#AQM

あ、今日読んだ漫画

#BEAST COMPLEX 4巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

完結済みの『BEASTARS』の、世界観を同じくするスピンオフ短編集。

『BEAST COMPLEX』4巻より(板垣巴留/秋田書店)

なんかサブスクでアニメの最終章やってるらしい広告をどっかで見ました。

そのプロモーションも兼ねて、『SANDA』も完結して手が空いてるし、という感じかな。


第20話 クロヒョウとラッコ

クロヒョウ男の職場の同僚は、陸上生物と死生観が異なる海生生物・ラッコ男。

ラッコ男は優秀だったが、海生生物特有の習慣、魚食を職場の同僚たちから気味悪がられていた。


第21話 シマウマとホワイトタイガー

『BEAST COMPLEX』4巻より(板垣巴留/秋田書店)

シマウマ女はマッチングアプリでシマウマ男を求めたが、待ち合わせ場所で出会ったのは同じ白黒の縞を持つ、ホワイトタイガー男だった。


第22話 ヘビとネズミ

看護師のヘビ男は、末期がん患者のネズミ男の病室を担当している。


第23話 オオカミとイヌ

他人の匂いで情報を集め尾け回すストーカー気質の習性を持つイヌ男は、オオカミ女の匂いに魅せられ、彼女を尾行、生活を監視する。


第24話 イグアナとペンギン

『BEAST COMPLEX』4巻より(板垣巴留/秋田書店)

アル中気味で職場からも恋人からも見放されたイグアナ男は、ひょんなことからビールを貯蔵するための大事な冷蔵庫で、ペンギンの赤ん坊を育てることに。


第25話 ウサギとオオカミ

オオカミ男と大恋愛の末にカップルになり、大学生になって半同棲中のウサギ女の悩みは、

「3年も付き合って半同棲もしてて未だに『エッチゼロ』なことだった」


やっぱ面白いな、この短編集、っていうw

『BEAST COMPLEX』4巻より(板垣巴留/秋田書店)

本編連載時は「社会問題であるジェンダーや人種や暗喩」である証拠を探すような読み方をしてしまっていたんですが、あらためてこうして続編短編集を読むと、もっとシンプルで普遍的な広範な、

「異なる者同士」

という箱庭のバリエーションを、動物の特性と漫画のキャラ付け、

『BEAST COMPLEX』4巻より(板垣巴留/秋田書店)

それの組み合わせを作者が想像して楽しんで描いてるだけだな、という気がします。

私と違うあなた、あなたと違う私、ただそれだけ、的な。

第25話は第12話と同じく、本編の主人公たち、レゴシとハルの後日談です。

なんだか懐かしい友人と再会したような、面映い気分になるものですねw

『BEAST COMPLEX』4巻より(板垣巴留/秋田書店)

またいつか「続きの後日談」を読めると嬉しいです。

 

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#チェンソーマン 19巻 評論(ネタバレ注意)

父親の借金を背負って臓器を売りながら生き延びてきた野良犬少年デンジ。

『チェンソーマン』19巻より(藤本タツキ/集英社)

悪魔ポチタとコンビを組んでヤクザの下で搾取されながら悪魔狩りを営むも、ヤクザが悪魔に乗っ取られ絶体絶命のピンチ。

ポチタと融合してヤクザを皆殺しにしたデンジは、チェーンソーの悪魔として公安幹部の美女・マキマにスカウトされ、美少女魔人・パワーと組んで公安デビルハンターとして悪魔と戦う。

悪魔との戦いを通じて知己や友人を得て、そして喪って、裏で全ての糸を引いていたマキマをすら打倒して、あれほど渇望した愛をささやかながら与える側になったデンジ。

第一部・完。

作者の数本の読み切りを挟んで約1年半ぶりの連載再開、第二部開始。

『チェンソーマン』19巻より(藤本タツキ/集英社)

同じ世界観で新キャラを主人公のように扱って、従来の主人公のデンジをはじめ旧作のキャラが登場しない導入、からの満を持してのデンジ登場。

「黙示録の四騎士」と称される「戦争の悪魔」「飢餓の悪魔」が登場、「死の悪魔」は未登場。

いろんなキャラがチェンソーマンたるデンジに、やれ戦え、やれ戦うな、やれ崇拝する、やれ軽蔑する、やれニセモノ登場、とデンジ本人の意思をよそに策謀し、あるいは妄動する展開。

「ナユタと犬猫と穏やかに暮らして、あわよくば女とセックスしたい」

以外なにも考えてないデンジが、世界を救ったり滅ぼしたりしたいいろんな勢力に迷惑かけられまくる展開に。

『チェンソーマン』19巻より(藤本タツキ/集英社)

ストーリー的には、力を秘めてはいてもただの「状況の被害者のデンジ」がいろんな勢力から一方的に被害を受け続け、反撃と復讐の動機が練られていく曇らせ展開中。

逃げた、捕まった、助けたは、正直作者の匙加減というか都合で、あらすじ的には

・ナユタとはぐれ、ナユタはピンチに陥って以降、消息不明

・デンジはアサ、キガ、サムライソードたちと一時休戦して行動を共にしつつナユタを探す

『チェンソーマン』19巻より(藤本タツキ/集英社)

前々巻、17巻の感想でこんなことを書きました。

奇しくもデンジと同じ名前を持つ特撮ヒーローもの『電子戦隊デンジマン』の主題歌にこんな一節があります。  

小さな命を守るため 愛と勇気の炎を燃やす

ああ電子戦隊デンジマン (TVサイズ)

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漫画や特撮のヒーローの暗黙の条件はこの「小さな命を守る」ことです。

「小さな命」は具体的には子ども、特に幼女ヒロインと、犬や猫などの愛玩動物です。

世の中には

「犬が死ぬなら、その映画は観ない」

という層が一定数いて、本作今巻の展開でも

「犬や猫が犠牲になった(守れなかった)ので読むのをやめる」

という読者の意見を、連載時のネットの感想でいくつか見かけました。

しょうがない。

そういう意味で「小さな命」を守れなかったデンジはヒーロー失格で、守らせなかったこの作品は「ヒーローもの」失格です。

ただ、「ヒーロー失格」も、「それに慟哭するヒーロー」も、「ヒーローの暗黙の条件なんかぶっ壊す」も、「最初からヒーローものなんか描いてません」も、いずれもこの作品らしい話だな、とは思います。

デンジマンじゃなくてデンジですし、デンジが『デンジマン』主題歌のフレーズを律儀に守る義理もないですし。

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「ジャンプ漫画なんで生き返っても全然不思議じゃない」

は一旦置いといて、結局「幼女ヒロイン」も守れませんでした。

今巻読んで思ったんですけど、イカれ主人公の代表格のように扱われてきたデンジ、「ヒーロー失格」以前にめっちゃ普通ですねw

『チェンソーマン』19巻より(藤本タツキ/集英社)

むしろデンジが一番まともで普通w

デンジに憑いた悪魔がチェンソーの悪魔じゃなければ、公安職員として1巻で死んでてもおかしくないぐらい、「普通の男の子」。

ヒーロー願望はあっても、動機は「モテたい」という、あまりにも普通。

面白いんだか面白くないんだかよくわかんないというか、このあと面白くもつまらなくもなりそう、という感じですけど、無軌道で衝動的でそれでいて普通で、自分は楽しく読んでるし大好きです。

『チェンソーマン』19巻より(藤本タツキ/集英社)

だよなw

あとデンジには悪いけど、第一部で一度やってるとは言え、「チェンソーマンの能力の謎」に及ぶとやっぱり面白いな、と思います。それを期待しちゃうってのは、ある意味、公安や協会と同罪なんですが。

問題は、1巻でデンジが公安職員のMOBとしてしなかかった原因、

「なんでチェンソーの悪魔はデンジを選んだのか」

に終息していくのかな。

あと全然くだらない話ですけど、前巻の表紙って

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「イェーイ」と「遺影」が掛かってんですかね。

 

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#ラーメン大好き小泉さん 12巻 評論(ネタバレ注意)

転校生の寡黙で不愛想な美少女・小泉さんはすごくラーメンが好きだった!

ワトソン役のクラスメイトの少女・悠はクレイジーサイコ百合だった!

