#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#シメジ シミュレーション 4巻 評論(ネタバレ注意)

中一で学校が嫌になり、科学者?の姉と二人暮らしの団地の押入れに引きこもっていたら頭からシメジが生えてきた月島しじまは、一念発起して押入れを出て受験して高校に通うことにした。

高校では読書をして他人との交わりを持たないつもりだったが、頭に目玉焼きを乗せたメガネっ子の山下まじめがグイグイくるので、友達になる。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

2人は穴掘り部に入部したり、美術の授業を受けたり、ファミレスに行ったり、頭のシメジが増えたり、学校をサボったり、お泊まり会をしたり、姉の作ったおかしな機械でおかしな夢を見たりする。

『少女終末旅行』のつくみず先生の現作は、女子高生2人の少し不思議なんかファンタジーなダルくてユルくてアンニュイな不条理日常4コマ。

4コマ漫画ですが、半分ギャグコメディ、半分は詩という感じ。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

『少女終末旅行』の主人公、チトとユーリも意味があるのかないのか、毎巻必ずカメオ出演。

前巻で、何かの研究者であるところの、しじまの姉によって、世界は人が思念したように形を変える世界に改変されてしまった。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

そして人によって思念の形が違うため、人々の思念によって世界はめちゃくちゃになった。

しかし、意外と誰も困っていなかったので、めちゃくちゃになった世界で人々も、しじまとまじめも、それなりに順応して暮らしていた…

「シュール」と「理不尽」って意味一緒でしたっけ? とにかく、そういう感じ。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

この漫画が語っていること、作者の意図を、「私は理解できる」っつったら自分が言ったらそれは嘘なんですけど、サイケデリックで哲学的な夢の中のような世界。

雑に喩えれば、「人類補完計画」でみんなLCLだかLSDだかで一つに溶け合う途中、その過程を見せられているような気分になりますが、雑な喩えが先入観になって理解を阻む例かもしれません。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

今巻の終盤や、1巻以来の展開を俯瞰で見ると、「どうもこの作品、ストーリーがあるっぽい」と今更ながら。

人間の空想の限界?当事者としての空想の支点と対象としての力点?当事者性を失うことによる?カオスのインフレ?

こういうときは原点というか、先々のタイトル回収を見越してタイトルに回帰して…「シメジ」の(?)「シミュレーション」でしょ。ヒロイン・シメジの、計算やシステムによる模擬…「計算」って確か今巻で複数回出てきたけど…うーん…?

自分が「意味の迷路」に勝手にハマってるだけのような気も…

 

 

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#初×婚 1巻 評論(ネタバレ注意)

「ういこん」と読みます。

1巻からして既に「普通の少女漫画」の最終巻みてえな表紙だなw

 

「少女漫画誌でよくね?」みたいな恋愛漫画が少年誌レーベルで描かれる一方で、少女漫画レーベルで自分が読んでる漫画ってこういうので、

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上澄だけ掬って読んでるというか、まあ要するにあんま少女漫画読んでないんですけど、「むかし読んでた『りぼん』には今どういう恋愛漫画が載ってるんだろう?」とちょっと疑問に思ってたところに、ちょうど先日、年に一度の小学館漫画賞が発表されて、

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「児童向け部門」でこの『初×婚』が受賞していたので。

自分は数ある漫画賞の中でこの賞を、上位3つに入れるぐらいには信用しています。

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ちなみに今回の最終選考委員は、おのえりこ、川村元気、島本和彦、ブルボン小林、細野不二彦、松田奈緒子、松本大洋とのこと。

小学館漫画賞に選ばれる少女漫画ってのは、そもそも「児童向け部門」「少女向け部門」の年に2枠しかなく、うち「児童向け」は男児向けが1/2の確率で選ばれたり、たまに「該当なし」だったりするし、ましてや小学館以外の作品が選ばれるのも数年に一度レベルで、要するになかなかレアなことが起きたので、対象読者層から自分が大きく外れていることは承知の上で、とりあえず1巻を読んでみました。

1巻は2019年の刊です。2023年1月時点で既刊10巻。

 

高一の少女・倉下 初(くらげ うい)が入学したのは、世界有数のIT長者・七海夫妻が新しく設立した私立七海学園高等学校。

『初×婚』1巻より(黒崎みのり/集英社)

七海夫妻のIT企業・セブンオーシャン社が開発したマッチングAI「デステニー」により、新入生の男女は全員が入学時点であらかじめマッチングされ、しかも全寮制でマッチングされた男女が同室で暮らす、という狂った学校だった。

3年間の高校生活を通じてベストカップルを選定、選ばれたカップルは入籍し、IT長者である七海夫妻の後継者として大企業ブルーオーシャンの社長の座につき、すべての資産を相続する、そのためだけに設立されたという特殊な高校だった。

『初×婚』1巻より(黒崎みのり/集英社)

これ既にネットで書いてる人いっぱいいるでしょうけど、建て付けとして要するにデスゲームです。

罰としての死の代わりに、報酬としての地位と資産が用意されている、というだけで、ルールの上では「他人を蹴落として生き残るサバイバル」という意味で完全にデスゲームの換骨奪胎。

あるいは「セックスしないと出られない部屋」の亜種。

AIマッチング婚姻の社会実験的なSFという意味では『恋と嘘』に近い発想の作品。

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あっちは国にマイルドに強制されていたけど、こっちは一応、志願者たちが入学してる、という。

君たち大丈夫か? 親に売られてないよね?

現実に近い分、一見トンデモ設定に見えるんですけど、少年漫画・少女漫画のトンデモ設定ってのはマーマレード的なボーイな何かとか昔から一定数あって(『魁!男塾』ほどトンデモではないと思う)、ある種の極限状態からスタートするので恋愛的にテンパった展開に辿り着きやすいってのはあります。

『初×婚』1巻より(黒崎みのり/集英社)

デスゲームのメタな攻略法として、「みなさんに殺し合いをしてもらいます」と言ってるビートたけしを初手で全員がかりで殺す、というのが周知されてしまって、近年のデスゲームの主催者はモニター・スピーカー越しで話しかけてくる軟弱者ばかりになってしまいましたが、このルールだと初手で主催者殺すわけにもいかないというか、そもそも志望者の集まりなので、基本的にみんな15歳なのにマッチング目当てかつ金目当て、という、児童向け部門らしからぬ欲望丸出しの動機づけによる、児童向け部門らしいわかりやすい初期設定。

 

高一の男女を寮の同室でペアで生活させるということで、セックス祭りになりそうというかエロ漫画とかでよくありそうな設定ですけど、一応セックス禁止令的なシステムと、

『初×婚』1巻より(黒崎みのり/集英社)

