#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#デスサイズキューティー 1巻 評論(ネタバレ注意)

佐藤聡子、妙齢、メガネ、スタイルよし。

出会い系アプリで結婚詐欺に遭い、会社の金を横領。

その会社がヤクザのフロント企業だったため、いきなり絶体絶命。

ヤクザが提示した、助命と借金帳消しの条件は、ある小学生女子と同居することだった。

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

リルハ、女子小学生相当ながら、たぶん小学校には通っていない。

孤児、政府系の暗殺機関の養成所育ち、凄腕の殺し屋「デスサイズキューティ」。

育ちが原因で情緒や社会常識が未発達なせいで社会性に欠け、「壊し屋」任務しかできないことを憂いた機関が、情操教育を画策。

公安系のヤクザ組織系列のラインで、同居してくれる女が募集された。

かくして、借金持ちの聡子と、凄腕殺し屋小学生・リルハの同居がマッチングされた。

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

という、玉置勉強の新作は美少女殺し屋を軸とした、おねロリ同居殺し屋バディもの。

殺し屋ものも、美少女殺し屋者も、殺し屋の情操教育ものも、流行りというかもはや「令和の王道」感があります。

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これまで流行や王道と一線を画したい意図が見え隠れしてきたこの作者らしくない、とも言えますし、それだけに「どんな手を使っても世界にコレを読ませたい」と、期するものがあるようにも感じます。

あと前作『突発的クリエイトファミリー』と連続して、「(同性の)大人と子どもの同居もの」ですね。

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この辺もたまたまなのか、描きたい興味がそっちに寄って行ってるのか。

「ガンアクションを描ける漫画家だったっけ?」

と思いましたが、「リアルと漫画的ファンタジーの狭間」な匙加減で、アクションシーン、かっこいいわw

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

銃器のチョイスも実用的で武骨なグロック系かな?渋くてよい。

政府系の暗殺者養成機関・美少女殺し屋・情操教育・社会復帰?と、今どき珍しくもない初期設定。

他の殺し屋漫画と差別化するのは、この作者のもともとの持ち味でしょう。

「どん底生活で見えない希望」、「退廃的な日常」、「別離」、それでも続いていく人生。

「殺し屋」というテーマにどことなくハマります。

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

描く女の子もセクシーで可愛いんですけど、どこかだらしなく退廃的で不健康で、なんというか「ダメ人間」「クズ」の描写が生々しいんですよね、この人w

あと登場人物の喫煙率がやたら高いのも好きです。

「殺し屋」ものの隆盛と併せて、「クズ・ダメ人間の持つ文学性と共感」も再評価されてる折り、ベタで王道ながら作者の「人生の哀愁」に寄り添った作家性にハマる、面白いテーマチョイス。

『デスサイズキューティー』1巻より(玉置勉強/小学館)

たまにはこの作家のちょっと長めの作品を読んでみたく思いますが、今回はどうでしょうか。続きが楽しみ。

 

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#姫様“拷問”の時間です 14巻 評論(ネタバレ注意)

国王軍と魔王軍が衝突する世界。

国王軍の王女にして第三騎士団の団長・姫は、意思を持つ聖剣エクス(ツッコミ役)と共に魔王軍に囚われの身となった。

戦局を有利に導くべく、魔王軍はあらゆる手を使って敵の幹部である姫から秘密の情報を引き出そうとする…

『姫様“拷問”の時間です』14巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

という、ファンタジー世界を舞台にしたゆるーいコメディ漫画。

タイトルにも作中のセリフにも「拷問」という物騒な単語が踊りますが、中身はストレスなしのギャグコメディ。半分は実質グルメ漫画。

あとはもう黄金のワンパターンの手を変え品を変えの繰り返し。牧歌的で微笑ましい馴れ合いの世界。登場人物が全員なにかしらポンコツです。

ワンイシュー・ワンパターンですぐ飽きられるはずの定型フォーマットをあの手この手でバリエーションを持たせることに血道を上げる作風。

毎話すべての登場人物の言動が本末転倒なのに、全員が本末転倒であるが故に調和してしまっていて「その手があったか」「そんなのアリなのか」「一体なにを読まされているんだ」と驚きと唸りと笑いで迎えられる作品。

『姫様“拷問”の時間です』14巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

ほぼ毎回、「姫様、拷問の時間です」と作品タイトル回収からスタートしつつ、ちょっとズラしてるだけなんですけど。

アニメもちょうど今やってますね。

「ワンパターンか」と言われれば「ワンパターンだ」と答えざるを得ないんですけど新規性を持ったバリエーションは豊かで、

「新規性を持ったバリエーションが豊かならワンパターンではないのでは?」

「ワンパターンってなんだ?」

ってなります。「予定調和」ではあるんですけど。

『姫様“拷問”の時間です』14巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

自分もこないだこんな風になったわー。

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『水戸黄門』とか『サザエさん』とか長寿コンテンツというのは「ワンパターンの枠」の中のバリエーションで泳ぎつつ、落としどころを視聴者・読者が安心して観られる・読める「予定調和」の枠に持っていく、という営みが求められていましたが、そんな感じ。

この作品にはもう一つ、「作中世界の設定」というよりは「拷問」という概念が優しい世界方面にちょっとずつ狂っていく、ギャグ漫画としての「世界観の特殊性」もありますが。

出オチ漫画で2〜3巻でネタが尽きそうな立ち上がりから、作者自身の力で完全に「伝統芸能」的な作品のフォーマットを確立してしまいました。

『姫様“拷問”の時間です』14巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

もしからしたら『水戸黄門』とかも、最初の頃は

「身分隠した偉いさんが悪者退治の出オチドラマ」

「毎回悪事を突き止めて荒事あって印籠出して解決して、ワンパターンですぐ終わるやん」

とか思われていたんでしょうかね。

あと、作中で描かれる「子ども(たち)に対する大人の振る舞い」についても言及してみたいんですが、長くなるのでまた今度。

今巻も優しく可愛く、でも切れ味鋭く、楽しく面白く。

そういえば、この作品の初期数巻の頃までは自分は「拷問」という概念が苦手なんでこの漫画を敬遠してたんですが、この作品タイトルは得してるんだろうか、損しているんだろうか。

『姫様“拷問”の時間です』14巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

「漫画の中身を読まない親」の立場だったら、けっこう子どもに買い与えにくい、いかにも誤解を受けそうなタイトルだとは思います。

今となっては自分にとってはどっちでも良いことですが、こうしてアニメ化にまで至って、神様が作者に

「タイムマシンで過去に戻って作品のタイトルを一度だけ付け直していいよ」

と告げたら、作者はどうするだろうか。

『姫様“拷問”の時間です』14巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

結構、「変えなくていいです」と言いそうな気もしますね。

 

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FSS (NT2024年4月号 第19巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。

「第6話 時の詩女 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー Both3069」。

扉絵コミで11ページ。

「第19巻相当」としているのは特に根拠はなくて、

「なんとなくそんな感じかな」

という感じです。

  

他の号はこちらから。

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以下、宣伝と余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)

いまコレ書いてるの、ブログの日付を操作して3/10にしてますが、3/11(月)の夜です。

ややこしくてすみません。

2日続けてFSS連載の感想。

3/8(金)発売の、NT誌の最新号と『デザインズ7』が今日3/11(月)に届くのは予想してたんですが、

 

こないだ注文して今週末に届くと知らされていたM3のMacBookAirまで今日届いてしまって、

何から手をつければいいかわからなくなりました。

とりあえずMacBookの最低限のセッティングだけして、先にNT誌4月号の感想を書いてます。

うおー、M3早ぇー。

『デザインズ7』の感想は、まず読み込むのに時間かかりそうなのと、6,600円もする設定資料集の感想ってなに書くのよ、ってなりますよね。

とりあえず気になるキャラの解説だけ斜め読みして「ワオ!」ってなった点が既にいっぱいありますけど、自分も高い金払って買った6,600円もする本の内容を、タダ読みのネットでネタバレすんのも、なんかねえ……