あらすじ終わり。

『ラーメン大好き小泉さん』12巻より(鳴見なる/秋田書店)

女子高生がラーメン食ってるだけの漫画も12巻。1年半ぶりの新刊。

1年半の間に、出版社について竹書房から秋田書店に移籍、月刊少年チャンピオンで連載し、この12巻も秋田書店から。

過去の1〜11巻も秋田書店から再出版とのことです。版元の変更ですね。

過去巻から新刊に至るまで、商品タイトルに「【秋田書店版】」の文字、

「間違えずに絶対にこっちを買ってください」

という強い意志を感じる。

自分は作者のTwitterもフォローしてて事前に知っていたし、今巻のあとがきでも「移籍しました」報告はありましたが、「なぜ移籍を選択したか」は特に説明ありません。

『ラーメン大好き小泉さん』12巻より(鳴見なる/秋田書店)

作者が読者に事情を説明せず、「助けてください」とも言っていないし、

・竹書房版はkindleでも販売終息しているが、購入済みの竹書房版は引き続きダウンロードと閲覧が可能(自分の環境で確認済み)

・秋田書店版の1〜11巻は竹書房版からの微修正のみ、大きな変更なし

とのことなので、基本的に我々読者に悪影響はなく、故に説明する必要もない、関係ない話かな、と自分も思います。

ゴシップ・野次馬的な無責任な好奇心を除けば、読者が気にすることでも、詮索することでもないかな、と。

なので、

『ラーメン大好き小泉さん』12巻より(鳴見なる/秋田書店)

「同じ食材(漫画家)でも活かし方は店(出版社)によって多種多様」

とか余計なこと考えるのはやめときましょうw

秋田書店に移籍して刊行ペースが劇的に落ちたり高価になったりしたらちょっと困っちゃうけど、漫画が劇的につまんなくなったら、読むのやめりゃいいだけの話ですし。

あとは強いて言えば自分みたいな感想ブログ屋は、過去巻のアフィの貼り直しですかね。

表紙のデザイン事務所も変更なしとのことです。

『ラーメン大好き小泉さん』12巻より(鳴見なる/秋田書店)

ということで、出版社移籍後の1冊目。

同じ作者の同じ作品の続き、出版社移籍で急に劇的につまらなくなったり、急に劇的に面白くなったりは、まあ、普通しません。

相変わらずクールで可愛い女の子が美味しいラーメンを美味しそうに食べる漫画です。

自分は電書で読んでますが、各エピソードのラーメン登場(登場?)シーンの作画がカラーなんですがこう、花が咲いたようというか、華というか。

ラーメンのビジュアルがヒロインたちよりよっぽど手間かかってて、作品の華ですね。

『ラーメン大好き小泉さん』12巻より(鳴見なる/秋田書店)

本当に美味しそう。作者、どんだけラーメン愛してるんw

自分も中年男性のご多分に漏れずラーメン大好きなんですが、中年男性のご多分に漏れず人間ドックのイマイチな結果と医師の指導を受けてただいま絶賛ダイエット中。

ここ1ヶ月、会食を除くと朝はシスコーンと牛乳、昼はおにぎり1個とサラダ、夜はおにぎり1個と蒸した鶏胸肉とブロッコリーという食生活で5kg体重落としたところで、ラーメン一度も食ってない。

こんな漫画、目の毒だったらありゃしない。

でも自分もラーメンを美味しく食べながら生きていくためにも、健康でいなくては。

週に一食だけ食いたいもんを食う自由を自分に与えているんですが、

『ラーメン大好き小泉さん』12巻より(鳴見なる/秋田書店)

来週の「自由枠」は絶対ラーメンにしよう…

 

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#ローカル女子の遠吠え 11巻 評論(ネタバレ注意)

勤勉ながらデザイナーの仕事に適性を見出せず、東京から地元の静岡にUターン転職した有野りん子(27)。

『ローカル女子の遠吠え』11巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

仕事をバリバリこなしメロンパンも肉まんもバリバリ食って「メロンパンはそんな音しない」と周囲を心配させる学級委員長タイプの女を待っていたのは、東京と地方の価値観のギャップと懐かしい「しぞーかあるある」だった。

なんだか可愛い静岡ご当地社会人4コマ。

気がついたら登場人物がすごく多くなりましたけど、キャラ立ってるので覚えやすいし忘れても読んでるうちに思い出せる上に、極端な話その辺に置いてあった「まんがタイム」を手に取って初見で途中から読んでもちゃんと面白い、というザ・4コマ漫画。

『ローカル女子の遠吠え』11巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

ご当地あるあるネタと、個性的な登場キャラたちの絶妙なミルフィーユ?アルマーニ?マリアージュ?トリアージ?的なそういう感じです。

主要キャラはおおよそ立派な社会人のアラサーたちで「女の子」「男の子」って歳でもないんですけど、女の子も男の子も読んでてみんな可愛いんですよねw

この漫画目当てに「まんがタイム」の電子書籍定期購読してます。

comic-fuz.com

新刊発売と同時に新号も今日発売で、ダブルで嬉しい。

『ローカル女子の遠吠え』11巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

穂垂主任かわゆすなあ。

ギャグコメの「系」としてはシュール・ナンセンス系ではなく、「(静岡/社会人)あるある」を絡めてボケてきっちりツッコむ、クラシックでオーソドックスなスタイルですが、「オチのためのフリ」を全然感じさせない、滑らか・スムーズな前フリからのオチへのライン。

「ネタ強」というか「ストロング・スタイル」な面を持つ作品。

ですが、そんな漫画家の先生には不本意な褒め言葉かもしれませんが、「キャラ漫画」「萌え漫画」として最強に強まってもいる作品。

『ローカル女子の遠吠え』11巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

前巻からちょうど1年ぶりの新刊ですが、その間に自分は久しぶりにクルマ買ったんですけど、東京に行く用事があったので、行きも帰りも途中で静岡も新東名で通りました。

「静岡は横に長い」ってよく言うし今巻でも言ってましたけど、新東名走ると

youtu.be

「わ〜、120km/h区間や〜」

のエンタメ性であっという間に感じました。

道中、新東名から富士山が見えて、

古来から日本を象徴してきた霊峰を見て走りながら、自分はずっと水馬さんのことを考えていました。

水馬さんの聖地巡礼。これはもしかしたらガチ恋かもしれん。

りん子さんが富士山登ってしまったら、この漫画やり残したことがなくなって終わっちゃうんじゃないかと常々危惧していたんですが、今巻、水馬さんの熱意が実ってついにりん子さんが水馬さん・ハッチ・雲春くんと富士山登頂に挑む!

その顛末やいかに。

『ローカル女子の遠吠え』11巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

その訴訟、俺も原告団に加わりたいッス。

『ローカル女子』は終わってしまうのか。(終わってません

あと特別編で超重力式ダム子が源平合戦さんとついに邂逅。

邂逅自体もエモくて可愛いんですけど、ダム子のモノローグ・ポエムがまた、良いんですよね。

なんだか読んでるこっちまでダムが好きなような気がしてくる。

『ローカル女子の遠吠え』11巻より(瀬戸口みづき/芳文社)

ダム、行くか。

 

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#アオのハコ 18巻 評論(ネタバレ注意)

週刊少年ジャンプ、本誌連載の青春恋愛漫画。

中高一貫校、バドミントン部の1年のホープ・大喜(♂)と、同じ体育館で練習する女子バスケ部の2年で学校のアイドルで大喜の憧れである千夏先輩(♀)。

部活違い・学年違いながら、早朝自主練で千夏先輩と言葉を交わすようになった大喜が、ある朝自宅で目覚めてリビングに降りると、そこには千夏先輩の姿が!

千夏先輩は親の海外転勤に際してもバスケの夢を諦められず、バスケ部OG同士の母親同士のツテで大喜の家に下宿することになった。

という同居設定の青春恋愛もの。

『アオのハコ』18巻より(三浦糀/集英社)

コメディ要素ももちろんありますが、成分比的にラブコメ作品じゃないですね。青春恋愛もの。

千夏先輩のバスケにかける覚悟を知った大喜は、彼女にふさわしい男になるべく、自分もバドミントンでインターハイ出場を目指すことに。

新体操部の期待のホープで大喜の幼馴染で片想い中のサブヒロイン・雛を交えた片想い三角関係。王道のメロさ。

図にするとこうなる。

    雛→(好き)→大喜→(好き)→千夏先輩

12巻で大喜と千夏先輩がくっついて、13巻で人間関係に与えた余波も描かれ、「未満恋愛もの」から「おつきあいもの」にクラスチェンジ。

『アオのハコ』18巻より(三浦糀/集英社)

恋愛・ラブコメ漫画の「くっついた後」というのは昔は割りと鬼門、というより「くっついたら最終回」がお作法でしたが、近年は「くっついた後」を描く作品も増えました。

大喜の高2、千夏先輩の高3の夏の終わり。

大喜のインターハイ本選の途中で終わった前巻の感想で

千夏先輩が応援に来れない大喜の高2のインターハイ、どうなるんだw

優勝しちゃったらどうするんだw

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と描きましたが、あっさりと。

この作品にとっての競技描写ってなんなんだろうというか、そこを描きたい作品じゃないんですね。

『アオのハコ』18巻より(三浦糀/集英社)

相変わらず全国の強豪たち、特に来年の夏に大喜のライバルになりそうな県外の高2の強豪とか、まったく描かれず。

針生先輩も引退した後、大喜の競技上のライバルになりそうなのは遊佐兄弟ぐらい。この後またライバル新登場したりは、特になさそうかな。

バド部のインターハイも終わっての打ち上げ旅行は、男バスのキャンセルで空いた海辺の宿。

そこにはウィンターカップでの雪辱を期す女バスが合宿を張っていて、しかも期間中に千夏先輩の誕生日があった。

そして大喜と千夏先輩の仲をもう知っているバド部と女バスの部員たちは、二人にめっちゃ気を遣ってくれていた。

『アオのハコ』18巻より(三浦糀/集英社)

ということで、漫画自体が「インターハイお疲れ&ご褒美巻」という感じの、夏の海を舞台にしたピュアめな甘々イチャラブ&水着回に。

読んでる間に鏡やスマホやディスプレイの反射に映る自分の顔を見ちゃわないように気をつけましょうね。

たぶんめっちゃニヤニヤしててキモいですよ。

ここ何冊か、スポーツ面が全面に出た禁欲的な巻が続いたもんなあ…

そう言えば、「ハコ=体育館」と明示されたのは今回が初めてですっけ?