ゴールデンカップルを目指すサバイバルレースのポイント上のペナルティがあって、抑止されている仕組みになってます。

実は

「年頃の男女を閉鎖空間に閉じ込める」

「でもセックスは禁止で〜す」

「セックス禁止令を破ると内申が下がったり退学になりま〜す」

ってのは、学校やクラスというもう少し大きい学校教育の箱で現実で行われてきていることで、よりシンボリックに箱を更に小さくしただけっちゃだけなんですよね。

ただ狭い空間で対峙する相手がクラスメイトたちじゃなくて、男と女が1体1で対峙しなくちゃいけない檻である「擬似夫婦」「擬似家族」と、より狭い人間関係に限定されてます。

 

空間からクラスメイトが排除されたことによってスクールカーストからは自由になったのか、というとそんなことはなく、彼女ら彼らの男女ペアの学校生活はブルーオーシャン社の社員によって常に撮影(盗撮)されており、

『初×婚』1巻より(黒崎みのり/集英社)

その様子が専用SNSにアップされ、ブルーオーシャン社の社員たちに「いいね!」をされ、その「いいね!」数がベストカップ選定にポイントとして加算されるという仕組み。

狭い檻の外に「SNS映え」を通じてバズり合戦の新たなスクールカーストと、カップル同士が相互に物語として消費しあう恋愛リアリティショー要素が存在しています。

急いでタワマンに住んでタピオカなどを飲め。

あとこの舞台、新設校なんで1年生しかおらず、いわゆる人間関係における「縦の関係」が存在しないんですね。

「お前ら生意気だ」っつってシメてくる先輩がいない代わりに、師匠とか手本とか主人公たちを導く存在だとか、「アルファ」「憧れの存在」みたいなロールモデルが強いて言えば理事長(学長?校長?)の七海夫妻ぐらいしか存在してない上に、七海夫妻は今んとこなんの参考にもなんねえっていうw

サバイブする方法論が確立してない上に「継がれる想い」みたいな要素も薄くて、テクニック面でも思想面でも自分たちで手探りでやっていくしかないっていう、その辺も学園ものというよりデスゲームっぽいです。

 

金目当てのリアリストのクールな美少年・紺くんと同室パートナーになったヒロインの初(うい)は、ラブラブだった両親を2年前に亡くしています。

天涯孤独となった少女が「喪われた家族を再び手に入れる」という、チャラい世界観の割りに重たくてピュアな動機づけ。

『初×婚』1巻より(黒崎みのり/集英社)

「喪われた家族(共同体)を代わりのもので再構築したい」という動機は、漫画やアニメで言えば『鉄腕アトム』の誕生エピソードの頃から『エヴァンゲリオン』の碇ゲンドウやシンジくんまで、誰もが多かれ少なかれ持ってる強力な欲求で、伝統的で普遍的な欲求を持つ少女が、いかに個人主義と「SNSの緩い繋がり」の現代の地雷原を歩いていくのか、というお話。炎上とかするんですかねコレ。

紺くんが金目当てのクールなリアリストな理由は1巻では描写されなかったですけど、そのうち描写されるんだろうという感じですけど、初と紺くんが擬似的な「仮面夫婦」の関係からスタートするというのも、現代的というか二重の意味で「家族の再生」に向かう設定ですよね。

 

デスゲームの勝利条件というのは当初は「サバイブすること」なんですけど、もはや古典の『バトル・ロワイアル』原作小説の続編のように、最終的・究極的には

「デスゲームの枠組みから自由になること」

「デスゲームの枠組みをぶっ壊すこと」

に行き着かざるを得ないんじゃないかなと自分は思ってます。

この作品も初期設定は一見、倫理観が狂った問題作というか、いけ好かないディストピアすれすれのトンデモ設定なんですけど、その与えられた理不尽なルールやレール、枠を乗り越えて自分の意志で人生を選んでいく姿を読者に見せることが、少年漫画・少女漫画の主人公たちの役割の一つなのかな、と思います。

他人が作ったルールそのものを壊していく、『ハンター』のゴンがよくやるやつね。出口が2つしかない部屋で壁をぶち抜いて第3の出口を自分で作って脱出する的な。

 

1巻は正直、特殊な初期設定と主人公二人のキャラクターを消化するうちに尺が終わってしまったので、人気少女漫画に定番の個性豊かなキャラクターの群像劇要素とかまだ薄くて、主人公二人以外のネームドの重要キャラがほとんどいません。

「他社作品ながら小学館漫画賞受賞」に値するようなドラマはまだ起こっていないんですけど、面白くなりそうな種というか地雷をたくさん埋めて、フックとして役割を果たした1巻、という感じ。

一見突飛な設定なようでいて、「デスゲーム」「社会SF」「マッチング恋愛」「閉鎖的な人間関係」「SNSのバズり合戦とカースト」「恋愛リアリティーショー」「仮面夫婦」と、現実社会で若者を取り巻く現代的な要素の風刺的なメタファーが、地雷として割りと露骨にあちこちに埋め込まれた初期設定。いや、現実社会でデスゲームに巻き込まれる若者は滅多にいねえよ。

既刊10巻とか出てる現在の時点で受賞してるんで、本格的に面白くなるのは5巻過ぎぐらいなんですかね。

『初×婚』1巻より(黒崎みのり/集英社)

オーソドックスな少女恋愛漫画的には、可愛い系美少年ながら金目当てのクールなリアリストの紺くんが、初にデレるところを愛でる漫画なのかな、と思います。

仮面夫婦から始まる恋、というと少年漫画・少女漫画周辺で言えば、『ジョジョ』四部の吉良吉影が扮する川尻浩作とその妻・川尻しのぶの未満恋愛描写を、ちょっと思い出します。

 

なおこの記事は「いかにもこのあと面白くなりそうな期待作」みたいに書いてますけど、「小学館漫画賞受賞」という途中結果から逆算して先入観と偏見で書いたものなので、あんまり真に受けないでください。

そもそも既刊10巻のまだ1巻で読者としてだいぶ出遅れてる上に、正直1巻時点ではまだそこまで面白い漫画ではないです。

というわけで、続き読も。思ったのと全然違う漫画になってたら笑う。

 

 

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(選書参考)

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#中卒労働者から始める高校生活 18巻 評論(ネタバレ注意)

いい表紙だな。

今巻末の次巻予告がコレなんですが、

『中卒労働者から始める高校生活』18巻より (佐々木ミノル/日本文芸社)

 

あー、「千切れる」と「契れる」のダブルミーニングなのか!