 

(扉絵)

現時点の単行本全17冊の表紙イラストの作品タイトルと解説。

 

(本編)

大広間ではツンデレな振る舞いでダイ・グとクリスティンを護ったミヤザ長官がシルチス騎士たちからチヤホヤされていた。うなだれるアドー王。

ダイ・グの病室では、ジークとの会話を終えたダイ・グが円卓の騎士たちに最後の言葉をかけ、そしてジークの計らいにより、ダイ・グとクリスティンの2人だけが残された……

「皇帝と騎士。決して結ばれるはずがなかった2人の最後の時間……」(ニュータイプ2024年4月号より)

 

(所感)

扉絵

永野護デザイン展で撮った、各巻表紙イラストの「タイトルと解説」のパネルの写真をドヤ顔でアップしてたんですけど、

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カブッてるというか、こっちのが情報量多いやないかいw

 

富野由悠季

巻頭が「デザイン展」「デザインズ7」などと絡めて永野護特集でいろんな人のインタビューがあって、富野由悠季のインタビューも見開き2ページで。

ある程度の富野由悠季(と永野護の関係性)のファンであれば以前違う場で似たような発言をしていたのを聞いたことがある内容でした。

首肯するところもあるし、「いや、それは違うよ富野さん」と言いたいところもあります。

ただこの爺さん、ミヤザと一緒で、思ってることを必ずしも真っ直ぐ喋らなくて、なかなか額面通りに受け取れないんですよねw

 

ミヤザ

ツンデレおじさん。

イクさん、ツンデレおじさんに向かって衆目の前でツンデレの本心ネタバレ解説っていかにも粋じゃないんですけど、まあ読者向けなんでしょうがないねwっていう。

「えー、今のギャグのどこがおもしろかったかというと、〜」

みたいな残酷さw

騎士でも王侯貴族でもない「平民」が、しかしさりげなく彼らを誘導しサポートするの、倉庫屋のシケルブ・雪之丞以来かな。

作者、こういうおじさん好きよね。俺も好きだよw

 

アドー王

うなだれる目がイッちゃってんですけど、元から目がイッちゃってた人なので、この後どう出るかよくわからんな。

昭和の少女漫画とかだと、こういう場面でこういう目をしたキャラは、クリスティンを刺そうとして庇ったダイ・グが代わりに刺される、みたいな「舞台装置」としてよく居たんですけど。

失脚直後に復讐テロを起こして重要人物を死なせてしまう、『銀英伝』のアンスバッハ准将とかフォーク准将とかの枠というか。

今月号の表紙のビジュアルも、

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まるで昭和の少女漫画の表紙みたいよねw

黒幕ぶってたのにイザとなったら円卓の騎士に誘ってもらえない雑魚さんだったことが発覚してちょっとかわいそう。屈辱でしょうね。

 

数千年続いた帝国のしきたりを破る

なんでしょね。

同じ騎士が皇帝2代に渡ってハイランダーを務めることか、それとも更に別の何かか。

(この記事は一応、『デザインズ7』を精読する前、というテイで書いてます)

 

クリスティン・V

タイトルコールにようやく脚光。

まだ泣き虫のままですw

悔いのない最後の時間にして欲しい。

まるで「騎士とファティマの最期の時間」のようですし、「バランシェとソープの別れ」のシーンの再演のようでもあります。

いろいろ言われますし、自分もいろいろ思ってきたキャラですが、

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「ファイブスター物語」12巻より(永野護/KADOKAWA)

「私はもう一生に足りる恋をした!」

というセリフには、自分は

「そういう生き方も、在って良いのか……」

と大いに気づかされました。

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そういう意味で、自分にとってクリスティンは

「絵空事の話をしていても、発見をもたらす瞬間をくれた」

キャラで在って、

「足の長い姉ちゃんだけを描いていれば、気が済むというわけにはいかないんだぞ」

という富野由悠季の今月号のあの言葉だけは、たとえそれが永野護の将来に向けた期待と励ましのためのあえてのツンデレ発言であったとしても、それだけは自分にとって絶対に違うんです。

 

あと最後に話変わりますけど、とりあえず永野護デザイン展で買ったステッカーの、

 

花十字と、

 

ミラージュマークを新品のM3に貼りました。

ノートPCにステッカーとか貼ると「ダサい」とか言われちゃうんですけど、

「他人にダサいと思われないこと」

より大事にしたいことって、あるんですよね。

 

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FSS (NT2024年3月号 第19巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。

「第6話 時の詩女 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー Both3069」。

扉絵コミで11ページ。

「第19巻相当」としているのは特に根拠はなくて、

「なんとなくそんな感じかな」

という感じです。

  

他の号はこちらから。

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以下、宣伝と余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)

いまコレ書いてるの、ブログの日付を操作して3/9にしてますが、3/10(日)の夜です。

3月号の公称発売日が2/8だったのでほぼ1ヶ月遅れ。

なんで1ヶ月遅れかというと、人生初のスポーツカー・オープンカーの納車と重なりまして、

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「(NT誌は読んだけど)ブログなんか書いてる場合じゃねえ!!」

ってなって、日課?にしているブログを1ヶ月書いてませんでした。

その間に「永野護デザイン展」にも行ってきました。

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youtu.be

ちなみに4月号は公称発売日が3/8(金)で、自分はKADOKAWAの定期購読してますが、まだ届いてません。宮崎の場合、金曜日が公称発売日だと、定期購読はだいたい週末明けの月曜日になりますね。

「デザインズ7」もAmazonで早期に予約注文しましたけど、まだ届いてなくて、たぶん月曜日かな。

困ったもんだ……ともあんまり思わなくなってきました。特に所沢から帰ってきてから。

「遠いし届けるの大変よね」ってのもありますし「自分もブログ1ヶ月サボったし」ってのもあるんですけど、展示会観て思ったんですけど、本当に40年がかりで描いたり読んだりしてるんですよね、この作品。

なんか「届いて読むのが2〜3日早い」とか「2〜3日遅い」とか、どうでもよくなっちゃったw

でもさすがに3月号と4月号とデザインズ7の感想をいっぺんに書くのは大変過ぎるので、とりあえず3月号の分を先に片付けよう。

一緒にすんなって話ですけど、毎月連載して、展示会の用意して、デザインズ7も出して、単行本も用意して、永野護、すげー働いとるなー。

ようやっとる。(偉そう

 

(扉絵)

「永野護デザイン展」の告知、エストを例に展示・観覧のイメージ図。

『花の詩女 ゴティックメード』の映像を再編集したスペシャルムービーを作成したので、それを会場内で上映する旨の告知。

 

(本編)

病床に臥せるダイ・グの枕元に侍り、言葉をかわすジーク、廊下に控えて耳を傾けるクリスティン。大広間では円卓の騎士たちが重装甲の兜を脱いで、元老たちに対して身分を明かしていた。

「次号、表紙&巻頭特集!『デザインズ7 灰の勲章』も同時発売!!」(ニュータイプ2024年3月号より)

 

(所感)

扉絵

特になし

 

本編

偉い人たちが兜を脱いで一言コメントしてMOBが「おお!」とか言うだけなんで、話としては特にはアレなんですけど。

 

レーダー8

ダイ・グの先代(レーダー8)も、次代(ジーク)も、ピンピンしてるのを見ると、ダイ・グが皇帝の地位を継いで苦労した期間は一体なんだったんだ……一番大変なところを中継ぎで便利使いされただけじゃねえか……ってちょっと思います。