『アオのハコ』18巻より(三浦糀/集英社)

「アオのハコ」=「共に青春を過ごした体育館」なら、卒業して千夏先輩がハコからいなくなった後に尺を取るとも思えず、ウィンターカップが終わって千夏先輩が高校卒業するタイミングで、エピローグを経て作品完結かなあ。

前述のとおり、大喜の高3のインターハイへのライバル伏線キャラとかもいないですし。

描きたいポイントじっくりやる反面、時間が飛ぶ時は結構テンポよく進んじゃうんで、群像劇的な脇キャラたちの恋愛模様と、千夏先輩の両親への付き合いバレと、ウィンターカップと…

『アオのハコ』18巻より(三浦糀/集英社)

大喜が高校入学して作中でまだ1年半弱ぐらいしか経ってないですけど、あれ、完結までの残り巻数って、意外と…

 

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#ELDEN RING 黄金樹への道 7巻 評論(ネタバレ注意)

「死にゲー」で有名なフロム・ソフトウェアのオープンワールド「ライク」な大ヒットアクションRPG『エルデンリング』の公式コミカライズ。

退廃的で陰鬱で重厚な雰囲気の世界観、かつて美しくも陰鬱な「狭間の地」から追われそして帰還した「褪せ人」を主人公に、王を目指して戦う血生臭くダークでシリアスな冒険を描く。

という原作ゲーム。

『ELDEN RING』より(フロム・ソフトウェア)

公式コミカライズはなぜかバカ系ギャグ漫画だった…

『ELDEN RING 黄金樹への道』7巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

なんでだよwww

と思わなくもないですが、原作を「真面目に」コミカライズしようと思ったら、重厚な超本格派のファンタジー戦記としての展開・描写が必要で、なかなか大変だったろうなと思います。暗いシーンが長大に続いてエンタメ性も低くなりそう。

奇策の変化球のようでいて、コミカライズするにあたっては唯一の解のような気もします。

『ELDEN RING 黄金樹への道』7巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

自分は存じ上げなかったんですが、WEB連載開始時のネットの反応を見るにギャグ畑で有名な作家さんらしく、冒頭のシリアスなカラーページを見ても画力もなかなか尋常じゃないですが、描いてる内容は完全にギャグ漫画、ノリとしては『ピューと吹く!シャガー』を彷彿とさせます。

そもそも今更『エルデンリング』の販促にはならないわ、『エルデンリング』プレイヤーしか楽しめないわ、「そもそも誰得のコミカライズだよ」ってのは置いといてw

自分は『エルデンリング』既クリアなので楽しく読めてます。

『ELDEN RING 黄金樹への道』7巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

前巻で中盤のヤマ場「ラダーン祭り」をクリア。

ここ2冊ほどラニの出番がない「ラニ日照り」で、我々「ラニ会」の会員としても寂しい限りだったんですが、表紙の通り今巻は比較的「ラニ巻」。

「ツンデレ」ならぬプンプン怒るラニの「プンデレ」、「クーデレ」ならぬクズなメリナの「クズデレ」、どっちも可愛いですね。可愛いか?

『ELDEN RING 黄金樹への道』7巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

ロジェールの依頼でラニへの臣従を装い、「陰謀の夜」のキーとなる「死の呪痕」の探索。

そのラニの依頼で、ブライヴとのコンビで「指殺しの刃」を求めて永遠の都ノクローンを探索。

その過程でカーリアの城館、スリーシスターズ、セルブス登場&退場、ハイト砦、デクタスの割符の入手、写し身の雫、カーリアの書院、D密室殺人事件などなど。

ゲーム的に考えるとけっこう進みましたね。

と書くと、なんかゲーム実況を観てるみたいですが、まあ実質「褪夫のエルデンリング実況」かw

『ELDEN RING 黄金樹への道』7巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

すごいね、どうなることかと思ったコミカライズ、ギャグコメ漫画としてじっくりやるとこ飛ばすとこのメリハリつけつつ、重要キャラ中心に最後まで描き切りそうだ。

「D密室殺人事件」じっくりやってんの笑う。

ゲームプレイで時間のかかったダンジョン探索はダイジェストで飛ばしがち、印象深かったキャラや名物キャラを中心に、ドラマと事件・イベントに重きを置いたコミカライズ、完結までの巻数がなんとなく見えてきた気はします。

レナラの結末を見るに、比較的キャラに優しいオチに持っていく作風ですが、あのキャラやあのキャラがどんな結末を迎えるのか、

『ELDEN RING 黄金樹への道』7巻より(飛田ニキイチ/KADOKAWA)

少々気が早いですが気もそぞろ。

 

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#モノクロのふたり 1巻 評論(ネタバレ注意)

不動花壱(24♂)は優秀な若手社員として社内で名を馳せるサラリーマン。

思春期までは絵画に夢中だったが、母子家庭の母が亡くなったことを契機に自身と妹の生活のため筆を折り、バイトと仕事に明け暮れて現在に至る。

『モノクロのふたり』1巻より(松本陽介/集英社)

若葉沙織(25♀)は優秀な若手社員として社内で名を馳せるサラリーマン。

漫画家の夢を実力不足で諦めて不動と同じ会社に就職するも、彼が休み時間に手遊びで描いた「らくがき」に感化され漫画の執筆を再開。

ひょんなことから不動に漫画執筆を知られてしまった若葉は、意を決して

「漫画の背景を描いて欲しい」

と依頼、夢を諦めない若葉を眩しく感じた不動はこれを引き受け、果たして二人の「まんが道」が始まった…

『モノクロのふたり』1巻より(松本陽介/集英社)

あらすじにすると1巻はこういう感じ、300字ぐらいで説明できます。

前作もそうでしたが、比較的シンプルな展開に、情念たっぷりな感情表現と描写を乗せて、

「優秀な若手サラリーマンの男女が組んで副業で漫画家志望はじめました」

ってだけの話が、とにかくエモい、という作風。

展開早くてテンポよく、グイグイ進展。

『モノクロのふたり』1巻より(松本陽介/集英社)

社会人になっても諦めきれずに夢に再チャレンジするのも刺さるし、好きで夢中なことは睡眠時間削るのも厭わないシーンも「めっちゃわかる」ってなっちゃう、っていう。

あとがきで作者も書いてますが、それはそれとして皆さん睡眠時間は大事にしましょうね。

若い美男美女と言っていい二人で、お互い独身で恋人もいないっぽいので、恋愛・ラブコメ展開も後々控えてるとは思いますが、今のところラブ要素なし。

『モノクロのふたり』1巻より(松本陽介/集英社)

キャラデザ的に明らかに女性キャラのが気合い入って描きこなれてる、「女の子を表情豊かに可愛く描ける」がアドバンテージな作家なので、今後増えていくキャラは女性キャラ中心かもしれません。

情熱再びの「まんが道」漫画、漫画家漫画ですが、現実だと男女ペアのペンネームの作家って何組か思い出しますけど、夫婦が多いですね。

男女ペアの漫画家漫画ってなんかありましたっけ?

『モノクロのふたり』1巻より(松本陽介/集英社)

二人とも可愛いのでラブコメ展開を見てみたくあるし、「若い男女を狭い空間に置いとけば勝手に恋に落ちる」のも自然だと思いますが、「漫画にかける情熱」ものだとラブコメ要素がノイズになっちゃったりするんかしらん。

「応援したい」という意味ではこれ以上なく応援したい主人公二人ですけど、作品テーマ的に必ずしも「社会的な成功がゴール」とも思えず、プロセス重視という意味では一番最初のデカいハードルを既に飛び越えた二人を、羨ましくすら思ってしまう1巻。

『モノクロのふたり』1巻より(松本陽介/集英社)

「一歩踏み出す勇気」のクライマックスは既にもう過ぎて、漫画にしろ恋愛にしろ今のところ大きな障害もなく「あとはがんばるだけ」の二人なんですけど、「〜するだけ」の話をエモく描写するのがこの作家の真骨頂なのでw

鼻水たらして泣くヒロイン描くんだよねこの人。先々が楽しみ。

 

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#魔都精兵のスレイブ 17巻 評論(ネタバレ注意)

各地に突如出現した門の先に広がる魔都。人を襲う鬼が巣食い脅威となっていた。政府は能力者の女性で構成される「魔防隊」を組織し鬼に対抗。

男子高校生・優希は帰宅中に魔都に迷い込んだところを魔防隊七番組組長・京香に救われる。

彼女の能力は生命体の潜在願望を叶える義務と引き換えに奴隷として使役・強化し戦わせる能力だった。

平たく言うとバトルでこき使われる代わりに勝ったらエッチなご褒美な感じだった。

『魔都精兵のスレイブ』17巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

和月のバトル絵、GS美神の設定とキャラ、ハーレムギャルゲー要素、ジャンプのバトル漫画の定番展開、という感じ。あと乳首!