 

母親を亡くし父親は刑務所、中卒で工場で働く主人公。

3つ下のブラコン妹の公立高の受験失敗と、職場での学歴コンプレックスがきっかけで、妹と一緒に通信制高校に通うことに。

事情を抱えたヒロイン、親の勧める名門校を蹴って通信制高校に。

2人は惹かれあいつつ、世代もバラバラないろんな同級生たちとの交流を通じて、卑屈だった自分と向き合って少しずつ成長していく青春恋愛もの。

『中卒労働者から始める高校生活』18巻より (佐々木ミノル/日本文芸社)

序盤の2巻で女の子が陰湿な性暴力の被害に遭うシーンがあるので、そういうシーンを観ると気分が落ち込む人等はこの作品は読まない方が良いです。

主人公たち兄妹の父親が出所、紆余曲折ありヒロインを交えての面会中に主人公の父親が酔って錯乱、ヒロインに怪我を負わせてしまう。

信頼してくれていたヒロイン側の父親に「娘と別れてくれ」と告げられた主人公は…

『中卒労働者から始める高校生活』18巻より (佐々木ミノル/日本文芸社)

主人公2人の別れから4巻が経ちまして、未だに尾を引き続けています。(話のメインなので当たり前ですが)

精神的に復活してタフになったヒロイン、もうあとはヨリを戻すにあたってキッカケと、別れを決意した主人公をオトす決め手があれば、というところ。

スピンオフで、主人公とヒロインの10年後ぐらいのラブイチャ結婚生活ものもやってて、

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復縁してハッピーエンドなのは見えてはいるんですけど、

『中卒労働者から始める高校生活』18巻より (佐々木ミノル/日本文芸社)

とりあえず、よかったねえ、よかったねえ。

本作中では元・受刑者で出所してもアレな感じの父親が二人の関係に昏い影を落とします。

ヒロインと復縁するためにも、自分たち兄妹の出自であり今なお人生に影を落とし続ける、父親との決着を決意するが…

どうするんでしょうね、親父。

『中卒労働者から始める高校生活』18巻より (佐々木ミノル/日本文芸社)

そもそも父親としての役割を果たす意志も能力もないし、子を必要ともせずに亡くした妻の幻影を見ているだけの父親なので、主人公が絶縁を迫ればあっさり絶縁できそうに見えますけど、人間はモノじゃないしね。

漫画の中の胸糞悪い要らない人間だからって、あっさり捨てちゃうのもの後味悪いよね、っていう。

『中卒労働者から始める高校生活』18巻より (佐々木ミノル/日本文芸社)

作者は何か、この父親にも救済を与えようとしているようにも見えるんですが。

どうするんだろう。

最近、漫画を読んでいて「ダメ親(毒親)を見捨てる子ども」の話がよく目につく気がするんですが、実際そうなのか、昔からそうだったものを私が意識するようになったのか、たまたまなのか。

 

 

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#とらドラ! 11巻 評論(ネタバレ注意)

まだ、やってます。

ラノベブーム初期の名作・映像化の成功事例として語られるラノベのコミカライズ。

自分、最初にこの作品に出会ったのがコミカライズの1巻だったこともあって、原作もアニメも観てないんですよね。今だったらSVODでたぶんアニメ全話観れちゃうんですけど。

「とらドラ!」11巻より(竹宮ゆゆこ/絶叫/ヤス/KADOKAWA)

コミカライズの前巻は2021年11月、その前は2019年6月、1巻は2008年、アニメ化されたのも2008年、原作ラノベの1巻は2006年の刊行とのことです。

「なんでこんなに続きが出るの遅いんだろう」とか「1つの作品のコミカライズに1人の漫画家をこんなに長期に拘束するのどうなの」とか思ってた時期もあったんですけど、ぶっちゃけ事情とか全然知らねんですけど、途中で行方不明になるコミカライズも多い中、年1冊以下のペースでも待ってさえいればコツコツ着実に続きを描いてくれて、今はもう応援しかしてねッス。

「とらドラ!」11巻より(竹宮ゆゆこ/絶叫/ヤス/KADOKAWA)

両片想いなのに、互いに相手の当初の恋愛成就にこだわり、当初の恋愛相手は友情優先で、と主要登場人物のほぼ全員が自分より誰かの恋愛感情を優先した結果、こじれにこじれたところに、更に進路の悩みも重なって、という展開。

「闇は夜明け前が最も深くなる」というか、高校3年生の進路を悩む時期と恋愛と友情の人間関係のもつれに加えて、今巻ではとうとう「生まれと育ち」(親)にも遡って、作品クライマックス前の曇らせ展開が大噴火、という巻。

「とらドラ!」11巻より(竹宮ゆゆこ/絶叫/ヤス/KADOKAWA)

未成年の高校生の無力感と、経済的にも精神的にも良かれ悪しかれまだ親の影響下、というのもそうなんですけど、ガキのくせに「自分を置いといて他人の幸福をプロデュースしよう」という各キャラの魂胆が、自分が思春期だった頃を顧みてもこう、虫唾が走りますねw

「とらドラ!」11巻より(竹宮ゆゆこ/絶叫/ヤス/KADOKAWA)

「テメエを幸せにできねえガキが10年早えよ」っていう。特に他人の恋愛プロデュースしようとするガキ。そら、みのりんじゃなくてもブチ切れるわっていう。

「子に自分が叶わなかった夢や人生を仮託する親」ってのもまあ代償行為みたいなのが透けて見える瞬間がウザいってのはあるんですけど、親には多かれ少なかれあることだっていうのと、ガキ同士の幸福プロデュースごっこと違って「産んだ責任」とか「産んだ時に感じた祈り」みたいなものでドライブしてるとこがあるので、ガキの衝動とは言え、

「とらドラ!」11巻より(竹宮ゆゆこ/絶叫/ヤス/KADOKAWA)

これはさすがにやっちゃんが可哀想すぎるなーと思います。

やっちゃんの半生に唾を吐きかけるような言葉。毒親に向けるセリフなんだけど、やっちゃん毒親じゃねえし。

竜児テメーやっちゃん泣かしてんじゃねえよ。ちゃんと謝れよ。ぶっ殺すぞ。

って、ぶん殴る大人がいない話なんですけど。

前述のとおり原作とアニメを未体験ですが、アニメ全25話の24話あたりの話なのかな、作品の谷で、ここを越えればもうエンディングまで一直線かな、と思います。

あと一冊か、二冊か。

 

 

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#スーパーの裏でヤニ吸うふたり 2巻 評論(ネタバレ注意)

ブラック労働環境気味な会社で働く40代(今巻で45歳に確定)サラリーマンの佐々木。

日々の唯一の癒しは、会社帰りに寄るスーパーの2番レジ担当、清楚で可憐な山田さんの明るい営業スマイルだった。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)

山田さん不在で「ファン活」が空振りに終わったある日、喫煙所を探す佐々木を手招きする女。

スーパーの裏の従業員用の喫煙スペースに佐々木を手招きした、後に「田山」という名であることが判明する喫煙者のその女は、「山田さんの同僚」を名乗り、佐々木が山田さんのファンであることも承知だった。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)

かくして、スーパーの2番レジで清楚で可憐な山田さんの笑顔に癒される佐々木の日常に、その後スーパーの喫煙所でワイルドでジト目で「んははは」と笑う"はすっぱ"な田山さんと雑談するルーチンが加わった。

