AQM

あ、今日読んだ漫画

#クプルムの花嫁 1巻 評論(ネタバレ注意)

新潟県 燕三条。

モノづくりの職人の町で暮らすギャルで大学生・しいな(18♀)は、幼い頃から入り浸っている近所の銅器職人の工房の跡取り、幼馴染の修(20♂)にプロポーズされ、しいなの大学卒業を待って結婚するべく、婚約することに。

こわーい職人気質のジジババ、夏は暑く冬は寒い銅器職人の工房で、しいなは上手くやっていけるのか。

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「クプルムの花嫁」1巻より(namo/KADOKAWA)

という、婚約から始まるラブコメ+職人の生活、という感じの半日常漫画。

またマニアックなテーマだね、ということでお察しかもしれませんがハルタです。

そんな言うほどギャルかなって感じですけど、職人気質で寡黙な修や爺さんと比べるといかにも現代っ子。

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「クプルムの花嫁」1巻より(namo/KADOKAWA)

職人の世界が半分、イチャコラが半分という感じですけど、鎚起銅器の職人さんの話は初めて読むので、雑学的に面白いのと、ヒロインが無邪気で可愛いねこの子w

イチャコラ以外でも、職人気質の爺さん婆さんと現代っ子でギャルのしいなの世代感ギャップ含みのコミュニケーションも読んでてほんわかして楽しい。

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「クプルムの花嫁」1巻より(namo/KADOKAWA)

職人の町の静謐ながら弛まぬ鍛錬を重ねるストイックな空気が、どことなく「舞妓さんちのまかないさん」にも通じるものがあって、長くおつきあいしたい漫画。

どういう仕組みなのかよくわかりませんが、DMMの無料サンプルがなんでか40ページも読めます。1巻だからかな。

 

 

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(選書参考)

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#よふかしのうた 6巻 評論(ネタバレ注意)

少年・夜守コウ(14)はふとしたきっかけで「上手くやれていた中学生活」が嫌になり不登校に。ある夜、夜の散歩で街を放浪していると「夜と不眠」に一家言持つ謎の美少女・ナズナに声をかけられ、血を吸われる。彼女は吸血鬼だった。

夜に生きる眷属になりたいと願っても吸血鬼化しないコウ。彼女が照れながら語る「吸血鬼になれる条件」は「吸血鬼に恋して血を吸われること」だった。

「だがしかし」作者の吸血鬼ファンタジーな青春ラブコメ。作品全体を通じてアンニュイとそのアンニュイからの解放が夜を舞台に描かれる。

マヒルとキクの出会い回想、コウとナズナの夜の東京観光、吸血鬼女子会 with コウ、吸血鬼眷属男子会、吸血鬼ハンター探偵襲来、ナズナの過去、夜の病院とカブラ。

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「よふかしのうた」6巻より(コトヤマ/小学館)

と盛りだくさんで今巻読み応えありましたねー。せんせー、女子会と男子会の両方に出席してる人が2人いまーす。

こんなけエピソード詰め込むとゴチャつきそうなもんだけど、読みやすかったし面白かったし、次巻早く読てーなw

ミドリが扉絵もあったし、本編にもそこそこ登場してるしで嬉しいわー。

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「よふかしのうた」6巻より(コトヤマ/小学館)

わーめんどくさくて可愛い。この子大好き。もっと出番増えてくれー。

というかこの女子会メンツと合コンしたいわー。コウが羨ましいわー。自らハーレムルートぶった切ったくせにおいしいなーコイツ。

ナズナが吸血鬼になった経緯周りが割りとフワフワしていて、「もしかして始祖?」と一瞬思ったんですけど、どうもそんな感じでもないっぽい?

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「よふかしのうた」6巻より(コトヤマ/小学館)

シリアス、コメディ、アンニュイ、ミステリー、といろんな要素取りそろえて今巻もすげー面白かった。魅力的なヒロインがいっぱい出ると楽しいよねー。続きが早く読みてーなー。

サンデー買おうかなもう。デジタル単話売りとかしてないんだっけ?

とか思いつつ、連載追っかけても最新話に追いついたらそこで行き止まりなのは結局一緒だからねえ…

 

 

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#青武高校あおぞら弓道部 4巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

アメリカで弓道を覚えて帰国した主人公。適当に選んだ高校に弓道部がなく、日々イメトレに励む毎日だったが、見咎めた英語の美人教師が弓道場に連れて行くと狂ったように夕方から翌朝5時まで矢を打ち続けるアホだった。

で始まる弓道部漫画。屋上の弓道場で部員も増え、男女とも団体戦に出場できる規模に。

部のチームとしての体制が整って今巻は試合回ですが、駆け足で今巻で完結。

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「青武高校あおぞら弓道部」4巻より(嵐田佐和子/ KADOKAWA)

自己紹介しておくと、自分は中高と6年間(どちらも3年の夏で引退するので厳密には5年間)、弓道部で、二段でした。

弓道の漫画は地味すぎて難しいです。井上雄彦が「バスケは難しい」と反対されたのとはレベルが違う難しさです。

弓道は競技でスポーツで武道で、マイナーですが競技人口はそんなに少なくはないんですが、観客のためのエンタメではないからです。なので興行にはならず、プロもいません。

ついでに言うと、武道ですが、警察官の訓練に用いられる剣道や柔道と違い、格闘技や護身術としての実用性もありません。弓道の技術が弓道以外で役に立つことはありません。

弓道は「道」になった時点で「本人のため」に特化した、「中り」と「外れ」しかない地味な競技で、それ故に漫画に向きません。

それ故にこの漫画は「マイナージャンルはおまかせ!」のハルタです。


その割りに弓道はいろんな漫画に度々登場します。全部拾ってたらキリがないのでメジャーどころでいくと、古くは「星の瞳のシルエット」の久住くんと司くんが弓道少年でした。