美少女ばかりの魔防隊に10人ぐらい美少女な組長たちがいまして、使役主によって戦闘フォームを変える便利下僕ファイターな主人公が、順々に彼女たちに貸し出されて共闘しエッチなご褒美をしてもらう、というギャルゲーともエロゲーともつかぬ建て付けで、一巡したらラストバトルになるんかな。

「八雷神」と称される敵幹部を5人まで減らしたところで、魔防隊のトップ「総組長」を選出する「総選挙」に。

『魔都精兵のスレイブ』17巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

バトル&エロが中心のジャンプらしいバトル漫画ですが、今巻は普段と違った興味深い情報がいろいろと。

漫画に現実の事情を当てはめてケチつけるのは野暮というものですが、作品がリアリティのために具体的な情報を出してきた以上、読むにあたって「ケチをつける」ではなくその整合性を想像で埋めつつ真面目に考えたい。

①魔防隊には醜鬼を束ねる八雷神との講和を実質的に決定する権限がある

②魔防隊の意思決定権を持つ総組長は、組長(9人)・防衛大臣・防衛監察官の11人の投票で決定される

「魔防隊とはなんなのか」という話です。


①「魔防隊の八雷神と講和する権限」ですが、その重要性を鑑みると、国家機関・行政執行機関であれば国会の審議を経た立法か、最低限、閣議決定で決まるべき話です。

魔防隊の役割は、八雷神(醜鬼)を犯罪組織と捉えるなら警察、外敵と捉えるなら自衛隊(他国における軍)に相当しますが、警察にも自衛隊にも、犯罪組織や外敵と勝手に和睦・講和する権限はありません。

魔防隊は武力の行使とそれによる抑止力を旨とする武力組織ですが、警察や自衛隊と違って民主国家である日本国の文民統制の埒外にあるようです。

(形式として魔防隊の決定を内閣等が承認(追認)する形式上の手続きはおそらくあるはず?)

総組長選挙の選挙権者に防衛大臣と防衛監察官が名を連ねていることから、防衛省の管轄ではあるようですが、その影響力は「最高権限者選定の投票権の2/11」という、小さいものです。

魔防隊はまず、武力として大きすぎ、権限も巨大で、かつ独立性が高い組織です。


②「魔防隊の総選挙の仕組み」です。

軍や警察のトップは通常、上位の政治家などから任命されるものですが、その候補者選定は組織内の評価・査定によるもので、その過程で合議により決定・内定されるのは珍しくはないと思います。特に魔防隊は「組織・業務の性質上、現場の意見が重視される」と今巻中でも説明されています。

ただ、候補者自身を含むほぼ内輪のオープンな記名投票で最終決定される、というのは相当特殊です。

納税者で主権者たる国民の意思、またそれを体現する政治の意思は、前述のとおりわずか「選定投票権の2/11」のみです。

魔防隊の武力と権限の大きさを考えると、「総理大臣の指名を国会が承認する」ぐらいが妥当じゃないかな、と思います。


①②併せて「魔防隊とはなんなのか」を考えると、「国に所属してないんじゃないか」という気がしてきます。

設立こそ国によってなされ、防衛省が管轄し小なりとは影響力も持ってはいますが、行政・執行機関ではなく、独立した民間組織なんですかね?

桃源郷をはじめとする魔都内の設備類も隊内の能力者によって建設されているようですし、予算に対しても税金投入されてないか、せいぜい補助金ぐらいなんじゃないかな。

「魔防隊」という名称のせいで、自衛隊に類似する国家の行政執行機関のように誤解してしまいますが、実態は日本国政府と協調しつつ自主的に魔都を警備し治安を維持する、民間の「特殊能力者協会」で、日本国政府の「同盟組織」なんじゃないのかな、と。

現実で言えば、装備とスキルを持ち自主的に行政と協調し害獣駆除に当たる民間団体ながら、行政の対応への不満・不信からクマ駆除の依頼を拒否するに至った(そうする自主決定権限を持つ)ことで近年話題の猟友会。

b.hatena.ne.jp

漫画で言えば、同じく選挙が行われる『ハンター』のハンター協会、あれも国家に所属する国家機関じゃなくて、国際自治組織というか国際ギルドですよね。

国家の依頼・要請で国際的に諸国の事件や紛争に介入する独立組織で、ゴンから見たら外国人のハンゾウも普通に会員であるように多国籍だし、選挙で会長決めるし、会長に任命し命令する上位の政治家いないし。

『魔都精兵のスレイブ』17巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

ピリペンコ様による布教(物理

魔防隊の人事権(投票権)にわずかに防衛省が入ってるのは、半官半民的に協調のパイプと監視のためなのかな、と。株主だったりしてw

今回、投票権を持ち会議に参加している防衛大臣・防衛監察官が、残念ながら山城恋シンパのようなのでちょっとわかんないんですけど、例えば山城恋の「八雷神との和睦・講和」の方針に、防衛大臣自身、あるいは防衛省、あるいは総理大臣、あるいは国会、あるいは世論・国民・有権者が反対した場合、何が起こるのかな、というのは大変興味深いです。

最悪、魔防隊と八雷神が同盟して、「現場を理解していない」日本国と対立しますよねコレ。魔防隊と八雷神による、魔都独立。

現に八雷神の降伏自体が遅滞工作・分断工作で、山城恋の「八雷神の降伏を受け入れる」という方針が「反対されるべき誤り」であることが、既に描写されてますし。

『魔都精兵のスレイブ』17巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

魔防隊は、日本国の文民統制においては武力と権限が巨大すぎてチグハグで、意思決定権者を決める人事のプロセスも即断即決を由とする武力集団にそぐわない「非効率と、衆愚と、党派の対立」のリスクを持つ「身内の民主的な人気投票」というチグハグなものです。

チグハグさが二重に重なることで、マイナスとマイナスを掛けたらプラスに転じているように、かえってバランスが取れてるのかな。

現に京香が山城恋の独裁を監視し制約する機能を果たしてるし。

山城恋がまた総組長として特殊すぎて、制度上の仕組みをわかりにくくしている面もあります。

下手したら他の魔防隊全員を合わせたより強くないですかこの人w

組織的な武力と権限、個体としての武力のすべてが最強な上に、総理大臣を目指してるってのも、誰にも止められない独裁者コースでだいぶデンジャラスですけど、政府は基本的に山城恋の能力とカリスマ性に全幅の信頼を置いて、心酔すらしているようです。

『魔都精兵のスレイブ』17巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

リスク管理を考えると、武力も権限も強すぎる山城恋が日本国を裏切って八雷神と手を結ぶ場合に備えて、政府の判断でいつでも彼女を拘禁・暗殺、魔防隊員を拘禁・解体できる仕組みを用意しつつ、総選挙のような機会には対立候補(今回でいうと京香)を抱き込んで肩入れし、山城恋の影響力を削ぐ動きをするのが常道です。

が、山城恋が神を圧倒するぐらい個として突出しすぎていて、

「もう全部、山城恋に任せちゃえばいんじゃないかな!」

状態になるのもわからんでもない。

 

などなど、普段の巻では考えないようなことを考えさせられて、大変興味深かったです。

まあ、こうやって設定の整合性だのリアリティだのについて考えるのは楽しいんですけど、重箱の隅つつい(たつもりになっ)て漫画が面白くなった試しがないというか、漫画の面白さは必ずしも読者一人一人が考える整合性やリアリティに比例するものでもなく、多少の無茶やご都合や「嘘」、「納得いかなさ」があっても、「漫画が面白いこと」の方がよほど大事です。

整合性やリアリティを気にするのは程々にしておきたい、とも思います。

今巻も出番こそ少なくご褒美シーンもなかったけどピリペンコ様可愛かったし、「魔防隊の位置付け」とか「日本政府との関係」なんかぶん投げて踏み倒すことでピリペンコ様の出番が増えるなら、そっちの方が嬉しいし。

『魔都精兵のスレイブ』17巻より(タカヒロ/竹村洋平/集英社)

選挙はまあ、しれっと美羅さんが立候補してるのがキーなんでしょうね。

 

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#ラジエーションハウス 17巻 評論(ネタバレ注意)

幼い頃に、それぞれお医者さんとレントゲンの人になって患者さんたちを助ける約束をした、女の子と男の子。

男の子は約束を果たしさらに研鑽を積み天才的な技量とこっそり医師免許まで持つ放射線技師となり、果たして女医になっていた女の子が務める病院に遂に採用された。

が、女の子は約束どころか、男の子のことさえ憶えていなかった…男の子は平凡な技師を装いながら、女の子を陰ながら支えるのだった…

『ラジエーションハウス』17巻より(モリタイシ/集英社)

というボーイ・ミーツ・ガール・アゲインなラブコメ医療ドラマ。「今日のあすかショー」のモリタイシの現作、原作・監修は別の人。

放射線医と放射線技師の両方が監修に。

脇役女子をうっかり巨乳に設定した結果、監修の手前上、乳袋を描くわけにもいかず、医療着を着ると太って見えて可哀想な事態が発生するぐらいには、監修がしっかりしていてる作品。