山田さんと田山さんが同一人物だとも気づかず…

という大人の?未満恋愛ラブコメ。

本作で正体を隠しているヒロイン、山田=田山は「すぐバレるだろう」「ちょっとからかおう」と必然性なく軽い動機で正体を隠すことを始めたものの、佐々木が延々気づかないので言い出すタイミングを失って、

「佐々木が未満恋愛で2人の女性に好意を持っているような状態」

「山田=田山のペルソナ間でヤキモチを焼く状態」

など、必然性のない軽い土台の上に、一人二役が織りなす三角関係めいた人間関係の機微やちょっとしたドラマが始まってしまっています。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)

「山田=田山」の役割分担って、いわゆるSNSの「裏垢」そのものですよねコレ。

バレても世界は滅びないけど、今の居心地の良い関係が壊れるのは怖いよね、っていう。

前巻買った時点ではこの作品Twitterでやってたこと知りませんで、コミック発売予定カレンダーでタイトル見て「お、タバコ絡みのラブコメか」と決め打ちタイトル買いだったんですが、発売の1週間後ぐらいに

natalie.mu

「次にくるマンガ大賞」の表彰式をWEBライブで見てたらWEB部門の1位獲ってて、「早っ!」ってちょっとびっくりしました。

「次にくる〜」のWEB部門って単行本発売前からノミネート・投票されるんですねアレ。

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ニコニコ動画会員ユーザの投票(46万票とか草)らしいけど、お前ら1巻も出てない漫画をよく知ってんな。びっくりするわ。俺も会員ユーザだけど。

他、昨日発表された「マンガ大賞」の最終選考ノミネートと、

natalie.mu

あと「2022年に読んで面白かった漫画 53選 - #AQM」にも選出!おめでとうございます!

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ってそんなんはいいんですよ、2巻の話です。

もともと建て付けが小品で「キャラ萌え」というより「関係性萌え」で受け入れられている漫画の、しかもまだ2巻ということもあって、1巻からはストーリーという意味ではほとんど進展してないです。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)

ツンツンイチャイチャ日常エピソードを積み重ねているところ、という感じ。

どうなんでしょうね。

自分はずっとこういう可愛い関係を見守って楽しんでいたい派なので、「まだ当分は山あり谷ありとか曇らせ展開とか要らないな〜」って感じで満足度高い2巻でしたけど。

ラブコメをマグロで喩えたらこんな「好きになりかけ」なんか大トロですよ。どういうこと。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)

なんで犬と三角関係になってんだよw

今巻冒頭で佐々木の年齢が45歳で確定したので、24歳の山田山とは21歳差。

わかりやすく説明するためのジャンルとしては「未満恋愛ラブコメ」に分類されるべきなんでしょうけど、描写を見ると作者はまだ2人の関係にラベルを貼りたくないのかな、という感じもします。

作中で季節が移り変わっていくんですけど、これ「サザエさん時空」なのか、時間が流れていく系なのか、どっちなんでしょうね。

願望的には、大トロもっと食わせろ的に延々と読んでいたい系なんですけども。

 

 

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#望郷太郎 8巻 評論(ネタバレ注意)

「デカスロン」「へうげもの」の作者の現作。

突如地球を襲った大寒波に際し、財閥系商社・舞鶴グループの創業家7代目、舞鶴通商のイラク支社長・舞鶴太郎は、駐在するバスラで極秘に開発させていた冷凍睡眠シェルターに妻と息子を伴って避難。1〜2ヶ月の冷凍睡眠で大災害をやり過ごす心算だった。

しかし太郎か目を覚ますと、隣で眠っていた妻も息子もミイラ化し、装置が示す数値はあれから500年が経過していることを指し示し、シェルターの外には廃墟と化したバスラの街並みが広がっていた。

『望郷太郎』8巻より(山田芳裕/講談社)

人が絶えたように見える世界を前に太郎は、自らの死に場所を娘を残してきた故郷・日本に定め、長い旅路を歩き始める。

旅路で出会う、わずかに生き残った人類たちは、過去の文明の遺産を再利用しながら、狩猟と採集で食いつなぐ原始に還った生活を営んでいた。

で始まるポストアポカリプスなサバイバルなロードムービーもの。

『望郷太郎』8巻より(山田芳裕/講談社)

としてスタートした作品ですけど、もう既にジャンルが少し変わったというか本質が表れていて、実態は原始環境における経済もの、「金と人間」をテーマにした作品に。

周辺の村々を経済と軍事で支配する大国、マリョウ王国へ。

作品の大目的は日本に帰還して、残してきた娘の消息を探すことだったと思いますし、地理的には日本にだいぶ近づいてきているんですが、モンゴル自治区のハイラルやフルンボイル(作中ではマリョウ王国)で、足止めというかなんというか。

『望郷太郎』8巻より(山田芳裕/講談社)

地図助かるわ〜。

マリョウ王国では、国王を頂点にした階級社会でありながら、国王から独立した中央銀行、そして国王から独立した議会と選挙、間接民主主義が既に始まっていた…

ということで、旧知ながら国母となったプリを頼って、ヤープト村をマリョウ王国の対等な外交相手に認めさせることが目的…だったはずが、クエスト形式に仕事が増えて膨らんで、気がつけばマリョウ王国の議員に立候補しつつ、紙による金銭(マー)・紙幣の発行に着手、経済、政治、軍事、ときて宗教も絡んでくることに。

『望郷太郎』8巻より(山田芳裕/講談社)

前巻は現実で事件が起こった時節柄、ダイレクトに宗教が絡んでくる展開にギョッとしましたが、今巻は引き続き選挙活動、それ以上に紙幣の普及活動と、既得権益を持つ対抗勢力との暗闘。

マーとは、通貨とは、カネとは一体何なのか。

原石や石油が価値を担保するマー、原石とマーが保証する新紙幣。ちょっと金が保証する通貨、通貨が保証する仮想通貨を想起しますが、厳密には電子マネーやクレジットとの関係の方が近いんですかね?

結論からいうと、太郎の言うとおり便利さには抗えないので(太郎の生死はともかく)最終的に紙幣の普及は成功するのは見えてるんですけど、その主導権争いにフェーズが移行した、というところ。

『望郷太郎』8巻より(山田芳裕/講談社)

旧文明の情報の手掛かりと、太郎という「異世界人」「タイムトラベラー」「デウス・エクス・マキナ」によって、自動車がもうすぐ再現されそうな勢いでその発展・発達が早送りのように急速に進む様子が描かれます。

割りと「この後どうなる」という漫画らしい興味で引っ張ってきてる漫画ですけど、作者が作品全体を通じて描きたいことが

「人間という生き物の本質が変わらない以上、人類は発達した資本主義社会と同じ弊害を繰り返す」

なのか、それとも

「太郎の存在によって違う発展を見る」

なのか、どっちなんだか未だに見えてないのも興味を引かれますね。

『望郷太郎』8巻より(山田芳裕/講談社)

作者の視点で、「人類にやり直させたいポイント」があんのかなコレ?