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「星の瞳のシルエット」6巻より(柊あおい/フェアベル)

久住くんの心理と密接に紐づいた描写で250万乙女に支持されましたが、「競技漫画」「弓道漫画」ではなく、「恋愛漫画の主役級の男の子が弓道をやっていた」漫画でした。

近年だと「弓道で暗殺する美少女が主人公」という無茶な漫画があって面白かったんですが、打ち切りっぽく、続巻も出ません。

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最近のメジャーどころだと久住くんパターンで「かぐや様」のかぐやが弓道を嗜みます。

かぐやは弓道について

「中1の時にたまたま理想的な射が出来て 以来ずっと同じ動きをしてるだけ」、

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「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」12巻より(赤坂アカ/集英社)

と語ります。

かぐやは万事に天才な漫画のキャラなのでこともなげに語りますが、これは割りと弓道の極意で、 「青武高校あおぞら弓道部」は極意に辿り着かない者たちの漫画です。

 

弓道は多くの格闘技や球技と違い、敵プレイヤーが妨害してくることがありません。妨害要素は天候や風、気温・湿度の自然現象ぐらいでしょうか。

それ故に、技術を磨き身体・精神・道具を正しくコントロールすれば必ず中りますし、これを再現し続けることで必ず中り続けます。かぐやのように。優勝です。おめでとうございます。

ですが、現実にそれをできる人間は存在しないので、その不確実性が弓道を競技たらしめています。

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「青武高校あおぞら弓道部」4巻より(嵐田佐和子/ KADOKAWA)

タチの悪いことに、「技術を磨き身体・精神・道具を正しくコントロール」しなくても、矢はしばしば的に中ってしまいます。中ってしまうことで人間はそれを成功体験だと勘違いして、再現しようと繰り返してしまい、イップスに陥ってしまいます。

弓道やってる人間はその経験年数の多寡に関わらず、大抵なんらかのイップスを患っています。

 

弓道を禅のように捉えて、「中る中らないは問題ではない」とする綺麗事もあって、大会や昇級に全く関心がなかったり、高段者であれば、それはそれで一理あります。

が、大人数が参加する大会や低段者の昇級試験では、決められた時間内に優劣を見るために、足切り的にまず「中る中らない」を見ます。よっぽど変な射ち方をしない限り。射型の美しさを見られるのはその次です。

だいたい、「中る中らないは問題ではない」のなら、的なんか置く必要がありません。

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「青武高校あおぞら弓道部」4巻より(嵐田佐和子/ KADOKAWA)

この漫画の良いところは、この「中てたい欲望」を見ないふりをせずに、「中てたい自分」や「心技体+道具」と対峙し続けてそれを超克すること、それに終わりがないことをキチンと描いたところです。

私が思うに、それが弓道の本質だからです。

 

弓道の技術は弓道以外では何の役にも立ちませんが、「中てたい自分」や「心技体+道具」とうんざりするほど対峙し続けていく心構えは、人生でいろんな分野に対していく自分の、けっこう役に立ってるんじゃないかなと思います。知らんけど。

自分の身体、精神、技術、そして道具を、常にベストの成果が出せるように維持し続けることは本当に難しい。弓道はそれを端的に経験させてくれる競技です。

 

能書き垂れましたけど、弓道の一番いいところは、静寂の中、的に矢が中った時の「パァン!」って音が気持ちいいんですよね。

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「青武高校あおぞら弓道部」4巻より(嵐田佐和子/ KADOKAWA)

彼女が「空が青かったから」と語るように、弓道の良さを語る上では自分にとってはそれで十分な気もします。

余談ですけど、自分の高校も街中だったので校庭が狭くて、弓道場は校舎の屋上でした。競技も漫画も地味な上に練習できる場所も限られていて、さらに道具も高価です。

それでも、弓道はいいぞ。

 

青武高校あおぞら弓道部 4巻 (HARTA COMIX)

青武高校あおぞら弓道部 4巻 (HARTA COMIX)

 

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#カノジョも彼女 1~4巻 評論(ネタバレ注意)

幼馴染の咲に小学生以来ずっと片想いで何回フラれても告白し続けた直也。

高校入学を機についに咲にOKしてもらい付き合いだした矢先、直也はクラスメイトの超美少女・渚に告白される。彼女の可愛さと健気さに胸を打たれた直也は…

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「カノジョも彼女」1巻より(ヒロユキ/講談社)

で始まるハーレムラブコメ。


あの、ハーレムラブコメは、もう読むのやめようと思ったんですよ。

「ラブ(恋愛)」+「コメディ」で「ラブコメ」なんですけど、ハーレムラブコメってヒロインをいっぱい出せば読者が誰かを好きになるだろう、っていう、萌え漫画の商業的な要求が強いジャンルで、道中は賑やかでドタバタで楽しい反面、終盤が近づくとヒロインレースの様相を帯びて来て次第に暗くなったりギスギスしたり、まあ終盤はファンもなんか荒れるしで、もういいかなーと思って。

「みゆき」とか「めぞん一刻」とか「オレンジロード」とかの頃はまだハーレムラブコメというより三角関係って感じで、まあメインヒロインも序盤から固まってたんで、ちょっとご都合主義的なところもありつつ順当って感じでしたけど。


「いちご100%」あたりですかね、ハーレムラブコメが確立したのは。「ラブひな」が先かもしんないですけど。「ラブひな」は漫画喫茶でイッキ読みしたクチなんであんまもう憶えてないし、思い入れも薄いんですけど、「いちご100%」は終盤予想外というかお約束を外すラストや、フラれたヒロインを描くことから逃げずにキッチリ描いて、あれはあれでよかったなと思います。