レーダー8(と慧茄)はとっくに死んでた方がよかったんじゃないかとずっと思ってました。「引退する」「隠居する」って口ばっかじゃんこいつら。

つっても、レーダー8はクリスティンの不祥事に恩赦を与えるために退位したんでしたっけか。ダイ・グに苦労を押し付ける意図だったわけではないんですよね。

「とっくに死んでた方がよかった」レーダー8を作者が敢えて生かしておいたのは、このシーンのためだったのか。

まあ、あと、円卓の騎士の招集や大連合の再構築はジークが「三色の皇子」だからこそできたことで、そのジークの動機がダイ・グの想いなので、

「ダイ・グが種を蒔いて、ジークが刈り取った」

というか、どっちみちレーダー8にできたことではないですね。

 

ナイアス

わあ、既に恩赦されとる。

しつこく解説されてきた「円卓の騎士の超法規性」の一端ですね。

ナイアスは「皇帝暗殺未遂」という、フィルモア帝国法上、「一般人殺しのクリスティン」を超えるウルトラ重罪人ですが、それすらも赦される、という。

 

イゾルデ・サヤステ

ミューズ法王ではなくサヤステ家の当主が参集に応じたのは、映画『花の詩女 ゴティックメード』からの流れ上、自然です。

けど、ノンナ・ストラウス神官長の方が来てても、ナイアスと因縁持ちが呉越同舟でちょっと面白かったな、とはw

ただ、こうなるとますますクバルカン法国の建国と、サヤステ家の移籍の経緯が知りたくなるな。どっか書いてたっけ?

 

アイオ・レーン

「大物っぽい奴、もう一人ぐらい欲しいな〜」

って時に便利な人だな、と思った。

箔をつけるための「名士」枠というか。毎週いろんな結婚式に呼ばれてスピーチしてそう。

この人の出番こんなんばっかりだなw

 

バシル・バルバロッサ

「座っているだけ」だったって言っちゃったよw

初登場だっけ? やっぱ先祖と同じく「(CV:大塚明夫)」なんかな、とか思いました。

 

円卓の騎士

円卓の騎士の構成メンバーって、

「秘密結社的に裏で定められて継がれてきた」

とか

「グレートサイレンの遺した13枚の符牒を継いだ者」

的なイメージだったんですけど、なんつーかこう意外と臨時的というか、

「呼ばれたから来たわ」

「ジークさんお招きありがとう&幹事お疲れ様」

「今回、すごい面子っすねwww」

「慧茄さん孫の看病があるって今回は欠席っす〜」

「わたし初参加ですヨロ〜」

的な、オフ会みたいな集まり方だな、とw

 

「円卓の騎士」の権威の裏付けって、

「もともと偉い(強い・有力者・情報持ち)こと」

「ラント陛下に選任されたこと」

ぐらいなんかな。

ダイ・グに託された証拠のアイテムを出したアラン・リーが一番ちゃんとして見える。

(でも、そのダイ・グ本人を軽視していた元老が指輪ぐらいで「ドョオ…」ってなんなよw)

 

じゃあ、明後日?明日?ぐらいに4月号の感想を。

 

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#ヤニねこ 3巻 評論(ネタバレ注意)

ボロアパートで暮らすヤニねこは猫耳で美少女だったが、ぐーたらでだらしなくて下品で臭くて汚いヤニカスだった。

そんな彼女の、ぐうたらでだらしなくて下品で臭くて汚くて可愛くてちょっとエロい日常。

『ヤニねこ』3巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

という、Twitter発のショート漫画。

かつて自虐・他虐のための蔑称だった「おたく」や「腐女子」がそうなったように、「クズ」という自虐・他虐のための蔑称が

「(愛称としての)自称・他称」

として特にネット界隈でカジュアルになりつつあるような気がするんですが、それを象徴するような漫画。

『ヤニねこ』3巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

ルックスがおっさんだったらたぶん売り物になりませんが、ちょいエロ猫耳美少女であることで商品になったというか、

「見た目さえ美少女であれば、どこまで許されるか」

という「おっさんの美少女(※ケモナー)擬人化」の実験みたいな。

受け入れられているのは、ルックスの愛らしさ故なのか、自分の内なるクズ性の共感なのか。

『ヤニねこ』3巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

「マイルドなノワール」というか、ある種のクズ文学というか、原義の意味での「カタルシス」というか。クズと文学は昔から相性良いですしね。

www.google.com

ヤニカスあるあるネタだけで漫画が3巻も描けるはずもなく、「ヤニカスあるある漫画」としては正直ネタ切れ感を感じますが、じゃあ代わりに何で埋めていくかというと

『ヤニねこ』3巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

「ヤニカス以上のクズ要素」で、なんというか内容のひどさ・クズさ、漫画としてのユルさ・投げやりさに更に磨きがかかっていきます。

ひどさの限界突破めざしてんのかっていうw

巻末には有名漫画家たちの『ヤニねこ』オムニバス1ページ集も収録。

『ヤニねこ』3巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

こう、作家を

「自分だったらこんなクズを描いてみたい!」

と惹きつけるものがあるのか、「言われて描きました」感がなくて嬉々と躍動して描いてる感じがしますw

『僕やば』作者・桜井のりおの『ヤニねこ』、サイテーすぎて笑うw

あと、ギャグ要素・コメディ要素でもなんでもない、ヤニにまつわる「ふ」とした風情の描写にちょいちょいコマ・ページを割かれてるんですけど、

『ヤニねこ』3巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

夜のドライブ、無言の静寂、ラジオから聴こえてくる知らない歌、窓から流れていく煙。

これが実に風情があっていいんですよね。俺も一本吸おう。

 

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#MFゴースト 19巻 評論(ネタバレ注意)

『MFゴースト』は『頭文字D』と同じ世界観。

あっちが基本的に90年代を舞台にした作品であるのに対し、こっちは202X年が舞台の続編という位置づけです。大体20〜30年後?という感じ。前作の登場人物たちがおじさんになって脇役で大量に登場。

『MFゴースト』19巻より(しげの秀一/講談社)

前作主人公の藤原拓海も、本人は登場こそしないものの、主人公の師匠としてやたら名前がたくさん登場。

国産車での公道マッチレース(脱法)だった前作に対して、今作は海外製のゴージャスなハイエンドスーパーカーが公道グランプリレース(遵法)を繰り広げるという、クルマ好きには眼福な作品。

レースシーンパートは基本的にはクルマがグルグル走って解説やドライバー自身がブツブツ言ってるだけの漫画なので、そういうのが苦手な人はやめときましょう。

『MFゴースト』19巻より(しげの秀一/講談社)

ここにきてサブヒロイン増やすんかいw

かっこいいレースシーンと、小出しにされる大ヒット作『頭文字D』のキャラ達の気になる後日談、この2つの撒き餌に寄ってきた硬派な読者たちに、作者の個人的な趣味嗜好であるところのラブコメを無理やり読ませるという、訳のわからない漫画になってきましたが、現にレースシーンはかっこいいし、藤原のその後は気になるし、個人的にはラブコメも大好物なんで全然構いませんがw

シーズン、残すは最終第5戦のみに。

『MFゴースト』19巻より(しげの秀一/講談社)

作品の縦軸が表に裏に複数、

・公道レース「MFG」の年間シーズン(全5戦→4戦を消化)

・主人公・カナタとメインヒロイン・恋のラブコメ

・主人公・カナタの今シーズン終了後の身の振り方(英国に帰国? 日本に残る?)

・メインヒロイン・恋の今シーズン終了後の身の振り方(遠恋? 渡英? 進学? 芸能デビュー?)