 

 

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#生きてるうちに推してくれ 1巻 評論(ネタバレ注意)

霊が視える体質のミサキは、18歳で上京しスカウトされて地下アイドルグループのメンバーとなったが、霊が視える故の少女時代以来の挙動不審が原因でグループ内での人気はイマイチで、推してくれるファンは脳みそ見えかかってる霊だけだった。

『生きてるうちに推してくれ』1巻より(丹羽庭/小学館)

出待ちのファン(霊)に付きまとわれているところをライブハウスの近所のお寺の坊さんに救われ、話したところ、「霊が視えるだけ」「無意識に霊を吹き飛ばせるだけ」というお互いの特異体質を知る。

坊さんは「俺と組んで『祓い屋稼業』で一儲けしよう」と持ちかけ、金というかアイドルとしての営業ノルマ(ライブ後のチェキ撮影1枚1,000円×20)に困っていたミサキは嫌々これに応じる羽目になった…

『生きてるうちに推してくれ』1巻より(丹羽庭/小学館)

という、アイドルガール・ミーツ・ボーズな除霊コメディ。バトル漫画ではないです。

自分は名前は知ってるけど読んだことはない、『トクサツガガガ』の作者さんの新作。

坊さんの特異体質も「結界体質」というか無意識に一時的に霊を吹っ飛ばすだけのボディガード的な使われ方で、

『生きてるうちに推してくれ』1巻より(丹羽庭/小学館)

除霊手段は主にミサキの「霊が視え話せる」体質を生かした人生(?)相談で成仏させる、というもの。

「ファンに対する地下アイドル」「霊に対する祓い屋」に、相手に対するホスピタリティが共通する、という視点で、アイドル活動での気づきや経験が除霊に、除霊の経験がアイドル活動に、相互にフィードバックされる、という建て付け。

『生きてるうちに推してくれ』1巻より(丹羽庭/小学館)

っぽい。まだよーわからんね。

コメディ基調でギャグコメとしてテンポがよく秀逸、かつこの世に未練を残す霊の「動機づけ」がユニークかつ身近で説得力があるもので、オカルト(霊)ものなのに重くも暗くもなく、楽しく読めます。

『生きてるうちに推してくれ』1巻より(丹羽庭/小学館)

俺も突然死した後に「PCのHDDの中身とFANZAのアカウントだけは、遺族や世間に露見する前に消去したい!」と自室の地縛霊になって悪戦苦闘してるところに、「なにか悲しい過去と未練があるのね…」みたいなトーンで来られても、ちょっと困るもんなあw

タイトルが日本語的に「(ファンが)生きてるうちに〜」「(アイドルが)生きてるうちに〜」の両方の意味が通るのがちょっと面白いですね。読む前はてっきり後者の話だと思ってましたw

面白いんで、前作『トクサツガガガ』もそのうち読んでみよ。

 

 

(選書参考)

blog.livedoor.jp

 

#【推しの子】 10巻 評論(ネタバレ注意)

もう10巻か。時間が経つのは早いねえ。

地方の病院に務めるアイドルオタな産婦人科医師・ゴローのもとに双子を妊娠したお腹を抱えて訪れた少女は、彼が熱狂するアイドル・アイ(16)だった。驚きショックを受けたゴローだったが、身近に接するアイの人柄に魅了され、彼女の出産を全力でサポートしようと決意する。

だが出産予定日の当日、ゴローはアイのストーカーに殺害される。驚くべきことに、ゴローはアイが出産した男女の双子のうち一人として転生する…

「【推しの子】」10巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

「かぐや様」の赤坂アカの作話を「クズの本懐」等の横槍メンゴが作画、という期待作。

要約すると二周目人生は伝説のアイドルの双子の子どもだった転生チートな芸能界サクセスストーリー、サスペンス・ミステリー付き。

サスペンスでミステリーな縦軸はありつつも、横軸は主人公の2人が芸能界の様々な仕事を渡り歩いて、作者が見知った芸能仕事の裏側の機微を描写していく建て付けに。

アイドル編、リアリティショー編、2.5次元舞台編、幕間を挟んで公式には「中堅編」と名付けられた新章突入。

「【推しの子】」10巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

アクアはTVバラエティ番組でレギュラー獲得、多忙ながら新進女優の黒川あかねとの交際も順調。ルビーたちのアイドルグループ「B小町」もネットのバズをきっかけに躍進して注目株に。

という状況を背景にしつつ、アクアとルビーが出演する番組で、コスプレイヤー特集回の暴露を発端にした炎上騒動が勃発。

という前巻からの続き。

「【推しの子】」10巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

横軸のバラエティ炎上編の痛快な大岡裁きによる完結、縦軸のサスペンス復活、そしてまた横軸のスキャンダル編へ。

横軸・縦軸・横軸と展開にメリハリがある上に、横軸の積み重ねが縦軸に密度高く有機的に絡んでいって、エピソードを単純に「スタンドアロン」と「コンプレックス」に分けられない、惹きつけられる作り。

もともと『かぐや様』信者としては、『【推しの子】』が発表された当初から「この作品との赤坂アカの掛け持ちのせいで『かぐや様』が雑になったらイヤだなあ…」というイヤな予感がありました。

結果的に予感は的中して『かぐや様』は終盤、雑にはなったんですけど、『【推しの子】』との掛け持ちのせいだったかは割りと微妙かな…

「【推しの子】」10巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

『【推しの子】』がなくても、「四宮家問題」は難しかったというか、そもそもあんなに大きな作品になるとは当初は誰も思ってなかったので、一軒家の屋根の上に後から増築してビルを建てるような、構造的な作品の建て付けの問題だった気もします。

なので『【推しの子】』に対して「面白かった頃の『かぐや様』を返せ!」という気は全然ないんですけど。

ただ、横槍メンゴが『【推しの子】』でいい仕事しすぎて、「もう自分で描かなくていいかな…」と赤坂アカの作画引退の背中を押しちゃった面はあるだろうな、と思います。

チッキショ〜、横槍メンゴめ〜。あかねのこのセリフと泣き顔エモいなこの野郎〜。

「【推しの子】」10巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

って横槍が悪いとかじゃなくて。

そんなこんなで、連載開始当初から『【推しの子】』に対してはどこか屈折した思いをずっと持ってたんですけど、『かぐや様』も終わって、エピソードも再び縦軸に回帰した今巻。

いや〜、『【推しの子】』スリリングで面白いねー。チッキショ〜。

情動・妄執がこもってサスペンスな縦軸と、スキャンダラスでキャッチーでヒキが強い横軸の組み合わせ。

「【推しの子】」10巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

か、かな! そっちへ行ってはイカン!