最近だとやっぱ「五等分の花嫁」と「ぼくたちは勉強ができない」、特に「ぼく勉」はあの人、「ニセコイ」が終盤荒れてた当時に「ニセコイ」のスピンオフ描いてて、知っててわかってたはずなんで、こっちも期待してたんですよね。同じ轍は踏まないはずだと。新規軸を見せてくれるはずだと。


ご存知の通りの展開で完結でしたけど、新規軸でしたね。成功だったかどうかは受け手次第だったかもしれないけど、誠実だったし、チャレンジしたよねっていう。

あれは結果論で言えば、定石通りにキャラ人気投票2回もやっちゃったのが、それはそれで盛り上がったけど、作品の畳み方を難しくしちゃったなーとは思います。ああいう結果だと、2回連続ぶっちぎりトップのヒロインのエンディング、たとえ教師と未成年のカップリングでも外せなくなっちゃったよねっていう。でも今ジャンプでそれをメインディッシュにしにくいよねっていう。

でまあ、ジャンプのデカい看板のプレッシャーもあって「ぼく勉」でさえも賛否両論でちょっと難しかった裏で「かぐや様」で「恋じゃない『好き』」とか言いだして、「ハコヅメ」でも同じような感じで上手く回ってるの見ると、こういうスマートなやり方がやっぱ一番よね、1対nを恋愛感情で結びつけるハーレムラブコメってやっぱもう難しいのかな、と。

だって可愛いヒロインいっぱい出すだけなら、無理して1対nの恋愛関係にする必要ないじゃん的な。青春群像劇でもちゃんと収まるじゃん的な。

なんで、ハーレムラブコメ、もういいかなと思って。

あ、「2.5次元」は恋愛要素薄めでハーレムラブコメと思ってなかったんですけど、最近こう恋愛的に盛り上がったところに、真摯さと誠実さでまた別の新規軸で突き抜けそうな感じですね。


「カノジョも彼女」は名前は知ってたんですけどそういうわけで読んでなかったんですけど、なんかのインタビュー記事で「アホガール」の作者だって読んで、あと「ぼく勉」で最後にしようと思ってたけどまだその最終巻出てないしいいか、と、新刊出たこのタイミングでまとめて読んでみたんですけど。

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「カノジョも彼女」1巻より(ヒロユキ/講談社)

こここ、これだー!っていうw


ハーレムラブコメって結局、馬鹿が馬鹿を描いて馬鹿が読むもんだと思うんですよ。

反感買わないように真面目で誠実に、1対nを成立させるために超難聴にしたり超鈍感にしたり超朴念仁にしたり、そんなわけねえじゃん、っていう。

感情移入なんかできねえよそんなん、っていう。

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「カノジョも彼女」1巻より(ヒロユキ/講談社)

二股三股かけたい下心があるからそうなってるに決まってんだろ、っていう。


この漫画は1巻の3話で二股の三角関係の同居生活が始まって、2巻で3人目のヒロインが出て来て、ほとんど全員もう完全に頭がイカれてんですけど、全員イカれてなきゃハーレムラブコメなんか成立しねえだろっていう。

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「カノジョも彼女」1巻より(ヒロユキ/講談社)

オメーもくそチョロいんだよw

もうなんか登場人物ほとんどのシーンで叫んでるというか「円滑に二股したい!」「あの子より私を見て!」「三股しそう!」「ふさけんな!」って本音ダダ洩れで怒鳴りあっててコミカル通り越して狂気じみてんですけど、この狂気こそハーレムラブコメだろっていう。

4巻は三角関係の3人が温泉旅行の温泉回ですけど、3人目候補のチョロインと、咲を心配する親友の4人目候補の新ヒロインもついて来て、温泉シーンと合わせてもう滅茶苦茶なんですけど、滅茶苦茶笑ったわ。

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「カノジョも彼女」4巻より(ヒロユキ/講談社)

「いかれてる!!!」

その言葉が聞きたかった…ってもうなんか読んでてブラックジャックみたいになるわw

なんかこう、20年近くハーレムラブコメに感じてた閉塞感のようなものに風穴を開けてブレイクスルーしてくれた感じ。

超くだらなくて大好きだコレw ラブでコメディだわ。

ハーレムラブコメ読む馬鹿、まだ卒業してないでよかったわ。

 

カノジョも彼女(4) (週刊少年マガジンコミックス)

カノジョも彼女(4) (週刊少年マガジンコミックス)

  • 作者:ヒロユキ
  • 発売日: 2021/01/15
  • メディア: Kindle版
 

 

(選書参考)

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#ハクメイとミコチ 9巻 評論(ネタバレ注意)

動物たちと三頭身の小人(こびと)たちが互いに言葉を通じ合って、社会を形成して暮らす童話のような世界観で、一緒に暮らす2人の女の子を主人公にした日常もの。アニメ化済み。

童話やお伽話に喩えるには生活感がありすぎるけど、その生活感の醸し出す詩情、特に手慣れた料理と食事風景の描写は特筆もの。

前巻からきっちり1年後の9巻。

 

野生のカボチャに愛着が湧いてしまったハクメイ。「カボチャと櫓」。

ジャダが乗合亀車で相乗りになったのは、役者で苦手な旧知のカーネリアンだった。「相乗りとドシャ降り」。

マキナタで休日を過ごすみーちゃんと先輩。「鉄道と恋」。

蜂蜜館、ウカイの13回忌のお祭り。「太陽色の蜜」。

風邪をひいてもジッとしてられないハクメイ。「病床と柘榴」。

ハクメイとミコチ、エピソードゼロ。「出会いと草刈り」。

図書館司書キアン、大工の鰯谷、それぞれの休日。「司書の休日」、「休日と長屋」。

ハクミコハウスに落ちてきた騎鳥便コンビ。「臆病者とズキンガラス」。

料理人ミコチが工事現場と大型獣の集会で腕を振るう。「小さな料理人」、「大きな集会」。

 