・高橋涼介が設計・設立した行動グランプリレース「MFG」の真の目的

・前作主人公・藤原拓海の影(今作で登場することはあるのか)

などなどあるんですけど、いろいろと畳みにかかってる感じはします。

前巻後半の、作品恒例の幕間の日常・ラブコメ回を経て、今巻から第5戦「熱海ゴースト」の予選タイムアタック。

『MFゴースト』19巻より(しげの秀一/講談社)

見応えはあるものの意外と話は動かない「試合巻」に対して「幕間巻」でこそ人間関係や状況の進展がある、というのはスポーツもの漫画に割りと共通します。

厳密には「予選タイムアタック」は「試合巻」の一部ですが、レース本番ではないだけに「半・幕間巻」という感じ。

第5戦終了でおそらく作品完結、少なくともカナタのMFG参戦が終了するのはほぼ確定、いろんな人間関係も本格的に「畳み」に、「片付け」に入った感はあります。

『頭文字D』のあの人も『MFゴースト』で顔出し初登場。誰かと思ったわ。

『MFゴースト』19巻より(しげの秀一/講談社)

気づけば次巻で20巻ですし、『頭文字D』の48巻ほどではないにしても、連載漫画としては十分長い部類、TVアニメ化も果たして、「頃合い」という感じはします。

『頭文字D』の48巻は正直ちょっと長すぎたしね。

カナタが「残り一戦」のここからポイント逆転して年間チャンピオンになるにはちょっと間に合わなそうですけど、スポーツ面での落としどころはどうするんでしょう。

というのと、どうしてもラブコメが描きたそうな作者の次作は、この作品の続編的なものになるのか、新規作品になるのか、というのは少し気が早いでしょうか。

『MFゴースト』19巻より(しげの秀一/講談社)

23〜24巻ぐらいで完結かな?

最後はやっぱ、優勝で飾りたいよね。

 

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#魔都精兵のスレイブ 15巻 評論(ネタバレ注意)

各地に突如出現した門の先に広がる魔都。人を襲う鬼が巣食い脅威となっていた。政府は能力者の女性で構成される「魔防隊」を組織し鬼に対抗。

『魔都精兵のスレイブ』15巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

男子高校生・優希は帰宅中に魔都に迷い込んだところを魔防隊七番組組長・京香に救われる。彼女の能力は生命体の潜在願望を叶える義務と引き換えに奴隷として使役・強化し戦わせる能力だった。

平たく言うとバトルでこき使われる代わりに勝ったらエッチなご褒美な感じだった。

和月のバトル絵、GS美神の設定とキャラ、ハーレムギャルゲー要素、ジャンプのバトル漫画の定番展開、という感じ。あと乳首!

『魔都精兵のスレイブ』15巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

美少女ばかりの魔防隊に10人ぐらい美少女な組長たちがいまして、使役主によって戦闘フォームを変える便利下僕ファイターな主人公が、順々に彼女たちに貸し出されて共闘しエッチなご褒美をしてもらう、というギャルゲーともエロゲーともつかぬ建て付けで、一巡したらラストバトルになるんかな。

「桃源郷」と呼ばれる時間の流れが遅い空間、『ドラゴンボール』でいうところの「精神と時の部屋」での修行編。

『魔都精兵のスレイブ』15巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

主人公たち七番隊以外の隊との閉鎖空間での合同訓練合宿ということで、合宿、新キャラたち八番隊の面々やピリペンコ組長も加わり美女だらけ、男は主人公だけ、作者はどすけべの変態、何も起きないはずもなく…

というハーレム修行編。

…のはずが、修行のために隔離された安全空間と思われた桃源郷に、不穏な影が潜む…

『魔都精兵のスレイブ』15巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

おー、「ダイヤモンド・ダスト」だ!この技、やっぱかっけーよね。

修行編らしくも「桃源郷」らしくもない、潜入した強敵2人を向こうに回しての、一冊丸ごとバトル編。

作品の売りのお色気シーンはところどころ挟まる妄想シーンと、描き下ろしの番外編「メイドコスプレ編」のみ。数が少ない分いつになく描写が過激な気もしますねw

なんですけど、エロが描ける人は人体が描ける、人体が描ける人は体重の乗ったバトルが描けるという、見応えのあるバトル描写。

『魔都精兵のスレイブ』15巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

ピリペンコ様、クールなイメージに反して泥臭く熱くてかっけえな。

美女・美少女揃いの魔防隊ですが、圧勝してねじ伏せる俺TUEEE描写が主流の最近のバトル漫画らしからぬ、『はじめの一歩』の主人公のような苦戦してダメージを受け傷だらけになりながらの熱い逆転劇。

こう、動けるアクションが描かれつつも、傷だらけになりながらの熱く泥臭いバトル描写スタイル、「ダイヤモンド・ダスト」だけではなく『聖闘士星矢』などの往年の車田正美作品を彷彿とさせます。

今巻でバトルが決着し、次巻は「桃源郷」らしく、戦後のご褒美タイム増量巻でしょうか。

二手に分かれたバトルでピリペンコ様が主人公をスレイブとして使役しなかったので、残念ながらピリペンコ様のご褒美シーンはお預けになりそう。

…と、思わせてからの…という展開に期待…

『魔都精兵のスレイブ』15巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

あと、この子が生きてて良かった。信じてたぞ、タカヒロ!

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#いっていっぱいいって 【完】 評論(ネタバレ注意)

位置原光Zによるオムニバス短編集。艶っぽくて良いタイトル。

『いっていっぱいいって』より(位置原光Z/白泉社)

昨年はアダルト向け漫画誌「快楽天」(ワニマガジン社)に連載されたショート漫画をまとめた単行本『青春リビドー山』がKADOKAWAが出ましたが、

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今作は白泉社の恋愛・ラブコメ漫画専門誌「楽園 Le Paradis」連載の短編をまとめた単行本を同じく白泉社から。

『いっていっぱいいって』より(位置原光Z/白泉社)

同作者の過去刊『性懲りショートステイ』の続巻と言って良いと思います。

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「楽園 Le Paradis」誌を直接は読んだことないんですけど、位置原光Z先生の白泉社の単行本はなぜかセリフが写植じゃなくて手書きなんですよねw

ジャンル?作風?は、出版社・単行本を問わず「エロ下ネタギャグラブコメ」でいいのかな?という感じ。

『いっていっぱいいって』より(位置原光Z/白泉社)

いわゆる「18禁」要素というか「濡れ場」や「ハダカ」は出てこない、まあ言ったら若い男女のシュール・ナンセンスな会話劇なんですけど、ほとんどの短編においてその若い男女が終始ムラムラしながらアホみたいな会話をしていて、笑えるのにエロいですというか、エロいのに笑えますというか。

性的でナンセンスな一言から始まるトンチキ会話芸、というのが一つの型なんですけど、

『いっていっぱいいって』より(位置原光Z/白泉社)

自分この作者の単行本全部持ってるんですけど、展開が似てくる一つの型でありながらネタのバリエーションが豊かというか、

「次から次へとよくネタが浮かぶな〜」

と感心する系と言う意味で、ちょっと『姫様拷問』も思い出します。

『いっていっぱいいって』より(位置原光Z/白泉社)

アダルト誌の「快楽天」系に比べるとラブコメ誌の「楽園」系は気持ち「ラブコメを意識」しているの、か?気のせいか?という。

面白くてエロいんですけど、あとムラムラしてる男女がなんか一生懸命で可愛いんですよねw

短編集なんで初登場で出番が短いキャラばっかりなんですけど、

『いっていっぱいいって』より(位置原光Z/白泉社)

なんかお気に入りキャラになっちゃうっていうw

 

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#幼女戦記 29巻 評論(ネタバレ注意)