アクアとルビーが「芸能界探偵」というか、探偵じゃねえな、暗躍して揉め事を解決すんのが痛快やら、犯人に迫る執念が鬼気迫るやら、仄見える犯人像が不気味やら。

アクアとルビーが鬼殺隊の柱なみに妄執キマっちゃってる分、正直ちょっとシェイクスピアの復讐劇の舞台の上の役者を観てるように透明な膜がかかってるというか、やや感情移入しにくくは感じるんですけど、それに代わってあかね、かな、MEMちょなどのサブのキャラたちに対する「この子たち幸せになって欲しい」感が補って余りあるというか。

チッキショ〜。

巻末には4ページの描き下ろし番外編も収録、横槍のネームとのことです。

陰キャ美少女エピソード描かせたら相変わらず絶品だな。

ヤンジャン作家が「久しぶりのネームで緊張」とか、そんなことある?w

 

 

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#化物語 20巻 評論(ネタバレ注意)

表紙のこれ誰? 羽川? と一瞬思ったけど、首筋の跡からして撫子やね。

西尾維新の原作を大暮維人がコミカライズして週刊少年マガジンに掲載の鉄板漫画。キャラデザVOFAN準拠。こんなに美麗な絵でコミカライズされると原作冥利に尽きるでしょうね。ちなみに自分は原作とアニメを消化済み。

『化物語』20巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

なんだこのコマ。

順番を入れ替えて、「こよみヴァンプ(傷物語)」の後に「つばさキャット(化物語5章)」。

今回、コミカライズの「つばさキャット」ですが、原作小説やアニメ版ではサラッと触れただけの「つばさファミリー」の回想をガッツリやりまして、実質的に「つばさファミリー+つばさキャット(つばさキャットに回想シーンとしてつばさファミリーを完全に内包)」という形に再構成され、更に虎が出てきて武者も出てきて、アレとソレも「つばさキャット」の中で決着つけそうな勢い。

『化物語』20巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

え、エピソードもドラマツルギーも、みんな寄生獣読んだの?w

原作の先のエピソードを先食いして再構成しているのでやや複雑ですが、すでに原作・アニメを消化してる組にはちょうどいい塩梅に先の展開が読めない「何物語なんだ」という、「君の知らない物語」になってていい感じです。

大胆にショートカットして虎と怪異殺しの同時展開、更に「もう居ないはず」のキャラと「まだ居ないはず」のキャラが共存していることで、原作・アニメで見たことのないマッチアップも。

『化物語』20巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

原作も作中と刊行順の時系列が倒置されていたりとなかなかに複雑でしたが、本コミカライズでは更に(基本的には)個別に発生していた事件群が同時並行で発生してるので、ちょっとTVアニメでやったら視聴者が大量に脱落しそうなだいぶ複雑な展開。

のはずなんですが、小説と違ってビジュアル化され、動画と違って理解のための思考をしながら、自分のペース・緩急でページをめくったり止まったり戻ったりしながらビジュアルを絡めて読める、漫画ならではという感じはします。

『化物語』20巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

こんなセリフ原作にあったっけ?

あとは原作既読だと、「ここは〜物語で、ここは〜物語で…」と再構成の構造や答え合わせに気を取られるのがノイズになってしまって、物語自体に対する没入がやや損なわれるのが難点といえば難点。

というのは原作付きの作品すべてに言えることですね。

「初代・怪異殺し」に関しては、メインヒロインの「元カレ」枠なこともあって読者にとって感情移入が難しいキャラでした。今回彼にとっての「最終回」でしたけど、

『化物語』20巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

彼に感情移入できるかどうかで評価が分かれるエピソードだな、という。400年ですもんね。

いろんなことが起こってますがベースはあくまで「つばさキャット(化物語5章)」なので、作中は確かまだ初年のゴールデンウィークのはずで、暦とキスショットの邂逅から2ヶ月弱しか経ってません。

が、エピソード先食いで原作に完全忠実な順番のストーリー消化はもう無理なこともあって、「『偽物語』以降もコミカライズするのか」という当初の疑問が、なんだかナンセンスになってきましたね。

『化物語』20巻より(西尾維新/大暮維人/講談社)

「忍野メメがいなくなったら『化物語』の終わり」なんかな。

昔『ヒカルの碁』で作画の小畑健がおじさんキャラを本当に楽しそうに描いてましたが、本コミカライズ作画の大暮維人も忍野メメを描いてる時が一番楽しそうで、この人出てこなくなったら描いてる本人はつまんないだろうな、とはw

 

 

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#きみが女神ならいいのに 3巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

学園祭に合わせて女子生徒の人気投票『女神総選挙』が実施される、国内最多の生徒数を誇る白銀高校。

高IQを誇る三ツ谷(♂)は、昨年の学園祭で意を決し幼馴染のハイスペ美少女・つぐみに告白しようと呼び出したものの、空振って告白すらさせてもらえなかった苦い過去があった。

『きみが女神ならいいのに』3巻より(柏木香乃/講談社)

呼び出しに現れなかった裏で女神に選ばれていたつぐみにも、総選挙にも、屈折した思いを抱え、再びやってきた学園祭・女神総選挙にひとりシラケムードの三ツ谷に対し、クラスメイトの引っ込み思案な地味女子・うずらはその頭脳を見込んで「自分を女神総選挙で勝たせて欲しい」と依頼する。

かくして、つぐみを見返すという不純な動機のため、存在を知りもしなかった地味女子の総選挙に向けたプロデュースが始まった。

『きみが女神ならいいのに』3巻より(柏木香乃/講談社)

という、学園の総選挙を舞台にした、三角関係ラブコメ。で始まって、1巻終盤、3巻でもヒロインが1人ずつ増えてハーレム気味ラブコメ。

思考が読めないミステリアスなハイスペ美少女・つぐみ、プロデュースしてイメチェンしたら見違えた系・うずら、陽キャなギャル系の愛紗、無口・無愛想・クールな雪香の、4人ヒロイン体制。

今巻で完結。

『きみが女神ならいいのに』3巻より(柏木香乃/講談社)

連載の最終回前後の作者のツイートのとおり、全力を出し切った完結ではなく、本領を発揮する前に巻きが入っての中途半端な終わり方でした。

すごい打ち切りっぽいツイートなんですけど、割りと連載終了のすぐ後にご出産されてて、単純に「不人気で打ち切り」というよりは、「出産・育児も考慮した作者と編集部の判断」という感じもします。

ご出産おめでとうございます!

