ぎて、ジャンルとして定着した感がありますね。

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挙げればもっと、というより、いくらでも。

「兵器と美少女」はもともと「男の子の大好き要素として」ぐらいしか接点というか共通点のない不条理で不合理なものでしたが、長いんだか長くないんだかよくわからない「エンタメ映え」の歴史の中で、

『GUNSLINGER GIRL』1巻より(相田裕/KADOKAWA)

『リコリス・リコイル』1巻より(備前やすのり/KADOKAWA)

「敵に警戒されない記号」としての合理性を獲得しました。

その他、青年・壮年の男性兵士と比較して、体格(体重・膂力・耐久性)で劣り経験(技術・場数)で劣るローティーンからミドルティーンの女子を、広義の白兵戦で彼らと互角以上に渡り合わせる(もしくは一蹴せしめる)ために、いろんな便利な理屈(設定)が発明されました。

①先天的な才能(天才、超常的な能力、戦闘力の高い種族・一族出身、突然変異)

②幼い頃からの英才教育(王家・術者・暗殺者の家系での養育、非公開で孤児を集める養成機関等)、

 過酷で密度の濃い訓練・戦闘経験での成長(「●●部隊の生き残り」等)

③人為的な肉体強化(ドーピング、●●の実、部分サイボーグ化)

④戦闘目的に生産される

⑤少女の姿に別人の魂(人格、知識、経験)をインストールする(全身サイボーグ、転生)

⑥本人じゃなく固有ガジェットや付属物が強い(武器、守護霊、式神、召喚獣など)

⑦(番外)本当は強くないのに周りが勝手に「強い」と勘違いしている

あとなんかあるかな。

漫画で言えば、

『リコリコ(DA)』『デストロ(止まり木)』は①②、

『ガンスリ(公社)』は②③、

『FSS』の騎士は①②、ファティマは④、

『幼女戦記』は①⑤、

「なろう系」に⑤がたくさん、

⑥は「アルスラーンが宝剣ルクナバード持つと強い」とか「六道冥子の式神最強」とかですけど、この辺なってくると「ミリもの」「SFもの」というよりファンタジー寄り・オカルト寄りに。

という感じ。

体格と経験で不利な美少女(「華奢な少年」についても同様)になんとか戦闘で活躍してもらおう、リアリティを持たせよう、とあの手この手で苦心惨憺、といったところ。

たま〜になんの理由もなく(強いて言えば①だけで)強い、『花の慶次』みたいな戦闘少女もいて、珍しさ故に?逆にそっちの方がリアリティ(説得力)を感じてしまったりw

 

さて、本作は⑤「少女の姿に成人男性の魂(人格、知識、経験)をインストールする」、生体サイボーグ型。

『ミミクリー・ガールズ』1巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

第三次世界大戦を経た、2041年の世界。

人命尊重・兵器の無人化により戦争の戦死者は減少したが、それだけに制圧・治安維持などの最終局面の白兵戦に投入せざるを得ない人間の兵士は貴重となり、訓練と戦闘経験を積んだ兵士は希少となった。

兵士の量より質が求められる時代、合衆国は敵国から秘密裏に押収したバイオテック技術を転用し、熟練の兵士(の脳と脊髄)が衣服を着替えるように義体を着替える「人工素体(ミミック)」技術を軍に適用。

『ミミクリー・ガールズ』1巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

熟練兵が前線で重傷を負っても24時間で戦線に復帰できるシステムを構築した。

チュニジアの作戦で負傷した合衆国の特殊部隊隊員クリスは、作戦終了後にいつものように義体を換装。

しかし、彼が目を覚まして鏡で確認した自分の姿は、ローティーンの美少女のものだった…

という、近未来SFの特殊部隊もののガンアクション。

「ロリータ攻殻機動隊」とでも言うか。

『攻殻機動隊』を洋物化して、SF感だいぶ薄めて、ロリ趣味増し増し、「電脳」抜き、という感じ。

『攻殻機動隊』より(士郎政宗/講談社)

なので「電脳ハッキング」「電脳ジャミング」などの「電脳電子戦」はありまへん。

「パーツの換装」という意味では『ガンスリ』にもちょっと似てますが、あっちと違ってこっちは換装(+投薬)による脳や寿命へのダメージがないっぽい。

美少女の中身はおっさんなので「同世界(美少女)転生」っぽい感じ、見た目は『ごちうさ』。

中身がジジイの奴(おでこ枠)もいるので自然と「のじゃロリ」に。

『ミミクリー・ガールズ』1巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

自然とはいったい。

少女の姿となったクリスへの大統領からの直接指令は、ネットでガチめの暗殺予告がなされた大統領の隠し子の娘を、ヨーロッパから合衆国へ護送することだった…

というわけで、主人公は合衆国軍人、舞台はイタリアはヴェネツィアから始まるヨーロッパ。

と、日本色がほとんどない「洋物」感あふれる展開と描写。

『ミミクリー・ガールズ』1巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

作者自身の「洋物」スパイ映画・戦争映画・SF映画趣味が滲み出ていて、セリフに多々、有名映画のタイトルが引用されます。

「エピソードヒロインを護衛しながらの逃避行」という、特殊部隊ものハリウッド映画の定番みたいな展開、1巻は続きが気になるところで「次巻に続く」ですけど、原作がラノベということで、コミカライズ2〜3冊で原作1巻分でキリ良くエピソードが完結していく感じですかね。

『ミミクリー・ガールズ』1巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

狙撃手と組む観測手のスコープに、着弾までの時間差を考慮した標的の予測映像が表示される描写。面白いね。

初めて見たけど、これ現在も存在するのかな?

ガンアクションの描写も「ミリタリーものにこだわり有」なのと、「人と銃で画風(ペンタッチ)が違って銃が浮いてる」作品が多い中、割りと画面に馴染んでます。

その代わりというか、大統領の名前が「ジョン・スミス」、冒頭シーンの主人公の分隊の隊員たちが「スピルバーグ」、「キャメロン」、「ルーカス」、ベテラン兵士は「ランボー」と、手を抜くところは膝から崩れ落ちるぐらい手を抜く、割り切りの落差も面白いですねw これコールサインなんかな?

女の子たちが可愛らしく、ガン・アクションはかっこよく、なんならマイルドな擬似百合っぽさもあり、パンツは見えるわ温泉回もあるわ、

『ミミクリー・ガールズ』1巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

サービス過剰気味なエンタメに仕上がってます。

主人公のクリスが「美少女になっちゃったバトーかな」と思って読んでたら「先任の気さくなお姉さん」キャラに落ち着いて、ルックスも含めて『リコリコ』の千束を重ねて読んでしまうのも、それはそれでちょっと嬉しみ。

 

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