漫画の背景というのは作品十色で、背景を描き込みすぎてゴチャつくと文句を言われる作品、背景が真っ白なのに気にされない作品、最近では写真のデジタル取り込みや漫画制作ツールの有料コンテンツで用意されているもので済ます作品も珍しくないです。

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「ハクメイとミコチ」9巻より(樫木祐人/ KADOKAWA)

作家・作品によって見せたい勘どころは違うので、良し悪しではなく作品の世界観やカラーに合っているかどうかだと思います。

逆にアニメ映画のジブリ作品や新海誠作品のように、背景描写が作品の世界観やカラーを規定してしまう作品もありますね。背景美術だけで金がとれるレベルというか、他の作品と同じぐらいの値段でイインデスカというか。

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「ハクメイとミコチ」9巻より(樫木祐人/ KADOKAWA)

この見開きの光と影の表現すごいね。ページの継ぎ目がまったく見えない電書化の仕事も相変わらず見事。

ということで漫画でそれに相応するレベルまで人手で描き込んで世界観を構築する漫画。読み飛ばすのがもったいなくて隅々まで眺めて時間が潰れてしまう。

異種の動物たちが社会を形成する世界観としては、昔あった「メイプルタウン物語」とか「シルバニア・ファミリー」とかも思い出しますけど、この箱庭感、作り込んだ背景が世界観を規定してすごくワクワクさせてくれる感覚は、ジオラマやMMOの世界観なんかも思い出します。秘密記事の設計図を描いた昔のように、イマジネーションが豊かだった童心に返してくれる世界。

MMOでレベル上げも資金稼ぎもさておいて街歩きとおしゃべりでまったり過ごすプレイヤーも少なくなかったように、旅人の街マキナタで休日を過ごせたらどんなにいいか。

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「ハクメイとミコチ」9巻より(樫木祐人/ KADOKAWA)

それこそ「シルバニア・ファミリー」みたいにフィギュア?ガレキ?ジオラマ?的なやつ、どっか出してくんねえかなコレ。せめて自宅の一角にNゲージみたいにハクミコ・ワールドを築いて、ちょっとずつ買い足して拡張していって、それを眺めながら過ごせたら楽しそう。

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「ハクメイとミコチ」9巻より(樫木祐人/ KADOKAWA)

ここだけ見るとまるで最終回のようだな。

今巻ではハクメイとミコチの出会いのエピソードが語られました。

作者も作品もどこにも全然そんなこと語っていないんですけど、なんかこう、「エピソードゼロを語った作品は完結が近い」みたいなジンクスのような予感が勝手に働いてしまって、勝手に少し寂しくも感じます。

俺が死ぬまで続いてほしいんですけど!

 

ハクメイとミコチ 9巻 (HARTA COMIX)

ハクメイとミコチ 9巻 (HARTA COMIX)

  • 作者:樫木 祐人
  • 発売日: 2021/01/15
  • メディア: Kindle版

 

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#それでも歩は寄せてくる 6巻 評論(ネタバレ注意)

2人しかいない将棋部の、おさげデコ部長・八乙女うるし(高2♀)と、好き丸出しのくせに頑として認めない無表情部員・田中歩(高1♂)の、告白前の高校生男女が好き丸出しで部室で将棋指しながら甘酸っぱくイチャイチャしてる、可愛いは正義のショートラブコメ。

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「それでも歩は寄せてくる」6巻より(山本崇一朗/講談社)

歩は一応、将棋でうるしに勝ったら告白しようと思ってるみたいです。

日常ラブコメですけど時間が流れる系で、うるしが3年生に、歩が2年生に。

表紙の女の子、誰だっけこんな脇役いたっけ、と思ったら新キャラでした。歩の中学時代の剣道部の後輩。

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「それでも歩は寄せてくる」6巻より(山本崇一朗/講談社)

いろいろ武士すぎるんだけどこの子はこの子で大丈夫なのw

2人しかいないよりはレギュラーキャラが増えてネタの幅が拡がっていいことだと思いますけど、二人っきり進行もそれはそれで好きだったので名残惜しいねw

でも当初はぼっちで将棋指してたうるしにいつのまにか仲間がいっぱいできて微笑ましい。よかったね、よかったねえ。

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「それでも歩は寄せてくる」6巻より(山本崇一朗/講談社)

おめでとうございます。あ、アニメ化もする?した?んでしたっけか。ダブルでおめでとうございます。

 

 

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#あつもりくんのお嫁さん(←未定) 6巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

クソ親父の勝手な約束で許婚持ちの東北の勉強好きの女の子・錦が、旅行に来てた東京の大々病院のボンボン・敦盛とひょんなことから2人でお祭り行って、親の敷いたレールから逃げたい者同士で意気投合、「東京に来ればいい」と言われて真に受けて受験がんばって敦盛がいる東京の名門校に合格して上京。

偉そうだけど嫌味がなく思いやり有る若様みたいな敦盛と、メゲず凹まずのガッツ溢れる錦の、小細工・駆け引きなしの全弾直球フルスイングのアガシvsサンプラスの試合みたいな見てて小気味良い恋愛もの。

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「あつもりくんのお嫁さん(←未定」 6巻より(タアモ/講談社)