サラリーマンがリストラ逆恨みで殺されて成仏の際に神に反抗した罰で、近代欧州っぽい異世界、WW1前のドイツそっくりな帝国の魔導師の素質持ちの女児に転生。

『幼女戦記』29巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

戦勝と栄達と安穏な後方勤務を夢見つつ、少佐の階級、エース・オブ・エース「白銀」「ラインの悪魔」の二つ名、第二〇三遊撃航空魔導大隊大隊長として、戦場の空を支配する主人公ターニャ・デグレチャフ11歳。12歳になった。

作画の東條チカ先生は、二毛作で『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のスピンオフ・コミカライズも同時連載で描き始めましたが、力が分散するどころか、なんか却って『幼女戦記』の筆圧も上がってるようなw

『幼女戦記』29巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

ロリおね百合ぃ。

帝国(擬ドイツ)東方に国境を接するルーシー連邦(擬ソビエト連邦)に対する偵察侵入。ターニャたちがルーシー連邦へ侵入を果たしたまさにその時、ルーシー連邦は帝国に対する宣戦を布告した…

北のレガドニア、西のフランソワ、南の南方大陸ときて、お次は東のルーシー連邦。

言わずもがなにソビエト連邦をモデルにした国家。魔導士とはいえたった48人で大国・ルーシー連邦の首都・モスコーを蹂躙。

『幼女戦記』29巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

あまりに強すぎるその力はそれを怖れる他国をより結託させ、ターニャが最も恐れる「世界大戦」への道を加速させていく…

敵国首都への浸透作戦、敵国首脳を心胆寒からしめることに成功した第二〇三遊撃航空魔導大隊を待っていたのは…

という、大作戦成功の後の、今巻は繋ぎの巻。繋ぎの巻ですが、相変わらずド派手な展開。

『幼女戦記』29巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

大国・ルーシー連邦との長大な前線の各所から第二〇三遊撃航空魔導大隊への救援要請が殺到する中、参謀本部から自由遊撃の裁量を任されたターニャの選択は、前線を支える重要補給拠点ながらルーシー連邦軍に包囲され窮地に陥るティゲンホーフ市の救援だった。

味方軍勢の第ピンチに、この作品らしいケレン味に満ち満ちた千両役者の参上からの俺TUEEEE展開。

今巻で前線補給都市であるティゲンホーフ市を救援して、次巻以降はここを拠点に広範な前線を飛び回る展開でしょうか?

『幼女戦記』29巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

ルーシー連邦軍が魔導師部隊を導入していないのがちょっと自殺行為にも見えてきますね。

他、ターニャの孤児院時代の幼馴染が地上部隊の士官として登場。狂言回しとして、なんかすんのかな。

相手がルーシー連邦ということもあって「もう一人の祝福者」の出番がないのと、最近

「後世の記者が十一番目の女神の謎を追う」

エピソードが挿入されないことが増えましたね。

『幼女戦記』29巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

アレ好きなんで、またたまにやって欲しいな。

 

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#ゾンビさがしてます 3巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

『三ツ星カラーズ』『ひとりぼっちの○○生活』の作者・カツヲの新作は、ポストアポカリプスなゾンビもの。

作品テーマ変わりすぎワロス。

『#ゾンビさがしてます』3巻より(カツヲ/KADOKAWA)

13年前、人類社会は通称「あかいひ」を迎え、人口の9割が死亡するかゾンビ化した。

わずかに生き残った人類は都市部を離れて隔離された村で細々と命脈を保っていたが、当時、幼かったり生まれていなかったために「あかいひ」の記憶を持たない新しい世代の若者たちが育ち、都市部を奪還すべく行動を始めた。

アキ、ハル、ナツキは村を抜け出し、古びたオート三輪を駆って旧都市部へと向かう…

という、ポストアポカリプスなゾンビもの。第1話で同じく人間の生き残りの少女、ユウとサクラを拾っての5人旅。

仲間を増やしショッピングモールに立て籠もり武器を作ってゾンビを撃退し、わずかな生き残りたちに邂逅しながら、残された写真を頼りに昔に村を出たアキの父親、そして「あかいひ」の謎に近づいていく…

という、およそゾンビの王道展開要素を全て詰め込んだような、コメディ要素こそあるものの「ゾンビもの」に対して真正面からガップリ四つで取り組むような作品。

『#ゾンビさがしてます』3巻より(カツヲ/KADOKAWA)

シリアスで深刻な展開もありつつも、表紙ヒロインのアキがどこか『三ツ星カラーズ』のさっちゃん的というか、楽天的かつバカパワー溢れるキャラ造形。

線は変わりつつも女の子が可愛いのはそのままで、脇を固めるキャラクターたちもいいキャラ揃い。

自分はホラーが苦手なのと、ゾンビものは絵ヅラが汚くなるのであんま好きではないんですけど、意外と楽しく読めてます。

さて、今巻で完結。

『#ゾンビさがしてます』3巻より(カツヲ/KADOKAWA)

「ええ、もう!?」

というアレっぽい感じ、だいぶ巻いた感じで完結しました。

アポカリプスの謎も一応、示されはしたんですけど、良くも悪くも

「それがどうした」

というか。

ヒロインのアキのリアクションも割りと「それがどうした」でしたよね。

『#ゾンビさがしてます』3巻より(カツヲ/KADOKAWA)

この世界で生きていくことには何も変わりがない、という。

正直、なにかの映画で観たことあるようなオチではありますし、煮え切らなさも感じなくはないです。

が、「死後の世界」を知らない我々の現実のメタファーでもあって、「そういうもんかな」という気も。

『#ゾンビさがしてます』3巻より(カツヲ/KADOKAWA)

「死後の世界」がよくわからなくて煮え切らなくても、「上の世界があるから」「どうせいつか死ぬから」と言って、今日生きることをやめないのは変わらないんですよね、っていう。

エンディング、昔読んだ『ぼくらの七日間戦争』の

「解放区より愛をこめて」

を少し思い出しました。

作者がこの作品で本懐を遂げられたのかどうか自分はわかりませんが、ゾンビものに限らず、

『#ゾンビさがしてます』3巻より(カツヲ/KADOKAWA)

仲間と一緒に「解放区」に立て籠もるシチュは、ロマンがあって少しワクワクしました。

 

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#スーパーの裏でヤニ吸うふたり 4巻 評論(ネタバレ注意)

ブラック労働環境気味な会社で働く40代(前巻で45歳に確定)サラリーマンの佐々木。

日々の唯一の癒しは、会社帰りに寄るスーパーの2番レジ担当、清楚で可憐な山田さんの明るい営業スマイルだった。

山田さん不在で「ファン活」が空振りに終わったある日、喫煙所を探す佐々木を手招きする女。

スーパーの裏の従業員用の喫煙スペースに佐々木を手招きした、後に「田山」という名であることが判明する喫煙者のその女は、「山田さんの同僚」を名乗り、佐々木が山田さんのファンであることも承知だった。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』4巻より(地主/スクウェア・エニックス)

かくして、スーパーの2番レジで清楚で可憐な山田さんの笑顔に癒される佐々木の日常に、その後スーパーの喫煙所でワイルドでジト目で「んははは」と笑う"はすっぱ"な田山さんと雑談するルーチンが加わった。

山田さんと田山さんが同一人物だとも気づかず…

という大人の?未満恋愛ラブコメ。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』4巻より(地主/スクウェア・エニックス)

1巻発売の1週間後ぐらいにタイミング良く一昨年の「次にくるマンガ大賞」WEB部門の1位獲った話題作。

本作で正体を隠しているヒロイン、山田=田山は「すぐバレるだろう」「ちょっとからかおう」と必然性なく軽い動機で正体を隠すことを始めたものの、佐々木が延々気づかないので言い出すタイミングを失って、