連載終了を経てのご出産とのことですが、作家活動は続けられるとのことでファンとしても嬉しいです。ご家庭が円満でお子さんが健やかでありますように。

さて。

そういう経緯もあって、内容的にもこの作品が本懐を遂げて完結したとは、まあ言えない終わり方でした。

部分部分で好きなセリフ、好きなシーン、好きなエピソードはあったので、

『きみが女神ならいいのに』3巻より(柏木香乃/講談社)

もちょっとじっくり読みたかったなとは思いますし、4人ともそれぞれに魅力的でしたけど、正直「推しヒロイン」に育つ前に、終わっちゃいました。

主人公も、四股かけるような不実な振る舞いも、「鈍感」「朴念仁」「聞こえないふり」などアホ要素も、発動する前に終わっちゃって、普通にいい奴だったなw

作品であると同時に商品ですし、作者のライフプランも在ってのものなので、予定より早く終わっちゃったのはしょうがない。

それよりも、あー、うー。

持って回った言い方するとどうしても「事後諸葛亮」の「素人クソバイス」になっちゃうので、個人的な願望をストレートに言うと、

『きみが女神ならいいのに』3巻より(柏木香乃/講談社)

次回作は「ハーレムラブコメ以外」の作品を読みたいです。ハーレムラブコメ、あんまもう好きじゃないので!

じゃ、いつかまた! 

 

 

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#君は放課後インソムニア 11巻 評論(ネタバレ注意)

進学高の1年生、不眠症に悩む少年と不眠症に悩む少女が、昼寝場所にしようとした学校の天文台で出会うボーイミーツガール。

夏休みに二人で星空撮影旅行しまして、付き合い出しまして、その代わり二人の保護者、特に心臓に疾患を抱えるヒロインの両親の強いお叱りを受けまして、などなどありつつ、高一の冬も明けて、春。高二に進級。

『君は放課後インソムニア』11巻より(オジロマコト/小学館)

ラブコメっつより青春恋愛日常もの。まるで美化された過去の思い出であるかのようにュア度高め。

ヒロインの病気が作品全体に重たく影を落とし、読者にストレスも与え続けている作品。主人公二人に思い入れが深いほど、読んでてジワジワと精神的にダメージが入り続ける、ちょっと意地悪な作りとも言えます。

『君は放課後インソムニア』11巻より(オジロマコト/小学館)

前巻までの自分の感想と、今巻を引き比べて、「ちょっと短絡的だったかな」と思ってます。短絡的というかパターナリズムに染まっていたというか。

他人のせいにしますけど、「難病を抱えたヒロインが亡くなるエンド」のフィクション作品は漫画に限らず昔からいっぱいあって、漫画でも近年ちょっとそういう作品が流行というか、集中した時期がありました。

『君は放課後インソムニア』11巻より(オジロマコト/小学館)

それにちょっと影響されすぎだったかなー、と。

フィクションの難病持ちのヒロインについて

「最後、死んじゃうの? それとも快癒してハッピーエンドになるの?」

って読んでてなりがちなんですけど、

「病気と付き合いながら生きていく」

という選択肢を想像することがすぽっと抜けてたなーと。

『君は放課後インソムニア』11巻より(オジロマコト/小学館)

大病と付き合いながら社会生活を送ってる人は世の中いっぱいいるし、逆に健康だと思ってた人が突然亡くなることもまた、よくあるんですよね。

少なくとも中見はいさきを早死にさせる気なんか毛頭ないし、いさきも自分を「悲劇のヒロイン」だなんて思ってねえし。一緒に未来を生きていく気満々。

自分も中年なんでいろいろ身体にいろいろガタが出始めてますが、「身体にガタが出始めた中年」って中高生だった頃の自分から見たら平均寿命の半分を過ぎて棺桶に片足突っ込んでるようなもんだったけど、いざそうなってみても早死にする気、全然ないですし。

『君は放課後インソムニア』11巻より(オジロマコト/小学館)

などということを、先日人間ドックを受診した後にこの新刊を読んで考えました。

突然死についてはやっぱり脳梗塞が怖いので、オプションで頭部MRI検査をつけました。

追加料金が自腹で14,000円でした。

みんな医療のお世話になりつつ、長生きしながら末長く愛し合おうず。

 

 

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#ウィッチウォッチ 9巻 評論(ネタバレ注意)

カラ可愛いな。

『SKET DANCE』『彼方のアストラ』の作者の現作。

乙木守仁は、超人的な身体能力を持つ鬼の末裔であることを隠して普通に暮らしていた。

守仁の高校入学を控えた春休み、長期出張で海外へ出発する父と入れ替わりに、魔女の聖地に修行に出ていた幼馴染のニコが帰還。

『ウィッチウォッチ』9巻より(篠原健太/集英社)

両家の同意のもと二人は一緒に暮らし、守仁はニコの使い魔として彼女を予言された災いから護衛することに。

6年ぶりに再会したニコは可愛らしく、しかし強力ながらどこかポンコツな魔女に成長していた…

という、幼馴染の鬼ボーイ・ミーツ・魔女ガール・アゲインに、ニコの使い魔となる同居仲間が守仁以外にも天狗、狼男、吸血鬼と増えて、同居日常ギャグ学園ラブコメたまにシリアスバトルな漫画に。

『ウィッチウォッチ』9巻より(篠原健太/集英社)

シリアスなバトルもので人気を博したカッコよ可愛いキャラたちの、ギャグだったり緩かったりする日常や恋愛・ラブコメをもっとじっくり見てみたい、というのは人気作であれば多かれ少なかれ発生して、多くの場合その役割は公式スピンオフや二次創作に託されることになるんですが、

『ウィッチウォッチ』9巻より(篠原健太/集英社)

「一次創作内で自分で全部やっちゃおう!」

「バトル・ギャグ・コメディ・ラブコメ・日常・ホラー・ファンタジー、少年漫画のジャンルを全部一作品内でやっちゃおう!」

という作品。

今巻は一冊丸ごと日常コメディ巻。

『ウィッチウォッチ』9巻より(篠原健太/集英社)

毎話毎話、楽しいコメディの新エピソードで「よくネタが続くな」と思いますが、キャラ(と関係性)ごとに担当コーナーというか持ちネタみたいな「勝手にキャラが動く」定番ネタを露骨に持たせることで連載持続の負担を軽くしていて、今巻もジーンズネタ、生徒会ネタ、同人サークルネタ、など。

ちょっと『ごっつええ感じ』の定番コーナー群を思い出しますねw

好き嫌いというか、読む人によっては持ちネタの当たりハズレを感じる人もいるのかなと思いますけど、自分は割りとどれも好きみたいです。

『ウィッチウォッチ』9巻より(篠原健太/集英社)

前巻末で新キャラが1人増えて今巻も増えて、実質新キャラが2人増えてますけど、ダテやその場しのぎで増やしてないというか、新キャラが持ちネタ持参で登場してくるわ、キャラの組み合わせ掛け算のバリエーションが増えていくわ、ズルいぐらい読者を楽しませることに対して合理的な、高橋留美子的なキャラの増やし方。