許嫁の存在や交際に反対するそれぞれの親など、恋愛ものらしい障害の数々に逃げずに胸を張って真っ向勝負。誤解や錯誤に頼らない恋愛ものらしからぬ作劇で、ジャンル特有のもどかしさがなくて、読んでてスカッとする。

今巻で完結。

恋愛漫画っているいろ障害があってそれを克服して盛り上がるために、いろいろクネクネした展開があるもんですが、この漫画はその障害が主に家柄カーストに基づく主人公二人の両家の反対でしたけど、二人でそれらを突き破っていくのが見ていて爽快。

反対する人たちを行いと実績で黙らせ味方にしていくというか、彼氏と一緒にいるために猛勉強して医学部に合格して医者になっちゃうヒロインすげえw

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「あつもりくんのお嫁さん(←未定」 6巻より(タアモ/講談社)

二人が錯誤することなく、それ故に小気味良く6巻で完結になりましたけど、スピード感あってなんというかモダンな恋愛漫画だなーと。

 

「順道制勝」という言葉を初めて見たのは、柔道漫画「帯をギュッとね!」の最終巻でした。

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「帯をギュッとね!」30巻より(河合克敏/小学館)

コマ枠の注釈には「勝利を収めるために正道を目指し、そのためにもっとも有効な方法を実践すること。」とあります。

というかそれ以外でこの言葉を見たことがないんですが、元を辿ると講道館柔道の創立者・嘉納治五郎の言葉っぽい。いま初めて知りました。

kodokanjudoinstitute.org

「あつもりくんのお嫁さん(←未定)」、恋愛漫画でありながら、この漫画を読んでる間ずっと頭の中にこの「順道制勝」という言葉が浮かんでいました。

武道の理想像のように清廉で果敢で堂々たる恋愛漫画。面白かった。

 

 

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#メイドさんは食べるだけ 2巻 評論(ネタバレ注意)

英国のお屋敷で働くメイドさんが、なぜか日本の小さなアパートで一人暮らしをしながらジャパニーズなスイーツなグルメを堪能するという癒し系の日常グルメもの。お屋敷はその後崩壊したので1年間日本で暮らさないといけないらしい。

あらすじの意味がわかんねえと思うけど俺も書いてて意味わかんねえから安心しろ。

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「メイドさんは食べるだけ」2巻より(前屋進/講談社)

タイトルのとおり美少女版「孤独のグルメ」で可愛い女の子が美味しそうに食べてるだけの漫画なんで、設定とかあらすじとかそういうのはもういいんだよ、どうでも。

たまに食べてすらいない話あってワロス。

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「メイドさんは食べるだけ」2巻より(前屋進/講談社)

ご時世的に一人メシ推奨強化月間みたいな、妙にこの漫画がハマる世の中になってしまいましたけど、基本、癒し系漫画なのでギスギスした世の中に疲れた時に読みましょう。

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「メイドさんは食べるだけ」2巻より(前屋進/講談社)

この漫画の感想の書きにくさも大概ですけどw

「可愛い」と「美味しそう」以外の感想が難しい。

面白いかと訊かれると、そういうジャンルじゃないというか。なんか買っちゃうし、読んじゃうんですよね。

2巻で打ち切りになってないってことは、俺以外にも買ってる奴いるんだな、この漫画。当たり前だけど。

 

 

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#33歳独身女騎士隊長。 2巻 評論(ネタバレ注意)

副隊長かわいいよね。

王国最強の女騎士が仕事と酒とオナニーに明け暮れるサイテーな日常もの。エロ話しかしないけどエロ展開はなし、という下ネタショートギャグコメディ。エロ漫画誌に毎月2ページ掲載のギャグ枠をコツコツ続けてようやく2巻。

主人公のメイルさんは王国最強の騎士ながら、社畜すぎて出会いがなく趣味は酒とオナニー。鍛冶屋に愛剣の柄をディルドの形に製作させてオナニーに活用。KOGの剣の柄もちんこでしたね。

同じくオナニーが趣味の副隊長、教官は飲むとくっ殺歴3回の思い出話に花を咲かせ、バツ3の第一王女は嫁ぎ先の王家をぶっ壊す陰謀家の性豪。

全編に渡って身も蓋もなく体育会系的なオナニーの話が5割、セックスの話が3割、その他の下ネタが1割。

という感じの1巻でした。

単行本は一般向けだけど、掲載誌は18禁という次元の狭間みたいな漫画ですけど、

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「33歳独身女騎士隊長。」2巻より(天原/KATTS)

今巻もエピソードタイトルからしてサイテーで笑うw

下ネタ日常ばっかりやる漫画かなあ、と思ってたんですけど、今巻は国境に新たな幹線道路を建設、副産物として観光資源の温泉を掘り当て、新たな交易路が開かれ、利益を巡って戦争も起こるなど、情勢がとても動きます。

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「33歳独身女騎士隊長。」2巻より(天原/KATTS)

そしてそれらのインフラや事件すべてにエロ・下ネタが絡みます。すげえなこの作者w

大国の間に挟まれた小国の、「貧国強兵」とでもいうか、他国に侵略されないよう貧乏国の状態を維持したまま兵をゴリラのように鍛えて備え、売るものが毒にしかならない人間しかないという毒フグの生存戦略みたいな凄まじい国ですけど、大国間の要衝としての地歩を着々と固めつつあり、「なろう」的なサクセスストーリーとしても面白いなこの漫画。

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「33歳独身女騎士隊長。」2巻より(天原/KATTS)

こうやって硬いこと書いてますけど、相変わらず下ネタはキレッキレで、読んでてこう、「何がクニだよ ク◯ニしろオラァァァ」を体現したような漫画だなコレ。

 