今巻、前巻以来の「タスクシフト」に関わる最終1話のあと、ちょっと変わり種に喜劇風なエピが2編。2編目は未完で次巻に続く。

『ラジエーションハウス』17巻より(モリタイシ/集英社)

「当直戦線、異状なし!?」

今夜の当直は、表紙中央のたまきさん、残業で少し居残りが五十嵐くん、ピンチ時の呼び出し対応は技師長。

「今日はきっとヒマですよ」のジンクスか、暴風雨のせいか、夜間のラジエーションハウスには総計60件近くの検査依頼、しかも並行で行われ五十嵐くんが立ち合う手術にもトラブル発生の大ピンチ。

当直のたまき、残業延長の五十嵐くん、呼び出された技師長のトリオは、長くて忙しい夜をトラブルなく乗り越えられるのか。

たまきさんは子との約束を守って当直明けに遊園地に出かけられるのか。

『ラジエーションハウス』17巻より(モリタイシ/集英社)

 

「鏑木の思惑」

甘春先生の側で働き続けたい五十嵐くんは、甘春総合病院に長く勤めたく、そのためにトラブルメーカー体質を改めて同僚とのコミュニケーション重視に目覚める。

出世の芽が見えてきた鏑木先生は、出世した後も配下に優秀なスタッフを揃えたく、無愛想だが能力の高い五十嵐くんに目をつける。

思わぬタイミングで思惑が一致した、あんまり見たことのない組み合わせは、鏑木先生の誘いで二人で回らない鮨屋へ、次いで鏑木先生行きつけのスナックへ。密室のドタバタ劇編、次いで主人公と偉いおっさんの変なペアによるはしご酒編。

喜劇舞台みたいw

『ラジエーションハウス』17巻より(モリタイシ/集英社)

深夜の当直呼び出し、人命もかかっているとはいえキツいだろうに、服がイカつくても嫌な顔は表に出さずに黙々と駆けつけるおっさんたち、かっこいいね。

「肩の凝りと手の運動麻痺」、憶えた。

はしご酒編は完全にコメディ展開ながら、鏑木先生の半生にちょっと思いを馳せてしまいます。

動機が出世のためとはいえ、医者として並々ならぬ努力してきてんだなあ…

『ラジエーションハウス』17巻より(モリタイシ/集英社)

最初の頃はちょいちょい頭が硬くて嫌味なおっさんだった記憶がありますけど、近刊では改心が必要なほどの悪人では決してなく、野心の持ち方も真っ当な人、特にここのところ好感度高い出番が多いですね。

話の流れ的に「そう」はならなそう感すごいですけど、コミュ症の五十嵐くんとのサシ飲みでの面倒見の良さを見てると

「念願かなえてあげてもいんじゃない?」

とちょっと神様に対して思ってしまいますねw

『ラジエーションハウス』17巻より(モリタイシ/集英社)

これは次巻の続きが楽しみ。大丈夫か?

 

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#ミミクリー・ガールズ 3巻 評論(ネタバレ注意)

「兵器と美少女」は遥か昔のブームを過ぎて、ジャンルとして定着した感がありますね。

第三次世界大戦を経た、2041年の世界。

人命尊重・兵器の無人化により戦争の戦死者は減少したが、それだけに制圧・治安維持などの最終局面の白兵戦に投入せざるを得ない人間の兵士は貴重となり、訓練と戦闘経験を積んだ兵士は希少となった。

『ミミクリー・ガールズ』3巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

CoDにフロント・ミッションのやつ持ってくるの、チートだろw

兵士の量より質が求められる時代、合衆国は敵国から秘密裏に押収したバイオテック技術を転用し、熟練の兵士(の脳と脊髄)が衣服を着替えるように義体を着替える「人工素体(ミミック)」技術を軍に適用。

熟練兵が前線で重傷を負っても24時間で戦線に復帰できるシステムを構築した。

チュニジアの作戦で負傷した合衆国の特殊部隊隊員クリスは、作戦終了後にいつものように義体を換装。

しかし、彼が目を覚まして鏡で確認した自分の姿は、ローティーンの美少女のものだった…

『ミミクリー・ガールズ』3巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

という、近未来SFの特殊部隊もののガンアクション。

「ロリータ攻殻機動隊」とでも言うか。

『攻殻機動隊』を洋物化して、SF感だいぶ薄めて、ロリ趣味増し増し、「電脳」抜き、という感じ。

なので「電脳ハッキング」「電脳ジャミング」などの「電脳電子戦」はありまへん。

「パーツの換装」という意味では『ガンスリ』にもちょっと似てますが、あっちと違ってこっちは換装(+投薬)による脳や寿命へのダメージがないっぽい。

『ミミクリー・ガールズ』3巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

美少女の中身はおっさんなので「同世界(美少女)転生」っぽい感じ、見た目は『ごちうさ』。

中身がジジイの奴(おでこ枠)もいるので自然と「のじゃロリ」に。

自然とはいったい。

日本色がほとんどない「洋物」感あふれる展開と描写。

「大統領令嬢救出作戦」が今巻で決着。

大統領が「ジョン・スミス」というアホみたいな名前の設定だった理由も明らかに。

『ミミクリー・ガールズ』3巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

少女の姿となったクリスへの大統領からの直接指令は、ネットでガチめの暗殺予告がなされた大統領の隠し子の娘を、ヨーロッパから合衆国へ護送することだった…

救出作戦の一部始終をテロリストに動画配信されてしまった「彼女たち」について、大統領が打った秘策、そして次なる任務とは。

ということで、ワールドワイドに飛び回る洋物テイストが売りの作品ですが、第2エピソードにして早くも日本編。

ワールドワイドなんでそのうち日本も舞台にするだろうと思ってたど、早かったねw

『ミミクリー・ガールズ』3巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

ガンアクション面でいうと、決着回+幕間回+情報回で次巻に続いたので、前巻・前々巻と比べるとアクションシーンの量は控えめ。

その代わり、物語上?設定上?のちょっとしたサプライズと、あとは「首脳会談」の描写を通じて「第三次世界大戦」後の国際情勢やその裏側が少し明らかに。

空港名からして、日本も大戦の被害を受けたっぽいのかな。

要素を書き出すと明らかに『攻殻』フォロワーで、かつ『CoD』好きっしょ、という、自分と趣味合うねw

ヒキが入って次巻に続く。

『ミミクリー・ガールズ』3巻より(ひたき/あさなや/KADOKAWA)

採点は、アクションシーンが少なかった分、パンツがあまり見れなかったので★3つです。

 

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#邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season12 評論(ネタバレ注意)

マリア悪い顔しとんな。あとスカジャン女子大好き。

高校の「映画を語る若人の部」に入部したプレゼン下手の映子が、毎回好きな邦画を1本トンデモ説明でプレゼンして部長がツッコむ話。

昭和の少女漫画リスペクトな画風。

ネタはほぼ無限に供給され続ける上に、パッションよりも計算で回す作風で面白さも安定して高止まりしてるし、アニメ化・実写化がクッソやりづらいというかほぼ不可能なこと以外は本当に良い漫画作品。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season12』より(服部昇大/集英社)

マリアも作者のペルソナなんで、作者も読破したんだろうと思います。

結構「学究肌」だよね…5万ページ…

「映画のプレゼン」を主軸テーマにした作品ですが、部長と映子の未満恋愛ラブコメを軸に、マリア、ヤンヤンなどの強烈な個性を持つ美少女キャラ、特撮部などがそこに加わる、賑やかで楽しくも羨ましい、優れた青春モラトリアム空間コメディ漫画になっていて、相変わらず映画に詳しくない自分もとても楽しく読めています。

今巻のお題は

・『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝・魔笛 エロイムエッサイム』

・『リゾートバイト』

・『シティーハンター』

・『生きる』

・『ライヴ』

・『RIKI-OH/力王』

・『カラオケ行こ!』

・『砂の器』

・『ゲゲゲの鬼太郎 大海獣』

・『温泉シャーク』

・『(描きおろし)KING OF PRISM-Dramatic PRISM.1-』

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season12』より(服部昇大/集英社)

 

近刊での変化①

あとがきで、「この作品を長く続けたい意向」をたびたび表明されています。正直嬉しい。

面白さがずっと安定して高止まりしていて、ストーリーの縦軸を持たない「青春モラトリアム空間漫画」として実は現役屈指の漫画じゃないのかなと思います。

映画の好みがキャラクターに直結した魅力的なキャラが既に読者に受け入れられ、ラジオのトーク番組などでリスナーからのハガキでお題を提供されるように旧作・新作の映画の話題・ネタが無限に供給され続ける、作家の手腕も相まって相当美味しい建て付けの作品。

「ヒットにしがみつく」とかのネガティブな意味じゃなくて(引き伸ばしもクソもなく『こち亀』型の単話完結ですし)、

「既に面白く、この先も面白い」

目処がついていて、終わらすのもったいないよねw


近刊での変化②

邦キチの「乙女の顔」が描かれるようになりました。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season12』より(服部昇大/集英社)