「佐々木が未満恋愛で2人の女性に好意を持っているような状態」

「山田=田山のペルソナ間でヤキモチを焼く状態」

など、必然性のない軽い土台の上に、一人二役が織りなす三角関係めいた人間関係の機微やちょっとしたドラマが始まってしまっています。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』4巻より(地主/スクウェア・エニックス)

「山田=田山」の役割分担は、いわゆるSNSの「裏垢」そのもの。バレても世界は滅びないけど、今の居心地の良い関係が壊れるのは怖いよね、っていう。

佐々木の年齢が45歳で確定したので、24歳の山田山とは21歳差。

わかりやすく説明するためのジャンルとしては「未満恋愛ラブコメ」に分類されるべきなんでしょうけど、描写を見ると作者はまだ2人の関係にラベルを貼りたくないのかな、という感じもします。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』4巻より(地主/スクウェア・エニックス)

さて。

4巻まででちょっとずつ脇役を増やしつつも、タイトルがタイトルなので群像劇にはあんまりいかず、という感じ。

主人公の二人にスポットを当てつつ、二人の年齢の割りには(失礼)未満ラブコメをじっくりやってます。

居心地の良い関係に安住して互いに癒しを得つつ「この関係が失われるのは怖いなあ」と思っているのも相変わらずですが、

「相手には客としか思われていない」

「相手には推し店員としか思われていない」

「相手にはタバコ友達としか思われていない」

とも互いに思いつつも、

「自分は相手のことを異性として好きかもしれない」

と4巻にしてようやく自覚が、二人ほぼ同時に芽生え始めました。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』4巻より(地主/スクウェア・エニックス)

互いに成人の独身同士で一見「恋の障害」はないように見えて、

佐々木には「自分はだいぶ年上のおじさんだ」、

山田山には「自分は佐々木に嘘をついている」、

という引け目があって、年齢の割りには(失礼)ここからが長そうでもありますね。

大人になってもというのか、大人になったからこそというのか、「勇気を出すのが怖い」というより「今の関係を壊すのが怖い」というか。

特にこの二人の社会的なつながりはだいぶ細く、互いの好意以外の必然性がない関係ですし。

「自分が佐々木の立場だったら」と考えると、好意を自覚しても伝えないだろうなー。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』4巻より(地主/スクウェア・エニックス)

という、いい歳して(失礼)未満恋愛なじれったさを楽しむ漫画です。

今巻も、良い。

 

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#ドッグスレッド 1巻 評論(ネタバレ注意)

『ゴールデンカムイ』で大ブレイクを果たした野田サトルの新作。

自分はこの漫画は連載は追わず、単行本派で行こうと思います。

『ドッグスレッド』1巻より(野田サトル/集英社)

中学生の少年・白川朗(しらかわ ろう)は、フィギュアスケート選手として将来を嘱望されていたが、全日本ジュニア選手権の直前に、コーチ役だった母親を交通事故で喪う。

しかし、臨んだ全日本ジュニアでは驚異的な逆転劇で優勝。

にも関わらず、スコアと優勝を告げられたリンクで、椅子をリンクに投げ込み、スポンサーボードを破壊し、ライバル選手を殴る、狂ったような謎の大暴れを見せ、フィギュアスケート界から追放される。

ついたあだ名は「狂犬王子」。

『ドッグスレッド』1巻より(野田サトル/集英社)

母を喪い、フィギュアスケーターとしての将来を失った朗は、双子の妹・春名(はるな)とともに、母親の実家・北海道は苫小牧の祖父のもとに身を寄せる。

苫小牧の地元の中学校に通い出した朗は、ひょんなことから人数不足の弱小アイスホッケー部の助っ人として試合に臨むことに。

対戦相手は近隣の、全国レベルの強豪チームだった…

というアイスホッケーもの。

『ドッグスレッド』1巻より(野田サトル/集英社)

『ゴールデンカムイ』の前にヤンジャンで描いて打ち切られたアイスホッケー漫画『スピナマラダ!』(6巻完結)の、セルフリメイク作品とのことです。

ja.wikipedia.org

「『ゴールデンカムイ』をヒットさせたらリベンジでもう一度アイスホッケー漫画を描かせてもらう」

ことが、ヤンジャン編集部との約束だったんだとか。

アイスホッケーは日本においては、存在は知られていてもメジャーなスポーツとは言い難いかと思います。

自分もアイスホッケーのルールも、有名選手の名前も、強豪チームの名前も知りません。

アメリカとカナダでプロリーグ・NHLが盛んで「アメリカ四大スポーツ」の一角なのよね?ぐらい。

マイナースポーツ漫画の系譜というか、

ja.wikipedia.org

サッカーも『キャプテン翼』の1981年の連載開始当時は日本においてはマイナースポーツでしたが、

『キャプテン翼』1巻より(高橋陽一/集英社)

『キャプテン翼』自身の大ヒットが、日本におけるサッカーを国民的なメジャースポーツに押し上げる原動力・立役者になりました。

系譜という意味では、読み切りのバスケ漫画でデビューした後、『カメレオンジェイル』を経てバスケ漫画に回帰、『SLAM DUNK』の大ヒットによって、日本におけるマイナースポーツだったバスケットボールを隆盛させた井上雄彦が歩いた道に

ja.wikipedia.org

似ているようにも思います。

どちらも国民的ヒットを超えて国際的な大ヒットとなった作品、必然、「あの」『ゴールデンカムイ』の野田サトルによる本作『ドッグスレッド』にも期待してしまいますね。

ゲームルールや業界ルールを知らなくても描きようで競技もの漫画を読者が楽しめることも、既に『ヒカルの碁』も示していますし。

1巻としては、「フィギュアスケーター出身」という異才持ちの主人公が、「お約束」とも言える弱小チームに初心者として加入、読者に近い目線の狂言回しも兼ねてアイスホッケーのルールや見どころを伝えつつ、「才能持ちの初心者」である主人公の活躍が見せ場、というド王道のオースドックスな滑り出し。

『ドッグスレッド』1巻より(野田サトル/集英社)

『ゴールデンカムイ』でファンの心を掴み、また連載に至る経緯からも作者の並々ならぬ執念を感じずにはいられず、期待が高いのは当然かと思います。

自分もワクワクしています。

けど、『ゴールデンカムイ』初期の「ツカミ」の

「何をしでかすつもりなんだ、この漫画」

という野放図さを思い出すと、作者のアイスホッケーに対するリスペクトからなのか、「この作品は絶対に失敗したくない」というプレッシャーなのか、どこか硬さも感じなくもないです。

「王道」「横綱相撲」であることを自分に課しているというか。

なにより『キャプテン翼』『SLAM DUNK』のスタート地点と比べると、世間の作者に対する知名度や期待値が段違い。

『ドッグスレッド』1巻より(野田サトル/集英社)

1巻は期待に応えて、「悪くない」どころか「良い」ですが、

「この作者の本領はまだまだこんなものではないだろう」

という意味で、「とても良い」と言うのは、まだ温存していたくはあります。

なぜ『メダリスト』ヒロイン・いのりが焦がれてやまない全日本ジュニア金メダルをドブに捨てるような真似をしたのか、なぜ2010年なのか、なぜ交通事故が起きたのか、フィギュアを断念した双子の妹を配置した意味はなんなのか、など、気になるフックも複数。

「王道スポーツ漫画」として考えると、様々なプレイスタイルのライバルが出揃って、

「対決を見たい」

「朗がコイツにどう勝つのかが見たい」

と我々読者に思わせる、アクの強い生き様や執念を背負ったキャラクターを魅力的に、たくさん描けるところが、『ゴールデンカムイ』で示したこの作家の本領でしょう。

『ドッグスレッド』1巻より(野田サトル/集英社)

なにより、フィギュア仕込みの異色のアイスホッケーのプレイ描写が、先々とても楽しみですよね。

 

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#デストロ016 4巻 評論(ドネタバレ注意)

『ヨルムンガンド』の作者が、日本を舞台に「女子高生殺し屋たちのバトルロイヤル」を描いた『デストロ246』全7巻。

女子高生なのに最強殺し屋! すごい頭悪そう! AQM頭悪そうな漫画大好き!!