33歳独身女騎士隊長。 (2) (KATTS)

33歳独身女騎士隊長。 (2) (KATTS)

  • 作者:天原
  • 発売日: 2021/01/12
  • メディア: Kindle版

 

dic.nicovideo.jp

 

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なぜ「#こっち向いてよ向井くん」が、はてなーに刺さらないか(ネタバレ注意)

はてブのホッテントリで話題だったので。

togetter.com

 

b.hatena.ne.jp

Togetterまとめでは「年齢性別問わず刺さる!」なのに、はてブでは「刺さらない」という意見が主流で、ものすごいギャップが生じている。

論点は4つ。

 

1.刺さる/刺さらない

1巻のメインエピソードは1〜4話で「起承転結」になっていて、Twitterで「刺さる」と言っている読者はおそらく「結」の4話で恋愛弱者の主人公が第三者の恋愛マスターに説教されるシーンを指して「刺さる」と言っている。

が、Togetterまとめは「起承転結」の「起」の1話のみを掲載しているため、まだ何も起こっていない。なのに「刺さる」と言われても「?」となる。

1話のみ掲載なのに4話の感想の「刺さる」を一緒に並べるチグハグさのせいで、連載/単行本読者と試し読み読者の間で齟齬が生まれている。

 

2.Togetterまとめ主が編集部

Togetterの規約を知らないので編集部が試し読みと感想をまとめるマーケティング活動のTogetter上の是非は知らない。とぅぎゃったんがブクマしてるんでたぶんルール上はOKなんだと思う。

ただ編集部がまとめた割りに「1.」の観点で雑すぎて、まとめ主が編集部であることと併せると誇大広告みたいに見えてしまって、却ってイメージが悪くなっている。

 

3.米びつに湧いた虫を取る仕事をする派遣社員

第1話に社員の夜食用の米びつに湧いた虫を、夏の炎天下の駐車場に新聞紙を広げて派遣社員が虫をより分ける、という意味不明で奇っ怪な仕事がさらっと描写されている。会社側の立場で見ると、その作業の時間分、派遣会社に払う派遣料金で新しい米が買える。

私の職場でデスクワークで来ていただいている派遣社員にこういう仕事をやらせたら大問題で、最低限プロパー社員がメインでやるのを派遣社員が手伝う協働の形にする(それでも3K労働させるのは気を遣う)が、作者も主人公も当の派遣社員のキャラも特に何も感じていないようだ。探せばそういう職場はあるんだろうけど、そういう探さないとないような環境に「あるある」と共感はできない。

ちなみに、あまりにも意味不明すぎるので何かフォローがあるのだろう、何かのストーリー上の必要性があるのだろう、と思ったかもしれないが、単行本1巻に収録されている第5話まで読んでも特に何のフォローもない。意味不明な上に不要なエピソードな割りに、妙に生々しいせいで「漫画としてのファンタジー」としても成立しておらず、本筋に対する読者の集中力を削ぐ効果しか生んでいないように見える。

今やサラリーマンにとってパワハラは懲罰対象だが、「過去にパワハラで去っていったハケンの皆さん」のコマを読んでも、どうも作者はパワハラ問題を「サラリーマン社会のスパイス」程度に軽く捉えている節があり、労働問題に関心が高いはてなユーザとの相性がとても悪い。

 

4.「やれたかも委員会」との類似

4話まで読むとわかるが、この作品は恋愛弱者となった主人公の錯誤を、第三者の恋愛マスターがビシッと指摘し説教する構成が、少なくとも1巻では採られている。

長編漫画で主人公が固定なだけでやってることは「やれたかも委員会」と同じなので、楽しみ方は主に

・謙虚に女心・男心を学ぶ

・主人公に共感して自己憐憫・自己陶酔のM的な鬱に浸る

・恋愛マスターに共感して恋愛弱者への説教に共感してスカッとして

 自分も恋愛マスターであることを周囲に匂わせアピールする

の3点になるが、それはそれで漫画としてアリだが、かつてホッテントリを賛否両論で賑わした「やれたかも委員会」にとっくに飽きてしまったはてなユーザには既視感というか、古臭く感じるかもしれない。

 

個人的には「自称恋愛マスターが説教しやすい恋愛弱者」として説教されるために生まれた「こっち向いてよ向井くん」のこの主人公を全然好きになれないので、結局1巻5話まで読んだ範囲では自分にも刺さらなかった。

意味も根拠もなく「守る」を連呼する男に「101回目のプロポーズ」の「僕は死にません!」の武田鉄矢を連れてきたような時代錯誤を感じるのは、女性も男性もあんまり変わらない気がする。

 

 

aqm.hatenablog.jp

#メイドの岸さん 1~2巻 評論(ネタバレ注意)

早瀬貴一郎(25)は若くして日本有数の企業グループを束ねる財閥の次期当主として辣腕を振るい、政財界でも一目置かれるリーダーだったが、生活面では病的にドジで生活能力のないポンコツ人間だった。

そんな彼を支えるのは専属メイドの岸さん。

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「メイドの岸さん」1巻より(柏木香乃/講談社)

岸さんはとても有能だったが「っス」口調でクールで無表情で無口で無愛想だった。

岸さん無しでは生きていけない貴一郎はあの手この手で岸さんの歓心を買おうとするが、岸さんはあくまでビジネスライクでクールなのだった…

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「メイドの岸さん」1巻より(柏木香乃/講談社)

という坊ちゃん&メイドさんの日常ラブコメ。

「ハンコ絵」というのはキャラの顔の描き分けや表情の描き分けができない絵描きに対する揶揄の言葉ですが、この作品では演出意図を持ってヒロインが常にハンコ絵で描かれます。