前までは結構、部長に対する恋愛面の情緒に限っては性愛の概念を理解していない「懐いてる近所の犬」、あるいは「女子高生ロボ」みたいなヒロインだったんですが、今巻だけでも「乙女の顔」を2回記録。

①と似たような意味で、「ラブコメ漫画」としても美味しい建て付け・美味しいポジションの漫画。

ジャンルとしての「恋愛・ラブコメ漫画」、特にメジャー誌の看板ラブコメ作品というのは注目され一定以上売れる代わりに、それぞれに「恋愛観」「ラブコメ論」を抱く、私を含む読者たちからの圧も大変強く、

anond.hatelabo.jp

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「過去のラブコメ史に立脚した上で新たなラブコメの地平を切り拓く」

保守性と革新性を常に同時に求められる求道的な修羅の道で、批判もされがち、炎上もしがちなジャンルです。

「恋愛・ラブコメ漫画」は本分が「恋愛・ラブコメ」である以上、ラブコメ要素の進展が性急すぎても「早すぎる、拍子抜け、もっと読みたかった」と言われ、

『幼稚園WARS』4巻より(千葉侑生/集英社)

かといって進展しなさすぎてもいけない、「長い、じれったい、引き伸ばしてないでさっさとくっつけ、くっついたらさっさと終われ」と言われる、難しい舵取りが迫られます。

特に

「無垢で一途でどこか幼いけどバブみもあって、清楚で聖女で処女だけどなんとなくミステリアスでなんかエッチ、完璧超人ながらほっとけないポンコツ属性やか弱さも併せ持つけど世間的には高嶺の花」

というわけのわからない高い要求をされるメインヒロインが、たびたび批判の槍玉にあがりがちです。

現役で自分が読んでるのだと『僕ヤバ』あたりかな、薄氷を踏むような舵取り。

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中学生の恋愛に「あーでもないこーでもない」と口出ししたり怒ったりするおじさんおばさんがたくさんいます。

対して、映画プレゼンギャグコメである『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』、そんな圧も弱く、ラブコメとして割りと自由です。

サッカーで言うと、360度を敵に囲まれてマークの厳しいトップ下ではなく、スペースに恵まれ180度からしか圧を受けないウィングのポジションで、近年のサッカーではCFと並んで最も得点が期待されるポジションです。何の話。

もちろん「無制限に何を描いても許される」わけではないんですけど、「ラブコメ以外」が作品の本分である以上、少なくとも

「気が向かなければラブコメ要素を描かない、進展させない」

自由があります。

おまけに基本、単話完結で時制も流れない「サザエさん時空」。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season12』より(服部昇大/集英社)

非ラブコメメインの分野特化型の漫画の「ついで」みたいなラブコメ要素、昔から萌えますよね。

話それるけど、ルーク先輩とマリア、対談させたらめっちゃ盛り上がりそうだなw

二人と飲みに行ってずっと話聞いてたいw


近刊での変化③

いつのまにか、エピソードタイトルや目次で、漫画原作の映画についていちいち「(実写版)」の表記を入れるのをやめるようになりました。

もともと漫画原作の実写化映画はこの作品の主要モチーフで、実写化に際するトンデモ改変を面白おかしく語るのは生命線でしたが、映画評論としての「実写化のオーソリティ」としての自覚の芽生えかもしれませんw

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season12』より(服部昇大/集英社)

今巻のシーズン12、連載期間中にあの事件がありました。

あの事件の後に発売された前巻シーズン11の描きおろしを含めて、

「実写化の是非」

「実写化における改変の是非」

「愛される実写化、愛される改変」

を、ハイテンションにギャグをコメディを散りばめながらも、

「押しつけがましくならないように」

「誰かを非難したり傷つけたりしないように」

気をつかいながら提言するエピソードが増えました。

作者に責任があることではないんですが、事件の影響で「実写化」「改変」にネガティブな注目が集まったことは、ちょっとした逆境だったと思います。

が、

「愛する実写映画のために、自分の仕事でできる精一杯をやろう」

という割りと真っ向勝負で真摯で誠実な姿勢が見えて、とても好感をもって読みました。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season12』より(服部昇大/集英社)

長くなりましたけど、作品が長く続きそうで嬉しいし、映子だけじゃなくてヤンヤンもマリアも可愛かったし、紹介された映画は一本も観たことないけど、相変わらず今巻も楽しく面白かった、という話です。

 

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#その着せ替え人形は恋をする 14巻 評論(ネタバレ注意)

何かを暗示するかのように、珍しく表紙でコスプレしていない海夢、まるで原点回帰、1巻か最終巻のような表紙。

『その着せ替え人形は恋をする』14巻より(福田晋一/スクウェア・エニックス)

祖父の弟子として雛人形作りの職人を夢見て修行中も、趣味がなくぼっちな男子高校生(15)と、スクールカースト最上位だけどオタク趣味のコスプレ好きで裁縫下手なギャル(15)のクラスメイトのボーイミーツガール。

ひょんな縁でギャルに衣装の講評を頼まれ、ガチでダメ出ししたら泣かれて土下座で謝った流れで、コスプレ衣装を作ってあげることに。

青年誌に載っちゃった少女漫画というテイで、少女漫画の絵だけどテーマがテーマだけに青年誌のヤングガンガンだけに、着替えシーンやエロコスも多く読者サービス多め。

『その着せ替え人形は恋をする』14巻より(福田晋一/スクウェア・エニックス)

高校生の恋愛未満の男女が主人公のコスプレ青春もの、ということで、テーマがジャンプ+の1年後発の「2.5次元の誘惑」とバチくそカブってんですけど、

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まあしょうがないよねっていう。

割りと熱血少年漫画フォーマットのあっちに対して、こっちは絵も作話も少女漫画的なアプローチで、似たようなモチーフでも出方は違うもんだな、と読み比べてみると面白いです。

アニメ化済の人気作品。アニメも出来物でしたね。

『その着せ替え人形は恋をする』14巻より(福田晋一/スクウェア・エニックス)

初めてのコミケ、「冬コミ編」。

作中作漫画『天命』とその作者「司波刻央」が異様なほどフィーチャーされ、自身の能力と同じく他人への要求も高く完璧主義の作家と、キャラのコスプレを挟んで職人として対峙する五条くん。

クリエイターの終わりのない葛藤と深い孤独と絶望。

準備が終わり、冬コミ本番。

作者入魂の作画と演出による、海夢のコミケデビュー。

その反響、そして五条くんの意外で、不穏な反応。

『その着せ替え人形は恋をする』14巻より(福田晋一/スクウェア・エニックス)

前々巻の感想でこう書きました。

五条くんより海夢の方が難解げな『天命』の本質を掴んでるっぽいのも、ちょっと気になるね。

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前巻の感想でこう書きました。

どうも

「天才コスプレイヤーである海夢の、足を引っ張っている自分」

という絶望の仕方をしているように見えます。

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にわかにギクシャクし始めた、海夢と五条くん。

結局のところ、五条くんの不穏な反応は一体何なのか。

非常に気になるヒキで、今巻。

『その着せ替え人形は恋をする』14巻より(福田晋一/スクウェア・エニックス)

はー…おま、マジで…前巻からの半年間、こっちがどんな…

「はぁ〜〜〜〜〜〜!!?」

って俺が言いてえわ。言うわ。はぁ〜〜〜〜〜〜!!?

そうだよな、最初っから五条くんはこういうこと言いそうな奴だったし、最初っから海夢はこういうことしそうな奴だったし、最初っからこの漫画はこういうこと起こりそうな漫画だったし、ある意味、最初っから約束されたような結末ではあったんだよな。

もはや美しくすらあるわ。納得させられざるを得ないわ、こんなもん。

やられたよ、作者にやられたよ、チキショーめ。

はいはい採点、★5、★5。満点満点。

『その着せ替え人形は恋をする』14巻より(福田晋一/スクウェア・エニックス)

ところで、そろそろ、アレな感じなんですか?