の前日譚。

『デストロ016』4巻より(高橋慶太郎/小学館)

タイトルのせいで相変わらず『デストロ』の「0164巻」みたいな、『デストロ016』の4巻。

女子高生・沙紀は、元・海上自衛隊高官・仙崎のオーダーで殺し屋を殺す殺し屋だった。

たくさん殺し屋がやってくるので今日も奴らをぶっ殺すゾ!

という痛快ハードボイルド殺し屋アクション。

あらすじ終わり。

『デストロ016』4巻より(高橋慶太郎/小学館)

『246』でヒロインたちより年長の大人、かつ最強の殺し屋として君臨した「沙紀」の女子高生時代のお話。

女子高生なのに最強殺し屋! すごい頭悪そう! AQM頭悪そうな漫画大好き!!

今巻は、人民解放軍 総参謀部 情報部長で「止まり木」のボスの横浜来訪。

日本刀メインの殺し屋JK(?)登場など、相変わらず

「法律?リアル?なにそれ美味しいの?」

とばかりに趣味性全開なヨコハマ・アサシン・バトル。

『デストロ016』4巻より(高橋慶太郎/小学館)

ついでに「止まり木」の「鳥シリーズ」の殺し屋も大挙来日、を相手に開幕から沙紀が無双するアクション展開。

「止まり木」のボスが何しに来日したのか、何のために「鳥」シリーズと殺し合うのか、相変わらずさっぱりわからない、ストーリー置いてけぼりのアクション!アクション!アクション!バトル!!バトル!!バトル!!

な巻かと思ったんですけど、あーーーーっ!!

『デストロ016』4巻より(高橋慶太郎/小学館)

と、『デストロ246』に続く重大な転機が実は訪れてました、という展開に。

前々巻で『ヨルムンガンド』のキャスパーが出てきた時点で、既に「禁じ手」(?)が解禁された作品ではありますが、前作『デストロ246』の主人公ヒロインも幼少期の姿であっさり登場、沙紀と共闘することに。

もう毎巻毎巻、読者サービスで誰が出てくるかが楽しみになってきましたねw

『デストロ016』4巻より(高橋慶太郎/小学館)

というわけで、闇医者・芳野の生命を狙う関西ヤクザ、ヤクザに雇われて芳野を攫った副業中のシールズ、ヤクザとシールズを追う米軍憲兵、芳野救出に向かう沙紀と幼「オウル」、という、くんずほぐれつの混沌のまま次巻に続く。

沙紀の鼻が「攻撃力全振り」と評する、幼「オウル」の活躍が楽しみやね。

『デストロ016』4巻より(高橋慶太郎/小学館)

それにしても、相変わらず男キャラがゴミのように死んでいくけど、美少女は絶対死なねえな、この漫画w

 

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#からかい上手の高木さん 20巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

中学校の同級生同士の恋愛未満を描いた隣の席ラブコメ。単純な西片くんをいつもからかってくる高木さん。

「××さんがなんとかかんとか」系の、元祖ではないが中興の祖ではあって、同級生純愛ラブコメのジャンルが息を吹き返し、スピンオフも複数抱えてちょっとした産業に。

2021年に小学館漫画賞受賞、アニメが3期、昨年で連載開始10周年、今巻で20巻に到達、そして完結。

『からかい上手の高木さん』20巻より(山本崇一朗/小学館)

「10年、二人を見守ってきた」

と言ったらちょっとおこがましいでしょうw

自分は娯楽として漫画を読んでいただけです。

でも、は〜。ちょっと今、読み終わって感無量です。

「このド日常系の漫画が終わる時ってどんな最終回なのかな」

と想像を巡らしたことがある読者は少なくないと思います。

自分もあれこれ想像を巡らせていたパターンの中で、実際描かれた最終回は想定内の最も平凡なパターンのものでした。

『からかい上手の高木さん』20巻より(山本崇一朗/小学館)

思うに、この「平凡さ」こそがこの作品の真骨頂であり、多くの読者の思春期の思い出・後悔・妄想とシンクロして共感され支持された理由だったのだろうと思います。

逃げ場のない狭い中学校の教室、告白してもしフラれたら、もう前の関係にもは戻れないかもしれない。

こんな風に仲良く会話したりじゃれあったり、できなくなるかもしれない。

大変なリスクです。

なので私たちは高木さんのように、あるいは西片のように振る舞いました。

『からかい上手の高木さん』20巻より(山本崇一朗/小学館)

19巻かけて描かれた、「相手が自分が好きかもしれない証拠」を少しずつ拾い集めながら、同時に「自分が相手を好きな証拠」を少しずつばら撒いて、気づいて欲しい感じ。

「これ、この子絶対俺のこと好きだろ」

と確信した瞬間。

20巻で描かれた、自分が恋をしていることを自覚した後の心の動き。

「あ、俺この子のこと好きなんだ」

と気づいた瞬間。

そして「勇気を出さなければ、時間の流れによってそれは失われてしまうかもしれない」という怖さ。

告白するのも怖いですが、告白しないのもまた、怖い。

『からかい上手の高木さん』20巻より(山本崇一朗/小学館)

平凡な私たち一人一人が個別にバラバラに経験したはずの「未満恋愛」の体験を、受け皿として、まるで集団幻覚のように、最大公約数のように、そして平凡なままに。

花火大会な。私服でな。「もしかしたら会えるかも」って期待したりな。そいで告白とかな。

中学生の二人を主人公にしたラブコメで、相応にプラトニックで健全で、法律的にも教育的にも業界コンプラ的にも、性的描写について何の瑕疵もなく完結しました。

20巻通して一度もパンチラも描かれず、スキンシップとしてはキスシーンも描かれませんでした。

でもこの作者ドエロですよ、やっぱり。

中学生の男女が手を繋いだだけ、その手が描かれているだけです。

『からかい上手の高木さん』20巻より(山本崇一朗/小学館)

10年19巻読んできた二人の関係性の積み重ねもあってか、それをこんなに官能的に感じさせる表現ができるんですね、漫画って。

エッロいなあコレ…

はあ。終わってしまいました。

作者の山本崇一朗は2023年に抱えていた3本の連載をすべて終了させ、3作とも完結巻も出揃ってしまいました。

自分は、山本崇一朗をもって「漫画界の頂点」だとは思いませんが、「漫画界における唯一無二」の、替えの効かない紛れのない天才の一人なんだと、今巻を読んで思いました。

今後のご予定は存じ上げないです。

新作の構想に期するものがあるのかもしれないですし、正直ちょっと読んでるこっちがドン引きするぐらい働きすぎだったので、ゆっくりされるのかもしれません。

いつかまた新作を読めることを楽しみにお待ちしています。ありがとうございました。

『からかい上手の高木さん』20巻より(山本崇一朗/小学館)

はあ。『高木さん』が終わってしまった。

ちょっと寂しいけど、でも満足だ。

 

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FSS (NT2024年2月号 第19巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。

「第6話 時の詩女 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー Both3069」。

扉絵コミで13ページ。

前々号から「第19巻相当」としているのは特に根拠はなくて、

「なんとなくそんな感じかな」

という感じです。

  

他の号はこちらから。

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以下、宣伝と余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)

17巻の感想をまだ書いてなかったので書きましたけど、17巻の感想は全然書いてません。何を言っているの?