無口なヒロインというのは何を考えているか知りたくなるし、無表情なヒロインは別のいろんな表情が見たくなるものですが、そうした心理を上手いこと突いたコメディ漫画。

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「メイドの岸さん」1巻より(柏木香乃/講談社)

クーデレさんヒロインのコメディは決して少なくないですけど、この作品は持ち点のすべてをそこにブッ込んだだけあって、とにかくデレ成分は描かれず、行間を察することを強いられます。クール:デレが95:5ぐらいな感じ。

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「メイドの岸さん」1巻より(柏木香乃/講談社)

そのわずかなデレの兆しを待って読み取ることが楽しい漫画。岸さん可愛いなオイw

意図してとは言え、こんだけ「ハンコ絵」を描き続けてこの作者が笑顔の描き方を忘れて描けなくなるんじゃないかと心配になるレベル。

少女漫画系っぽく見える絵ですけどマガジンブランドで、ちょっと見たらTwitter発の漫画なんですねコレ。漫画読者の性差のボーダーレス化は今に始まった話じゃないですけど、ジャンプ+といい、ここ最近は特に少年漫画のWEBブランドが少女漫画向けの才能を吸い取り始めてる感じがしますね。

 

メイドの岸さん(1) (マガジンポケットコミックス)

メイドの岸さん(1) (マガジンポケットコミックス)

  • 作者:柏木香乃
  • 発売日: 2020/10/09
  • メディア: Kindle版

 

正反対な君と僕 - 阿賀沢紅茶 | 少年ジャンプ+

作品が素晴らしいのはそうなんだけど、これを載せて作品と読者と出会う場所がジャンプ+なのか、集英社はもうそれでいいと見切ったのか、と思った

2021/01/07 08:10

b.hatena.ne.jp

 

(選書参考)

blog.livedoor.jp

#最果てのソルテ 1巻 評論(ネタバレ注意)

大魔法戦争で汚染され、魔法が禁じられた世界。

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「最果てのソルテ」1巻より(水上悟志/マッグガーデン)

孤児として村長に引き取られて育った少女・ソルテは、魔界へ続く「デタラメ洞窟」の入り口で瀕死の女・サリエラと出会う。

サリエラはソルテと同じく孤児で、村長に奴隷商に売られ、魔界と人界を行き来するサルベイジャーとして名を挙げた女だった。

サリエラの今際の際に立ち合い秘密を知ったソルテは同じく奴隷商に売られるが、それはソルテの冒険の序章に過ぎなかった。

というガール・ミーツ・ディスティニーなファンタジー冒険もの。

「惑星のさみだれ」「スピリットサークル -魂環-」で知られる水上悟志の新作。まあ作者買い。

中世ヨーロッパ風世界観ですが、魔法の禁じられた世界、魔界の毒、魔法少女、封神演義の宝貝のようなアイテムに、

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「最果てのソルテ」1巻より(水上悟志/マッグガーデン)

ループ要素まで、いろんな要素を詰め込んでその全貌が1巻ではまだ明かされない、闇鍋みたいな1巻。

世界観とキャラの紹介、出会い、とどっしりとした導入、予想される物語のサイズというかスケールがデカそうなファンタジーですけど、構成も含めてまあこの作者だし大丈夫でしょ、みたいな信頼感あります。少年漫画ですけど、なんか風格あるわw

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「最果てのソルテ」1巻より(水上悟志/マッグガーデン)

俺もだわ。

正直いろいろわけわからんですけど、予告編効果とでもいうか、続きがすごいワクワクしますねコレ。すごい、骨が太そうなファンタジー。

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「最果てのソルテ」1巻より(水上悟志/マッグガーデン)

歴史が変わんの早やっwww

これは新年早々、続きが楽しみな。
 

最果てのソルテ 1巻 (ブレイドコミックス)

最果てのソルテ 1巻 (ブレイドコミックス)

  • 作者:水上悟志
  • 発売日: 2021/01/09
  • メディア: Kindle版

 

(選書参考)

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FSS (NT2021年2月号 第17巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。

「第6話 時の詩女 アクト4-4 カーマントーの灯火 Both 3062」。

扉絵コミで13ページ。

  

他の号はこちらから。

aqm.hatenablog.jp

  • (宣伝)
  • (余談)
  • (扉絵)
  • (本編)
  • (所感)
    • ローゼンメイデン
    • GTMマグナパレス
    • マキシ
    • ミース
    • アウクソー
    • ハイト
    • アーリィ・ブラスト

以下、余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

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#ペスト 2巻 評論(ネタバレ注意)

新型コロナウイルス禍で一昨日、緊急事態宣言が再度発出されましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。感染者数が増えていく連日の報道で心がお疲れの方も多々いらっしゃるのではないかと思います。

残念ながらこの記事はそんなあなたの心を癒すようなことはこれっぽっちも書かれていませんので、あんまり読まない方が良いと思います。

ねこ漫画のリストを貼っておきますので、そちらの漫画など読まれて心安らかにお過ごしください。個人的には「カワイスギクライシス」あたりが可愛いやらくだらないやらで楽しい漫画なのでオススメです。

aqm.hatenablog.jp

心がお疲れでない方だけ、以下の続きを読んでいただければと思います。

 

 

 

 

194X年、フランス領アルジェリア(当時)、海岸沿いの交易都市オラン。

病弱で山間のサナトリウムでの療養を控える妻と暮らす若き医師、ベルナール・リウーはある朝、1匹のネズミの死骸につまずく。オラン市全体で原因不明に増えていくネズミの死骸。