 

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#藤子・F・不二雄トリビュート&原作アンソロジー F THE TRIBUTE 【完】 評論(ネタバレ注意)

現役で実力派で第一線級の漫画家たちによる、藤子・F・不二雄作品群の二次創作短編集。

自分は電子書籍で買いましたが、

「どうしたの?」ってぐらい価格が高くて、

「紙版が豪華装丁か版のサイズがデカいかなんかで、電子版がそれに引っ張られてんの?」

と思ったんですが、16人の漫画家のトリビュート(二次創作短編)+アンソロジー(フェイバリット原作エピ)、併せて32編の短編漫画に、各漫画家のインタビューもついて、kindle版のカウントで

466ページ、通常のコミックス単行本の2〜3倍ぐらいあります。

ただ、藤子・F・不二雄の原作漫画、全作全巻持ってる人にとっては、「各漫画家のフェイバリット原作短編」はコンテンツへの二重課金になっちゃって、不要だったかもしれません。

でも、多くのトリビューターが、選んだアンソロジーをモチーフにしていて、直後に読み比べできるのも楽しい。

一作ずついきましょうか。

 

渡辺航 『ドラえもん』

代表作は

トリビュートは『ドラえもん』の二次創作短編。

『のび太のさがしもの』より(渡辺航/藤子・F・不二雄/小学館)

タイムマシンのキーをなくしてドラミちゃんに叱られるドラえもん。見かねたのび太は…

渡辺版のジャイアン、スネ夫、しずちゃんも出演。

『自転車ペダル』作者らしすぎるシーンに笑ってしまったw 怒ってるドラミちゃん可愛いね。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『どらえもん』より「未来からの買いもの」。

 

高松美咲 『チンプイ』

代表作は

トリビュートは『チンプイ』の二次創作短編。

『エリさま、お料理する』より(高松美咲/藤子・F・不二雄/小学館)

同じ『チンプイ』の料理ネタですが、原作の方(アンソロジー)が狂気じみてて、ほっこりエピの二次創作の方が読んでてホッとします。

これが原作と二次創作の内容が逆転してたら「『チンプイ』をなんだと思ってんだ!」と藤子版の方が怒られそうw

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『チンプイ』より「魅惑のマール料理」。

 

奥浩哉 『パーマン』

代表作は

トリビュートは『パーマン』の二次創作短編。

『Another Perman』より(奥浩哉/藤子・F・不二雄/小学館)

ネットやSNSが隆盛する現代にパーマンがいたら、という奥浩哉ナイズ。

自分も「パー子=星野スミレ」は魔美を僅差で上回る藤子ヒロインのベストガールで「1号×3号」ロマン派カプ厨なので、年頃になったパーマンとパー子、とても嬉しい。

このまま連載してほしい。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『パーマン』より「はじめましてパー子です」。

 

浅野いにお 『ドラえもん』

代表作は

トリビュートは『ドラえもん』の二次創作短編。

『D』より(浅野いにお/藤子・F・不二雄/小学館)

高校生になって孤高のイケメン優等生化したのび太と腐れ縁?なしずちゃんの下校中の追憶。

「別に私、彼女じゃねーし!!」

と若干ギャル化?したしずちゃん可愛い。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『ドラえもん』より「もしもボックス」。

 

高橋聖一 『イヤなイヤなイヤな奴』

代表作は

トリビュートは二次創作というより『イヤなイヤなイヤな奴』に着想を得たオマージュ創作短編。

『今日が地球の最終回』より(高橋聖一/藤子・F・不二雄/小学館)

滅亡を控える地球の命運をかけたラストバトル、その裏側。

キャラや世界観を活かした二次創作ではなく、陽と陰の間の「シニカル藤子」のアイデアを換骨奪胎して取り入れた意欲作。ルックスは全然違うのにすごく藤子Fっぽい。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『イヤなイヤなイヤな奴』。

 

石黒正数 『エスパー魔美』

代表作は

トリビュートは『エスパー魔美』の二次創作短編。

『音速の箱』より(石黒正数/藤子・F・不二雄/小学館)

ああ、アレかーw という、勝手に藤子Fキャラ同士をコラボさせる「掟破り(その1)」ネタが楽しい。なお、そんな掟はない。

石黒版の魔美が可愛いのと、石黒版の高畑くんの高畑くん感すごいw

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『エスパー魔美』より「地底からの声」。

 

大童澄瞳 『作品』

代表作は

トリビュートは『ドラえもん』の二次創作短編。

『ねがい星の災難』より(大童澄瞳/藤子・F・不二雄/小学館)

親の金で「野比家の自宅」を再現した『ドラえもん』マニアが、ひょんなことから『ドラえもん』世界に迷い込む。無事にドラえもんたちに邂逅して元の世界に帰れるのか。

終始『ドラえもん』マニアのメタネタ・マシンガントーク(独り言)が冴え渡り、もはや何言ってんだかよくわかんねえw

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『ドラえもん』より「ねがい星」。

 

小玉ユキ 『キテレツ大百科』

代表作は

トリビュートは『キテレツ大百科』の二次創作短編。

『キテレツな彼のこと』より(小玉ユキ/藤子・F・不二雄/小学館)

高校生になったキテレツとみよちゃんの甘酸っぱい未満恋愛模様と、最近様子がおかしいキテレツのその理由。自分はカプ厨なのでこういうの大好き。

なんかどこかで見覚えあるような絵のタッチやネームの雰囲気が大変好みなので、著作の『狼の娘』、買って読んでみよう。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『キテレツ大百科』より「空き地の銀世界」。

 

木村風太 『T・Pぼん』

代表作は

トリビュートは『T・Pぼん』の二次創作短編。

『運命のT・P』より(木村風太/藤子・F・不二雄/小学館)

似たような仕事の現場でカチあった巻戻士とT・Pは共闘することに。

「掟破り(その2)」ネタ、自分の作品のオリキャラを藤子F作品世界観とコラボさせるずうずうしさ。いいね、楽しいw

なお、そんな掟はない。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『T・Pぼん』より「ピラミッドの秘密」。

 

今井哲也 『ドラえもん』

代表作は

トリビュートは『ドラえもん』の二次創作短編。

『FはフューチャーのF』より(今井哲也/藤子・F・不二雄/小学館)

ドラえもんの故郷、22世紀の都市で一人泣く少女。彼女のもとに奇妙な来訪者が訪れる…

ドラは登場しませんが、未来世界設定を活かしたシニカルな語りとどこか間が抜けたオチ。

日本中の子ども達にこうやって「未来を思いを馳せる」時間を作ったFの仕事、やっぱデケえな…

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『ドラえもん』より「ボールに乗って」。

 

山口つばさ 『流血鬼』

代表作は

トリビュートは『流血鬼』の二次創作短編。

『もう1人の流血鬼』より(山口つばさ/藤子・F・不二雄/小学館)

藤子Fのホラー面、『流血鬼』の裏話、「サイドB」という建て付け。

銃で撃たれて主人公とはぐれたメガネ坊主のその後。

原作の「風刺のような、風刺視線に対する風刺のような」テイストを継承。

正義や価値観の手のひら返し・ちゃぶ台返し・盤面がひっくり返った時。

変節か、目覚めか、屈服か。

なんか最近そんなニュースありましたね。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『流血鬼』。

 

モリタイシ 『パーマン』

代表作は

トリビュートは『パーマン』の二次創作短編。

『ラーマン』より(モリタイシ/藤子・F・不二雄/小学館)

パーマン世界観と接続しない、「藤子Fのパチモン」世界観。

ミニスカで空を飛ぶパー子はたまにパンツが見えてましたが、モリタイシが描くパンツはエッチすぎる上に、仮面も相まっておかしな性的嗜好に目覚めそうw

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『パーマン』より「お金のはじまり」。

 

真造圭伍 『ドラえもん』

代表作は

トリビュートは『ドラえもん』の二次創作短編。

『スネオボーイ』より(真造圭伍/藤子・F・不二雄/小学館)

大人になったスネ夫の日常、とある日。

スケボーで滑走しタケコプターでジャンプする、パルクールのような疾走感、かっこいいし、気持ちよさそう。

最後、いい写真だけど出来杉くんに一体なにがあったのw

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『ドラえもん』より「バッジを作ろう」。

 

とよ田みのる 『ポコニャン』

代表作は

トリビュートは『ポコニャン』の二次創作短編。

『にゃんポコ』より(とよ田みのる/藤子・F・不二雄/小学館)

にゃんポコと暮らす女は泥酔し、にゃんポコの力を借りて平行世界の自分たちに会いに行く。

在ったかもしれない可能性、パラレルワールドの概念も藤子Fに教わった。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『ポコニャン』より「けっさく映画をつくる」。

 

山本さほ 『ドラえもん』

代表作は

トリビュートは『ドラえもん』の二次創作短編。

『大人になりたくない』より(山本さほ/藤子・F・不二雄/小学館)

「中年になった今の自分のそばにドラえもんがいてくれたら」

というダイレクトな欲望・願望、シンパシーがすごいw

とても現代的ながらすごく藤子Fっぽいオチもいいw

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『ドラえもん』より「人生やりなおし機」。

 

吉崎観音 『ドラえもん』

代表作は

トリビュートは藤子・F・不二雄本人を登場させた創作短編。

『時空の島にて』より(吉崎観音/藤子・F・不二雄/小学館)

時空を超えてイースター島を訪れた冬樹殿とケロロ軍曹は、超有名人と遭遇する。

ある意味で『ドラえもん』などの藤子Fワールドの正統後継者・吉崎観音のトリビュート、自作のオリジナルキャラのコラボ相手は、まさかの若き日の藤子・F・不二雄、本人だった。

という「掟破り(その3)」なやりたい放題。ケロロ軍曹のコラボ相手がドラえもんではなくその作者なのは、むしろ遠慮というか奥ゆかしさが発露した変化球なのかもしれないw

なお、そんな掟はない。

水を粘土化して家具や建物を作るの、確か『ドラえもん』にもあったけど、いいですよね。

アンソロジー(フェイバリット原作エピ)は『キテレツ大百科』より「水ねん土で子どもビル」。

 

 

総じて、藤子Fモチーフ縛りの制約がある中で、何かどこか普段は閉まってるリミッターが解除されたような作家が多かった気がします。

未読だった作家の作品を初めて読む機会も得られて、何人か気になったのでオリジナル著作の方も読んでみようと思います。

ボリューム満点、楽しい一冊でした。

 