ギャグコメディ回(巻)と割り切ったら、余計なことには手を出さず黒魔女ガン無視してギャグコメディで一冊回しちゃう胆力も良いですよね。

『アクタージュ』と『チェンソーマン』きっかけに「週刊少年ジャンプ」の電子定期購読を契約し続けてるんですけど、最近はこの作品がジャンプで一番楽しみ。

ちょっと絵、ネタ、展開の密度の面で「本当に週刊連載の漫画か?」って思っちゃいますね。

 

 

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FSS (NT2023年2月号 第18巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。

「第6話 時の詩女 アクト5-1 緋色の雫 Both3069」。

扉絵コミで13ページ。

  

他の号はこちらから。

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  • (余談)
  • (扉絵)
  • (本編)
  • (所感)
    • 扉絵
    • 本編
      • チャンダナ
      • タイマー
      • バランス家の4人の娘たち
      • 緋色の雫

以下、宣伝と余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

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#かげきしょうじょ!! 13巻 評論(ネタバレ注意)

AKB的なグループで総選挙13位ながら握手会でファンに「キモチワルイ」つって炎上、追放されるように卒業した元アイドル、無表情クールで人嫌いの愛。

すみれの花咲く頃、宝塚的な歌劇団に付属する養成機関・音楽学校への入学を果たし、そこで出会ったのは長身と強い体幹を持ち天然で天真爛漫で天才肌の少女・さらさ。

「かげきしょうじょ!!」13巻より(斉木久美子/白泉社)

10代半ばで人生を自分の意思で歌劇に投じた"強い"女の子たちの、清く正しく美しく、熱くてシビアな楽しい青春。

さらさたち100期生も最終学年である本科生(2年生)となり、新入生(予科生)の101期生も入学し、迎えた夏。

戦後の紅華歌劇団の連ドラ化、爺ちゃん先生の歴史の授業、そして100期生の最後の夏休み。

「かげきしょうじょ!!」13巻より(斉木久美子/白泉社)

昨年と同じく、さらさと愛は揃って東京に帰省し、最後の夏休みも共に過ごすが…

ということで夏休みの実家編、再び。

ちなみに、今巻も巻末恒例の短編エピソードはなしでした。

結構、今巻の中で「最後の夏」「最後の休暇」「こうして居られるのもあと僅か」と繰り返し語られます。

「かげきしょうじょ!!」13巻より(斉木久美子/白泉社)

卒業したら終わるんかな、この漫画?

100期生の卒業までで巻数も中々いいところまで出るし、「しょうじょ」じゃなくなっちゃうし、というのものそうなんですけど、特にさらさが紅華歌劇団の団員になって、下積みというか、平団員からNo.2までを演ってる姿があんま想像つかないですよね。

「かげきしょうじょ!!」13巻より(斉木久美子/白泉社)

エピローグでいきなり「そしてX年後…」とかでNo.1になってる場面に飛びそうな気が。

開始が2012年だから、もう10年以上やってんのかー…一昨年TVアニメ化もしたしねえ…

という。さらさの母親がついに登場しちゃったのも、「エピソード・ゼロ」やっちゃうのか感ありますよね。

「かげきしょうじょ!!」13巻より(斉木久美子/白泉社)

こちらとしては、団員編まで引き続きやっていただいても全然構いませんが、いずれにせよ、年に2冊弱のペースなんでまだ終わる心配するのは数年早いか。

 

 

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#ダンダダン 8巻 評論(ネタバレ注意)

霊媒師の家系(かけい)のギャルと、いじめられっ子気味で孤独なオカルトオタクの少年の同級生ガールミーツボーイから始まる、オカルトバトルなバディもの?

もう8巻か。未だにこの漫画がどうなりたいのかまだちょっとよくわかりません。

『ダンダダン』8巻より(龍幸伸/集英社)

書き出していくと

・ボーイ・ミーツ・ガール

・オタクに優しいギャル

・ラブコメ群

・ちょいエロ

・呪術廻戦、チェンソーマンなどの最近のジャンプのオカルトバトル漫画群

・うしおととら

・東京入星管理局

・GANTZ

・メン・イン・ブラック

・漫☆画太郎

あたりを足して適当に割ったような感じ。

いろんなジャンルのごった煮というか、カオスな闇鍋みたいな漫画。クリーチャーも宇宙人から妖怪から幽霊から割りとなんでもあり。

エピソードシリーズ「呪いの家」編が片付いて、「ジジ=邪視」が「戦える仲間」に加わったっぽいものの、ジジは水をかぶる(水滴がかかる)だけでもまったく制御が効かずに暴走する悪霊状態。

『ダンダダン』8巻より(龍幸伸/集英社)

ことあるごとに邪視に変身し、居候先の綾瀬家をボロボロにぶっ壊し仲間をぶっ飛ばすジジをどうにかしようと悪戦苦闘。

邪視を払うことをジジ本人が拒み、「水がかからないように細心の注意で暮らす」「変身したらすかさず周囲がお湯をかける」という対処療法にも限界を感じ、各自「ジジを鍛えてその霊力で邪視を抑え込む」「オカルンが邪視をぶっ飛ばせるぐらい強くなる」と特訓編に。

『ダンダダン』8巻より(龍幸伸/集英社)

相変わらず縦軸不在というか伏線をガン無視して、場当たり的に話が飛んだり分厚くなったり、次々回どんなエピソードになってるか予想がつかないジェットコースター展開。

ようやく、ジジと暴力以外のコミュニケーションが取れる目処がついたところで、息もつかせず新展開へ。

ちょっと奥浩哉的とでもいうか、「描きたい画」が先に在って、そこから逆算してエピソードを繋げていってる作り方?と思わなくもないですが、よくわからんねw

『ダンダダン』8巻より(龍幸伸/集英社)

倒すべきラスボスも、辿り着くべき約束の地も、提示されないまま、ただただ降りかかり続ける火の粉を払い続け仲間が増え続け経験を重ね続けてより強く成長していき続けるエピソードが重ねられます。キンタマ以外。

描写とノリと勢いと感情はもの凄いものの、未だ「物語」になっていないように自分からは見えるんですが、現実にオカルト沙汰に巻き込まれたら目の前のことに必死で多分こんな感じよね、という妙なリアリティを感じてしまうのと、「物語」になってなくたって現に面白いならそれで良くない?という気も。

というかまあ、キンタマ取り戻すの、大事ですよね。

『ダンダダン』8巻より(龍幸伸/集英社)

「そういえば、こないだ倒したアレがどうやら実はラスボスだったっぽいわ」

「へー、それよりキンタマがさー」

みたいな終わり方を平気でしそうw 

縦軸とかごちゃごちゃ気にしてないで、単話(エピソード)完結式の「学校の7不思議」「怪奇ファイル」というか、『コナン』くん的な「事件→解決→事件→解決」ものと思って読めばいんかなコレ。

 

 

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