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あと年末に読んで面白かった漫画のまとめ記事を書きました。

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あと年明けに漫画以外の良かった買い物まとめを書きました。

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あと今月は久しぶりに、公称発売日より1日早い1/9(火)の昼に、定期購読で月刊ニュータイプが届きました。関東から遠い宮崎県なのに。

サンキューKADOKAWA! 定期購読、いいね!

store.kadokawa.co.jp

みんなも月刊ニュータイプ、定期購読しようZE☆

 

(扉絵)

「永野護デザイン展」に関する情報公開テキスト、エストと作者自画像のツッコミ&開き直りの漫才イラスト。

その他、扉絵前にMk2のレジンキットの広告が1ページ。

本編後にもLEDとZAPのカラーイラストを添えた見開き2ページを使って、「永野護デザイン展」の諸元情報のテキスト類。

 

(本編)

円卓の騎士たちの列の中からジークが登場、元老たちに口上を述べ、護衛に指名したクリスティンのみを伴ってダイ・グの病室へ。ダイ・グに心境を述べ、ある人物から託されたある「アイテム」を取り出す。

「『花の詩女 ゴティックメード』のトリハロンとベリン、ついにその名前が連載本編に……!」(ニュータイプ2024年2月号より)

 

(所感)

扉絵

「デザイン展」に関する永野護本人の意気込み肉声をスタッフが細々した情報を加えて清書したっぽい雰囲気。

末尾の「デザインズ7」のとこだけは本人が直接書いたっぽいですね。

エストの「ちゃんと見るのに3回くらい行かないといけなくない?」というツッコミに対して、作者自画像は「夏に発売できるかも?な18巻の作業中」とのこと。

まあ開催まで1ヶ月切るところですし、当然「デザイン展」に関してはもう作者本人の手は離れてるんでしょう。

 

デザイン展について

eplus.jp

・開催初日(2/10・土)から3日間のみ、日付指定チケット(先着順販売)で入場 

・開催初日(2/10・土)に別ホールで、

 -映画『花の詩女 ゴティックメード』の上映会

 -トークショー(NT誌によると「永野護、川村万梨阿、井上伸一郎(予定)」

 ※チケットは抽選販売

会期途中から「図録:展示作品収録画集」を販売予定

 去年の新潟のお三方の再現ですね。

ちょっと気をつけないといけないのが

・2/10の、展示会入場チケットと、トークショー&上映会のチケットは、別っぽい?

 ので、展示会のチケットだけあってもトークショーは観れないし、トークショーのチケットだけあっても展示会には入場できないっぽいのかなコレ。

ので、初日に行く人が

「2/10は展示を観てトークショーも観るぞ」

 と思ったら、両方のチケットGETしないといけないんですかね。

更に、

・展示会入場チケットは再入場不可

・展示会場は10時〜18時

・トークショー&上映会は13時〜15時過ぎ

なので、運よく抽選でトークショーのチケットGETできても

「2/10は10時から展示会、13時からトークショーと映画、15時過ぎからもう一度展示会を観るぞ」

と思ったら、トークショーのチケット以外に展示会入場チケットが2枚要りますねコレ。

なので2枚買いました。

トークショーのチケットGETできなかったら2枚も要らないので、1枚誰かにあげるか、それか当日までにどうにかFSS好きの彼女作って2人で行くわ。

なお、「図録販売は会期途中から」とのことで、

「図録が欲しかったら会期後半に行かないといけないのかなあ」

と当初思ってたんですが、

会場に足を運びさえすれば、事後に購入できるチャンス(通販購入権)が設けられるようです。

会期中に宮崎から所沢に、2回も3回も行くのはさすがしんどいwので助かる。

なお、NT誌の次号の公称発売日はデザイン展開幕の直前、2/8(木)とのことです。

 

ジーク

前号の感想で「春闘みたいw」と書きましたが、アレね。

団体交渉の途中で突然、労働組合側から

「実は敵対的TOBで新しく筆頭株主になって議決権独占してる、ジークさんです」

って紹介されて

「はじめましてこんにちわお前らクビ」

って言う人みたい。

「春闘」から流れるように「買収された株主総会」にw

ただこれ、「正当な権利」というよりは、どっちかというと「立憲君主制を旨とする帝国国家の制度バグ」ですよね。

サイレン・ザ・グレート(トリハロン)が意図的にこの制度バグを帝国に仕込んでいたとすると、彼は立憲君主制・議会政治の限界がくることを、あらかじめ予見していたことになりますね。

あるいは、詩女の未来視からの助言によるものか。

襟元、ナイトマスターの紋章?と、フィルモアのマークと、このシュペルターマークのような、そうじゃないような紋はなんでしたっけか?

 

元老たち

ジーク、まだ

「朕である!!(クワッ」

しかしてない時点で「ビクゥッ」ってもう心折れてるけど、なんなんお前ら。

ケツのリモコンバ○ブの電源入れられたみたいなリアクションですけれども。

ジークの顔がよっぽど怖いのか、声がよっぽど怖いのか、名前がよっぽど怖いのか。

だからこそ、度々暗殺を試みたのか。

アドーやティルバーなどの元老を

「皇帝に代わって帝国の暗部をあえて担う切れ者たち」

と過大評価してた時期が自分にもあったんですけど、アレね。

陰謀しか能がないくせに、それだけ警戒していたジークに謀略戦でここまで外堀埋められてることが完全に寝耳に水の、割りとボンクラさんな終わり方でしたね。

まあFSSのやられ役って、割りと最後あっさりしてるよな。

 

あの名

「サイレンじゃないの?」

と思ってたら、違ってて、見たこと・聞いたことはあって、確かに古い名なんだけど、正直なんかあんまそんなピンとこんかった。

まあフィルモア人じゃないしな俺。

まあ、ここで

「サイレンである!!」

つってもアドーから

「それさっき俺が訊いた時お前『クワッ』ってなって話そらして無視したやん…」

ってなるしな。

 

ダイ・グ

生きてて健康なら、病臥するダイ・グの側に居て然るべき、チャンダナが居ない…

 

特徴的な目をした少女

はいー、ワスチャの旦那候補レースからジーク脱落〜。

フィルモア皇帝と詩女の「運命の恋?」、三度目の正直、成るか。

成れば、天照の星団大侵攻に対抗し得る大同盟に繋がる、ビッグカップルですが…

(カラミティが無くなるまでは)

あとカイエンの血と、パルスェットの血?が、更に後世に繋がる可能性もわずかに。

 

フンフト

でもジーク前に死にかけた時に中に入ってたサイレン出てきたよね。

アレもテンパった璃里と読者が見た幻影なんかしら。

 

手紙

この手紙が、『花の詩女 ゴティックメード』の、真のエピローグかもしれないですね。

ベリンがああ見えて

「トリハロンチャン☆に攫われて(爆)一緒に温泉旅行♨︎とか行きたいナー(核爆)、ナンチャッテ(^_^;」

とか、おじさん構文丸出しの手紙が出てきたらどうしよう。

そもそも手紙の封筒が未だ封蝋された状態なんですけど、これジーク中身まだ読んでなくね?という。

たぶん「ベリン→トリハロン」の手紙のオリジナルではないと思うので、フンフトやトリハロンはさすがに読んでると思うんですが。

 

あと、この章のタイトルコールのクリスティンが、未だ影が薄いですね。

剣聖・強天位・小天位・黒騎士などの称号に次いで並び称される称号の割りには、強キャラ感も正直やや薄いまま、ここまで来ちゃいましたが。

 

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