あと特に近年の漫画の発展や進化を否定するものではないですが、こうして現在の現役最前線の作家達の誌面と読み比べてみても、藤子Fの漫画の読みやすさ・わかりやすさ・可愛さ・テンポの良さ・発想の奇抜さ・狂気・業、遜色なく感じて「どうなってんだ」という。

これ、おっさんの「読み慣れ」「思い出補正」ばかりではないと思うんだよなあ…

 

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#TimeTuberゆかり 1巻 評論(ネタバレ注意)

女子高生のゆかりはお台場のタワマン住まいだったが、いい加減な父親はタワマン購入の借金をゆかりに押し付けて失踪、音信不通、行方不明。

『TimeTuberゆかり』1巻より(秋本治/集英社)

なんで糸電話なのかを説明すると漫画で4ページぐらいかかるので省略します。

借金取りのヤクザが取り立てに押しかけ、高校の授業料にも困窮するゆかりは、父の残したガラクタ「デウス・エクス・マキナ」の力で1982年にタイムスリップ。

漫画喫茶に泊まろうと1982年の秋葉原にたどり着いたゆかりは、存在しない漫画喫茶の代わりに、コンピューターゲーム黎明期の熱狂に遭遇。

その様子をスマホで撮影し現代に帰って動画配信して一儲け、借金返済・授業料納付する金策を思いつくが…

『こち亀』の秋本治の連作短編形式の新作は、JKのタイムスリップもの。

「おっさんの描く若い女は、作者のエロ承認願望が投影されててイタい」

という話は昔からあって、平成の作品であっても官能小説で女子大生が「堪忍してちょうだい」とか言い出す魔境です。

『TimeTuberゆかり』1巻より(秋本治/集英社)

秋本治は国民的長寿漫画『こち亀』を描いたベテラン大作家、『こち亀』に登場した女性キャラのみならず女性主人公の作品も複数描いており杞憂かとも思いますが、「JK主人公」はさすがに大丈夫なのか…?

と読む前に少し心配したんですが、やはり杞憂です。

ビジュアル面で言うと、多くの漫画家のように秋本治にも「本命ヒロイン顔」パターン(『こち亀』の麗子や纏)がありますが、本作ヒロインはその作家の全力投球の美女ビジュアルたる「本命ヒロイン顔」から完全にかけ離れたモブ顔で、「JKをエロ可愛く描こう」という気が傍目から見てもまったくありません。

『TimeTuberゆかり』1巻より(秋本治/集英社)

『鳥獣戯画』に混じっても溶け込みそうなモブ顔。

キャラクター・性格面で言うと、

「昭和にタイムスリップさせて、作者とJKヒロインの世代ギャップを埋める作戦か」

と思ったんですが、もっとすごかった。

「ゲーム編」、「フィギュア編」、「プラモ編」、「特撮編」と、金策だったりお使いだったりで昭和にタイムスリップしては、当時の「男のホビー趣味の世界」の現場の熱狂に飛び込んでいくんですが、だいたい解説役のオタクなおっさんがいてずーーっと喋ってるので、JKヒロイン、あんまセリフがありませんwww

『TimeTuberゆかり』1巻より(秋本治/集英社)

ゆかり、「いいえ」しか言ってねえwww

『こち亀』にホビー回・趣味回・オタク回、両さんが趣味のウンチクをずーーっと語ってる回がちょいちょいありましたが、あれの聞き役にヒロインJKを、語り役をゲストのオタクなおっさんがやってるだけです。

狂言回しのヒロインがJKなのは、誰かに「JKヒロインの方が売れる」と言われて半信半疑でイヤイヤ描いたようにしか見えないw

ということで、『こち亀』のレトロ趣味回が好きだった人には割りとブッ刺さるんじゃないかと思います。

この調子で、ゆかりが一言も発さない間にオタクおっさんが一方的に5ページぐらい延々趣味のオタク語りをまくし立て続ける展開が度々発生。

その代わり「JKヒロイン」の「萌え」や「エロカワ」を求めて読むと「金返せ」と暴動になりかねない。そういう漫画ではありません。

漫画としては、タイムスリップの整合性・タイムパラドックスへの忌避感・家族観や倫理観や社会常識などのリアリティへの希求、など「その辺の漫画」が気にするポイントを豪快に野放図にぶん投げ捨てたギャグコメディ。

『TimeTuberゆかり』1巻より(秋本治/集英社)

「第2のタイムスリッパー」なんて重要な役回りが、2話目にして早々に、しかもモブとして登場。

タイムスリップものって、そんなことしていいのか…w

しかもこのおっさんの最後…タイムパトロールが見たら発狂しそう。

大原部長が戦車で壁ぶち破って「両津はどこだー!」なナンセンスなノリそのままで、近年の「よくできた漫画」ばかり読んでいる身からすると、

「描く奴も読む奴も、お前ら細かいとこばっか気にして小さくまとまってんじゃねえ!

 せっかく漫画なんだから好きなことを描け! もっとめちゃくちゃをやれ!!」

とお叱りいただいてるような気分にさえなります。

表題作4編の他、読切短編2作。

キャリア官僚に嫌気がさして退職Uターンしたエリートイケメンが、過疎る地元で起こすウルトラ町おこし、『デフォルマシオン』。

キャリア警察官の女性エリート官僚の寿退職前の最後の仕事は、どっかで見覚えのある変態刑事たちとのパリ出張だった、『七人も刑事』。

『TimeTuberゆかり』1巻より(秋本治/集英社)

お腹痛いwww

やること起こることのめちゃくちゃさが豪快にバカバカしくて、リアリティがどうのとかツッコむ気も起きない、笑うしかない、というのはもはや漫画家としての人徳かもしれないw

 

 

#アンダーク 新しい透明な力のすべて 1巻 評論(ネタバレ注意)

現代、日本。

地球から僅か10光年の距離に、人類に発見されることなく存在していた黒い巨星が、爆発。

『アンダーク 新しい透明な力のすべて』1巻より(アキリ/小学館) 

その爆発は地球に磁気嵐とオーロラを起こし、時期を同じくして若年層の原因不明の高熱症状が大量に発生した。

母を亡くし貧困ながら仲良く二人で暮らす真莉愛(高1)と杏(小6)の姉妹も同時期の発熱を経て、物体を念じて自由に動かすテレキネシス、超能力に目覚める。

生活が便利になると喜ぶ杏だったが、杏に内緒で反社組織の管理売春で姉妹の生計を立て精神的な限界が近かった真莉愛は、

「汚い大人を力でねじ伏せられる能力」

に酔い、杏の事後を養護施設に託して失踪。

杏の知らないところで管理売春の元締めを超能力で殺害し、行方をくらます。

『アンダーク 新しい透明な力のすべて』1巻より(アキリ/小学館) 

半年後、中学生になった杏は姉の消息を求めて施設を抜け出し、超能力を巡る暗闘劇へと身を投じる…

という、『ストレッチ』『ヴァンピアーズ』のアキリ先生の新作は、リアリティ寄りの超能力者もの。

裏表紙の煽りによると「超新星サイキック×サスペンス」とのことです。

吸血鬼ものだった前作に続き世を忍ぶオカルト異能力もの、

「姉の行方を強く希求する妹」

の話ですが、前作・前々作の特徴だった百合要素は今のところ薄めというか、ほとんどなし。

『アンダーク 新しい透明な力のすべて』1巻より(アキリ/小学館) 

「暗黒超新星」の爆発が放つ電磁波?オーロラ?の影響で、水面下で若い超能力者が複数(大量?)発生していて、その一部は「天誅組」的テロ組織を形成しているっぽく、政府も密かに対策を講じているっぽい描写。

ヒロインの杏も、同じ超能力者の少女、天才ハッカー少年とチームを組んで、姉の行方を追うことに。

そしてその姉は…

『アンダーク 新しい透明な力のすべて』1巻より(アキリ/小学館) 

心情描写や動機づけをじっくり尺をとってやっていて、今のところ展開は割りとゆっくりで、1巻は世界観設定とキャラの顔見世。

完結まで何巻ぐらいになりそうか、予想もできまへん。

2024年11月24日現在、WEB連載でこの巻の直後の最新話が読めますが、

www.sunday-webry.com

一話分(第6話)しかまだありません。

ということで、面白いのか面白くないのか、まだよくわかりまへん。

『アンダーク 新しい透明な力のすべて』1巻より(アキリ/小学館) 

若者、というか人間が人知れず超能力を持ったら、(ささやかなものを含め)私欲に走るか、怒りを解消するか。

超能力の存在がオープンな世界観であれば、それを活かして社会に資せる職業(それこそ「ヒーロー」とか)もたくさんあるでしょうが、『エスパー魔美』のように世を忍びつつ人知れず人助けを行う、というのはよく考えたら希少でしょうね。

今のところ漫画作品としての瑕疵もないですが、それ以上に自分はまあ「新刊出れば無条件で買う」程度にはアキリ先生のファンで、絵・雰囲気・キャラが可愛くて楽しくて大好きなので、

『アンダーク 新しい透明な力のすべて』1巻より(アキリ/小学館) 

続きが楽しみです、というところ。

 

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