リウーは、人類が克服し歴史の中のものになったと思われた病気と酷似する症例の患者に触れ、ある疑念を抱く…

という、伝染病の流行とこれに抗う人々を描いた小説。

ノーベル文学賞作家、アルベール・カミュの代表作の一つのコミカライズです。

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「ペスト」2巻より(アルベール・カミュ/宮崎嶺雄/車戸亮太/新潮社)

2巻の発売日はずっと以前から決まっていたもので、特に世間の動向に合わせて今日の発売を迎えてるわけではありませんが、すごいタイミングで発売になっちゃいましたね。

そんで、すんげー表紙。新潮社が誰か偉い人に怒られるんじゃないかと心配になるレベル。

描かれている内容も、ここ1年の間にニュースで見たような逸話ばかりでうんざりします。

もちろんペストと新型コロナウイルスは症状も致死率もまったく別の病気なんですけど、人間社会のリアクション、なんでこんな似てんの…

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「ペスト」2巻より(アルベール・カミュ/宮崎嶺雄/車戸亮太/新潮社)

感染を自称する構ってちゃん、医療従事者に対する偏見・差別の目、毎日アップしていくカウンター、家でおとなしくしていることに飽きて出歩き集う人々。

昨年、この漫画の1巻が出たときに

2巻は2021年春を予定とのことです。

その頃には新型コロナウイルス禍をめぐる情勢も良方に転じていて欲しいものですね。

と書きましたが、残念ながら年末年始を挟んで事態は悪化してしまいました。

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「ペスト」2巻より(アルベール・カミュ/宮崎嶺雄/車戸亮太/新潮社)

もちろん、感染した方、重症化した方の他、そのご家族や医療従事者など彼らを支える方々のご苦労・心労は大変なものかと思いますが、ウイルス禍によって経済的な状況が悪化したり、進学や就職に悪影響を受けたり、報道や出歩けない生活で心理的圧迫を受けたりと、一見健康そうに見える市民への圧迫感も日に日に増しています。

ノーベル文学賞作家の作品のコミカライズを捕まえて失礼な言い草ではありますが、この漫画はよくできていて、それだけに読んでいてしんどいというか、なんかこうウンザリします。

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「ペスト」2巻より(アルベール・カミュ/宮崎嶺雄/車戸亮太/新潮社)

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「ペスト」2巻より(アルベール・カミュ/宮崎嶺雄/車戸亮太/新潮社)

次巻は夏とのことです。夏といえば東京オリンピックはその頃どうなっているでしょうか。ああ、考えるだけでウンザリだ。

その頃には新型コロナウイルス禍をめぐる情勢も良方に転じていて欲しいものですね。

自分にできることはあまりありませんが、家でおとなしく過ごしてウイルス感染に注意する他、怪我やその他の病気にも留意して、医療機関に負担をかけない生活をしようと思います。

とりあえず体が元気でも心がへばっては元も子もないですし、自分もねこ漫画を読んで癒されようと思います。

 

ペスト 2巻: バンチコミックス

ペスト 2巻: バンチコミックス

 

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#赫のグリモア 5巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

ペン画の大家・大麦茜の遺産として、大きな洋館と多数のペン画の相続した曾孫の中学生・若葉。

洋館を訪れた若葉は、隠し扉の奥で赤い鎖に繋がれた蒼い目の美少女「あかずきん」と出会う。彼女は曾祖母が契約し使役していた、人の姿をした最強の魔獣。

曾祖母は歴史に陰から介入し太平洋戦争の裏で暗躍した「書の魔導士」の一人だった。

後継者に指名された若葉は、絵を武器化し魔獣を使役して戦う魔導士の血なまぐさい争いに巻き込まれていく…

美少女版能力バトルな「うしおととら」。ローティーンの少女が銃で撃たれる物騒な絵ヅラが多い。

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「赫のグリモア」5巻より(A-10/講談社)

書の魔道士による国際警察「機構」を大量の魔導書の蔵書と人材交流で支えてきた羽生財団の裏切り。身内であるはずの羽生乃恵瑠さえをも凶弾にかけ、音信を閉ざす。羽生財団に対する強制査察という名の戦争。その裏で、生家と家族に裏切られた乃恵瑠は真実を確かめるべく単身で財団の拠点を目指す。

 

今巻で完結。

外形的には、まあ、打ち切りっぽく見えるんですけど。

人が感想書く前に作った本人が熱く語るんじゃねえよw

作った本人にここまで熱く語られた作品をDISるほど根性ねえよwww

 

本来、作品の外のメタ情報で作品の評価が左右されると言うのは邪道だと思うんですけど、実際に感想書く前にツイート見ちゃったもんな、というのと、これ、要するに「あとがき」なんですよね。

普通に巻末にこのテキストが収録されていたら「あとがき」として「作品の一部」として評価されていたはずで、SNSの時代はその辺の「あとがき」と「作者のSNS上の後語り」の境界が難しいな、と思います。

茶化しましたけど、作者のツイート内容には自分も概ね同意です。

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「赫のグリモア」5巻より(A-10/講談社)

美少女化してエグみを強くした「うしおととら」のような能力バトルバディもので、人によって好みの別れる作品で、それ故に打ち切りだったんだと思うし、それ故に不完全燃焼だったキャラや伏線もいっぱいありますけど、作者が最後の最後まで手を抜かなかったことは、作者に会ったこともないどっかの馬の骨の自分が保証するし、自分はもっとこの作品の続きが読みたかったです。ちょっともったいねえわ。

次回作をお待ちしています。お疲れ様でした。

  

赫のグリモア(5) (週刊少年マガジンコミックス)

赫のグリモア(5) (週刊少年マガジンコミックス)

  • 作者:A-10
  • 発売日: 2021/01/08
  • メディア: Kindle版

 

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